メインコンテンツにスキップ

ムンクの名画「叫び」に隠された落書きの謎が判明。それを書いた人物は?

記事の本文にスキップ

15件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
credit:public domain/wikimedia
Advertisement

 ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクの代名詞といえば、『叫び』だろう。ところで、その左上にかすれた文字が書かれていることをご存知だろうか?

 かろうじて読める鉛筆書きのメッセージはこうだ。

 「描けるのは狂人だけだ!」

 いったい誰がこのメッセージを書いたのか?それを書いた人物の正体についてはかねてから議論となっていた。

 だが最新の分析結果によれば、ほぼ間違いないくムンク本人が書いたものであることが判明したそうだ。

「叫び」の絵にメッセージを残したのは誰か?

 そこに文字があることに気がつかれたのは1904年のことだ。作品が完成してから11年後にコペンハーゲンで開催された展覧会でオランダの評論家が指摘した。当時は、20世紀初頭に同作を鑑賞し不満を持った評論家か訪問客が書いたという説が有力だった。

 落書きがあるのは、ムンクが残した「叫び」全5点ののうちの一つで現在ノルウェー国立美術館が所蔵するものだ。

この画像を大きなサイズで見る
credit:public domain/wikimedia

 顕微鏡で見ると鉛筆の炭素は絵具の上に付着しており、作品が完成した後に書かれたことが分かる。だが、それがいつ、なぜ、誰によって書かれたのかは分かっていなかった。

筆跡鑑定の結果、本人のものと判明

 その謎を解くために、ノルウェー国立博物館のグループは、『叫び』を赤外線写真で撮影してみることにした。これにより鉛筆の炭素をよりはっきりと認識できるようになる。

 こうして明らかになった文字を、ムンクが記した日記や手紙のものと比較してみる。するとその筆跡は間違いなくムンク本人のものであることが明らかになったという。

この画像を大きなサイズで見る
credit:Borre Hostland / The National Museum

このメッセージに隠された意味は?

 だがムンクはなぜこんなメッセージを残したのか?

 研究グループの仮説によれば、ムンクがこれを書いたのは、1893年にノルウェー国内で初めて作品が公開された後のことだ。

 展覧会の評判は散々で、作品にはひどい批判の声が寄せられた。ある美術評論家などは、「ムンクが正常な脳を持つまともな男だと考えるべきではない」とまでこき下ろした。

 また当時クリスチャニアで催された討論会では、作品に好意的な感想を述べる人がいた一方、医学生のヨハン・シャーフェンバーグは、彼の精神状態すら疑った。

 ムンクはその場にいた可能性が高く、その後何十年もそのことを日記に書き続けていることから、相当気にしていたのは明らかだ。

 くわえて彼の親族には心を患っていた者が何人かおり、ムンクは遺伝性の病気をとても心配していたという。

1895年くらいにシャーフェンバーグの診断を聞いた後で書いたのでしょう。クリスチャニアでの展覧会の最中か、終了後まもなくのことだと考えるのが妥当です

 と、ノルウェー国立博物館の学芸員、マイ・ブリット・グレング氏は話す。「皮肉とも読めますが、画家の心の弱さとも受け取れます」とのことだ。

References:mynewsdesk/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 15件

コメントを書く

  1. 「描けるのは狂人だけだ!」
    まさしくこれがムンクの“叫び”だったんですね。

    • +29
    1. >>2
      なんか皮肉マウントなのか純粋な自虐なのか
      両方に取れるな

      • -3
  2. 他の有名な画家は名前を言われると、結構色々思い浮かぶ絵があったりするけどムンクはこれしかない

    • +3
  3. またまた、(# ゚Д゚)「ムンクあっか!!」

    • +9
  4. 叫び声に対して耳を塞いでいる人物の
    絵だけど叫んでる人の絵みたいになっているのな。

    • +5
    1. ※5 耳をふさいでいるの?叫びを聞いて、驚いて顔に両手を当ててるのだと思ってるんだけど。。。

      • 評価
  5. それでもムンクはまだその才能に見合う作品と評価を手にする
    ことができただけ芸術家としては幸福だったんじゃないだろうか。

    世界には希有な才能を有しながらそれを作品というフレームに
    有効に落とし込むすべを持たず、己のカオスに呑まれ、ただの狂人
    とみなされ人知れず消えていった才能も多数あることだろう。まぁ
    当人とって何が幸福かなんて他人が推し量ること自体が無粋か。

    • +14
  6. この絵自体がムンクが友人と歩いている時に空が赤く染まる幻覚を見て恐れ慄いた体験を元にしてあるからね
    そんな幻視に幻聴を絵にして自分は気が狂っているって医者に言われればなまじっか実体験なだけに気にも病む

    • +8
  7. 原文のニュアンスがわからないので
    (この絵が)描けるのは狂人だけだ! なのか、もしくは
    (絵画を)描けるのは狂人だけだ! なのかわからないけど
    どちらにせよプライドを持って「正常ではない」画家の自分を励ましている言葉のように感じる

    • +1
  8. 病弱エピソードとか叫びの印象で、ムンクって薄幸短命のイメージがあったけど、若いうちから評価されてて肖像画家として大人気で、80代まで生きたと知って驚いた。

    • +8
  9. 上手い下手を超えた所に真価がある!
    とか虚構で気分よくしておけば下手な人は一生下手なまま

    • -3
  10. まあ、作品を世に発表すると露骨かつ辛辣な批判だけする人はいますからね

    • +3
  11. そういってはなんだけど、狂人じゃないと描けないよね
    画家だから個性と表現に昇華できただけで

    • -1
  12. 同じ(モチーフの)作品を5枚ほども書くくらいだから
    よっぽどお気に入りだったんだろうにねぇ

    • +3

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

サブカル・アート

サブカル・アートについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。