
この予言は的中した。犯罪は今もなくならないばかりか、当時には考えられなかっただろう凶悪犯や知能犯が跳梁跋扈している。
だが、そうした犯罪者を探し出す犯罪捜査の手法も進化している。新たに着目されたのは土だ。
『Journal of Forensic Sciences』に掲載された2本の研究で発表された捜査技術は、服や車、あるいは所持品といったものについた土や埃から、犯人の足取りを突き止めるというものだ。
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土のサンプルを採取して分析
新しい捜査方法は、オーストラリア地球科学機関のパトリス・デ・カリタ博士が考案したもので、フーリエ変換赤外線分光法、蛍光X線分析法、磁化率測定、質量分析法といったさまざまな方法によって土のサンプルを分析する。その有効性を確かめるための実験では、ノース・キャンベラ260km2の範囲(東京23区の4割程度)を1km × 1kmの区画に分け、それぞれの区画で土のサンプルを採取。さらにこの範囲からどの区画のものか研究者にはわからないように3サンプルを採取し、これを分析した。

捜査対象範囲を大幅に制限することに成功
この結果、実験対象範囲の6割を除外することに成功したとのこと。デ・カリタ博士によると、科学捜査とはすなわち”除外”することであって、6割もの場所を無関係と判断できれば、捜査に大きく貢献したことになるのだという。
それによって捜査にかかる時間やコスト、あるいはリスクといったものをグッと下げることができるからだ。
また実際の捜査として行うには現実的ではないほど細かく調べれば、9割がた場所を特定できることもあるそうだ。

photo by Pixabay
土壌データベースとの組み合わせで犯罪者を追跡
大抵の先進国には土壌のデータベースがあるのだそうで、デ・カリタ博士らは今後、こうしたデータベースと今回の分析法を組み合わせて、実際に土から場所を特定できるかどうか試す予定であるそうだ。なお昨年謎めいた殺人鬼ゾディアックの暗号が解読されたが、事件は相変わらず未解決のままだ。今回の捜査法が当時にもあれば、真犯人を捕まえることができたのだろうか?
References:New Forensics Method to Identify Dirt on Criminals Can Lead to Prosecution
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コメント
1. 匿名処理班
靴に付いて運ばれた土を分析して捜査する手法自体は昔からあるから、これはそれを高精度化した技法って事やね。
事前のサンプリングを細かくやっておくことで絞り込みやすくするという。
分析精度が上がって以前は区別出来なかったものが区別出来るようになったのも大きいだろうね。
2. 匿名処理班
花粉とかその場所にあるものじゃなくて土そのものの成分から判断するわけね
3. 匿名処理班
遥か昔にシャーロックホームズがやってたよ。
「犯人の靴についていたこの泥はテムズ川東岸の○○地区にしかないものだ」
とか言って
4. 匿名処理班
友人にとんでもない嗅覚をもったやつがいる
ある日そいつに「最近旅行でもしてた?」と言われた
なんで分かったのか聞くと、「ここら辺じゃない土の臭いがしてるよ」って
5. 匿名処理班
すごい細かさで土地を区切った「土壌調査会社」が天下り先として出現しそうや
というかそういうデータベース作らないと使えないだろうし
6. 匿名処理班
重要な施設の周りに特殊な土を撒いておけば、出入りの管理に使えそうだな。
7. 匿名処理班
リンカーン・ライムがアップし始めました
8. 匿名処理班
「科捜研の女」でも土壌分析の話があった覚えが
9. 匿名処理班
土が付いたら負けだ
10. 匿名処理班
>>7
もうやってるんじゃ