犯行現場に残された汗や香水、石鹸などのニオイが、犯人捜査の手がかりとして利用されるようになるかもしれない。現在、一般的な香料の化学プロファイルによって、犯人が触れた衣服や物に付着したニオイからその身元を特定しようという試みが実施されることになるようだ。
科学捜査の専門家たちは”セントプロファイル”が、容疑者の絞り込みや法廷における証拠として利用できるようになるのではないかと期待している。
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犯行現場には様々なパーソナルケア製品が複雑に入り交じった残滓が残されている。これらは犠牲者の衣服などから簡単に採取が可能だ。その化学成分を分析し、特定の化粧品やケア製品のものと一致させることができれば、容疑者の絞り込みや、犯人像の構築に役立てることができるのだ。
犯人が触れた衣服や物に付着した匂いからその身元を特定する
例えば、香水、”シャネルNo.5”には特定のアルデヒドが含まれているため、その組成を確認できれば、犯人の社会経済的な背景を割り出すことが可能となる。同様に”リンクス”は若者に人気の製品だ。
また、汗も重要な手がかりとなり得る。汗から検出される化学成分を基に、犯人の喫煙習慣、食事、異性関係といった私生活をプロファイルするのだ。犯人の気分まで推測できるというのだから驚きだ。実は汗のみならず、人間は尿やその他体液などの様々な揮発性有機化合物を分泌している。これらは全て、個人の身元を特定する上で有力な手がかりとなるそうだ。
セントプロファイルの研究者であるアリソン・デビッドソン女史によれば、ニオイの証拠能力はDNAほど強固なものではないそうだ。しかし、DNAに比べて手早くかつ安価に実施できるという利点がある。したがって、他の科学捜査の手法と組み合わせることで、犯人捜査における手がかりを増やすことが狙いと言えそうだ。
かねてから犯罪捜査の現場では、ニオイを嗅ぎ分けることができる犬も導入されており、多大な実績を挙げている。そして今、科学装置がこの犬に代わろうというわけだ。
via:dailymail・原文翻訳:hiroching
あまり香水を使わない日本では、それに代わるかのように様々な芳香剤入り柔軟剤が出回っているね。そしてこのニオイって本人の体臭と混じり合うことで、同じものでもまた違うニオイになっていくわけで、そこに生活習慣による喫煙や飼っているペットのニオイなど、混じり合って更に異なるニオイとなっていく。これの成分が分析できたら、重要な手がかりになるのかもしれないね。
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コメント
1. 匿名処理班
あなたの匂いが犯罪現場に残ってました!!!
って言われて逮捕されても納得いかないぞ。
2. 匿名処理班
プロファイルだから完全な一個人を特定するものじゃなくて、ソレを行いうる人物のキャラクターを特定するものだよね
匂いってのは拡散するもので、現場検証に入った警官や鑑識に依っても擾乱されるし、簡単に別の匂いを残せる事を考えれば、正直、証拠として採用するってのは問題があると思うけどね
3. 匿名処理班
どうせなら若い子に嗅いでもらいたい
4. 匿名処理班
『ブラック・ジャック』で、覆面強盗がすごいワキガだったせいで、後日正体がバレるシーン思い出した。
5. 匿名処理班
犯人がクサヤとかシュールストレミングなど
超臭いもの好きな奴ならプロファイルする人が
ひっくり返るだろうな
6. 匿名処理班
鼻が利きすぎて辛いのでこの仕事したいです
7. 匿名処理班
気分がわかるってことは、計画的に冷静に行われたか、一時的な興奮によって行われたかもわかるってことか。
8. 匿名処理班
当然ごく最近食べたものなんかも解るんだろうし、きちんと数値化&解析ができれば物凄く重要な手がかりになるよね
9. 匿名処理班
痴漢の有力な証拠になるかも