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平均寿命105歳の未来はもうすぐ? AIによる寿命革命で老化を防ぐ

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(著) (編集)

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AIが人間の寿命を延ばす/iStock
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 AI(人工知能)が人類を滅ぼすのではと恐れる人たちがいる一方で、AIに人類の寿命を大きく延ばす手助けをしてもらおうと考える人たちがいる。

 人間の寿命と最も関連性があるのは「老い」だと言われている。老化は全身の機能を徐々に衰えさせ、様々な病気が発症するようになる。

 そこで、AIに老化のプロセスを解明してもらい、老化を防ごうというのだ。

最先端医療の限界とは?

 医療が飛躍的に進歩したおかげで、昔の人なら諦めるしかなかったさまざまな病気を治療できるようになってきた。これによって平均寿命は大幅に延び、人生100年の時代に突入するかもしれないともいわれている。

 だからと言って医療が万能なわけではない。1つにはコストの問題がある。

 製薬会社は莫大な開発費を投じて新薬を研究しているが、それが治療できるのはたった1つの病気だけだ。たとえ複数の病気に効く可能性があったとしても、現行の制度では認可が得られた病気以外に使ってはいけないことになっている。

 これによって、医療費が社会に与える負担は非常に大きなものになってしまった。

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Stock

1つの病気を治しただけでは寿命は延びない

 さらにそうしたたった1つの病気を治したところで、じつはそれほど寿命が延びないという現実もある。

 たとえば、がんのような命に関わる単一の病気を完治させることに成功したとする。アメリカでの推計によると、それによる寿命を延ばす効果は、出生の時点ならば2.3年、65歳以上の時点ならばたったの1.2年でしかないのだという。

 厄介なのは老いだ。老化は全身の機能を徐々に衰えさせ、それにともなっていくつもの病気が発症するようになる。そうなってしまえば、1つ病気を治せたところで、寿命という観点からはさして意味がないという。

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AIで老化のプロセスを予測、老化を防ぐ

 老化のプロセスを解明するには、さまざまな遺伝グループや社会文化グループに属する人間たちから膨大なデータを集めなければない。

 それは無数のパラメーターで構成されるもので、一生をかけてゆっくりと変化していく。人間が手作業でやるには、大いに骨の折れる作業となるだろう。

 だがそれを得意とするものがいる。そう、AIだ。

 画像認識や翻訳、あるいはクイズ・将棋・囲碁の世界で人間の王者を倒すなど、ビッグデータで訓練されたニューラルネットワークはさまざまな成果をあげてきた。

 また重要なことに、新薬の発見から臨床試験の予測まで、AIは医療の分野でも大きな成功を収めてきた。

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iStock

 『Nature Aging』(1月14日付)に掲載された論文の著者の1人、生物老年学の専門家アレックス・ザヴォロンコフ氏らは寿命医療を提唱している。

 これは「生体年齢」を調べ老化を防ぐ医療だ。何をもって生体年齢とするかについては諸説あり、まだはっきりとは決まっていないが、年齢にともなって発症する病気や寿命を正確に予測できるものだとされている。

 AIはそれを把握する必要不可欠なツールになるだろうとのことだ。

 ちなみにザヴォロンコフ氏は著書の中で、平均寿命105歳の世界がやってくると予測している。

 はたしてそれは望ましい世界なのか、それとも新しい問題が増えただけの世界なのか、みんなはどう思うだろうか?

References:Nature Aging / futurism/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 31件

コメントを書く

  1. 健康な人の数が増えればその分土地や食料が足りなくなって、
    奪い合いや戦争が起きるかもしれない。
    人が幸せになれる技術かどうかはわからないね。

    • +7
    1. >>2
      長生きって辛いよね…ある意味罰だと思う。

      • +5
      1. ※15
        やなせたかし氏94歳
        「来年までに俺は死ぬんだよね。朝起きるたびに、少しずつ体が衰弱していくのが分かるんだよね。まだ死にたくねぇよ。(ようやく人生や作品が)面白いところへ来たのに、俺はなんで死ななくちゃいけないんだよ」Wiki

        こういう人生もあります。

        • +3
  2. 脳細胞の減少はコントロールできないのだから「肉体年齢の若いボケ老人」という厄介なモンスターが生まれるだけだと思う。

    • +9
  3. 寿命が伸びても健康寿命も伴って伸びなければ意味が無いし、寿命が有限である限り死からは逃れられない。老いを遠ざけるのではなく老いそのものを治療しなくては

    • +3
  4. 見送り終えたらそれで終わりだ
    もう許してくれ

    • +4
  5. AIとか言う以前に特に先進国に
    見られることだけど
    昔の70代と今の70代違うよな
    栄養状態や環境もよくなってるから
    自然に長寿化すると思うけどね

    • +3
  6. 技術が進歩していったら人の体はどうなってくんだろう?
    AIに任せていたらいつの間にかただの機械になっていたり?

    • +1
  7. 理想は青年期が長くて老けたと同時に死ぬサイヤ人

    • +10
  8. 超ウルトラスーパー高齢化社会

    二階みたいな政治家が90過ぎてもやってる世界にしかならんだろ

    • +7
  9. 25歳のまま4年だけ生きられた方がいいや。そういう映画あったよね

    • +3
  10. 40歳を超えてからの衰えが105歳まで続くとは

    • +7
  11. この治療を受けられる先進国では少子高齢化が更に加速しそう

    • +4
  12. このまえ東大の研究で、体内の老化細胞を一掃することであらゆる老化現象を改善または遅らせることにマウスの実験で成功したとのニュースがあった。つまり老化細胞除去というたった一つの治療法を受けるだけですべての老化現象に効果があり健康寿命が延びそうだと(ただし120歳前後と言われる人間の遺伝的寿命を延ばすものではないとのこと)。10年後を目標に人での治験に入りたいと言っていたけど、はてさてどうなることか。

    • +5
  13. メーテル早よ
    宇宙の終わりを見届けたい

    • +1
  14. 最近、親戚が103,104で亡くなった。
    手厚くすれば寿命だけでも伸びるわな。
    寝たきりだけど。

    • +1
  15. 安楽死出来る選択肢も用意してほしい

    • +5
  16. そのAIに自由意志があるなら
    100を越えてまだ世にのさばろうと願う者達こそ排除すべきウィルスと認識しそう

    • +3
  17. 長生きしたい人はご自由にどうぞ、なんだけど国が乗っかってきて、年金支給する年齢引き上げます!とか言い出しそうで嫌

    • +7
  18. 人間の本当の問題は老いよりも思考の未熟さだ。
    幼稚だったり頑迷な者が長生きして身近に居続けるなんて恐怖だ。
    ほどほどのところで終われるのがいいと思うよ

    • +1
  19. 死に対する実感が薄いと生も稀薄になるという。確かにそうか
    もしれない。でも「明日には死ぬかも」という末期の決意で
    後何十年あるかも知れない歳月に向かって全力で走り続ける
    ことは、現実的には誰にでもできることじゃない。

    長寿の時代には時代なりの生の実感のあり方があってもいいん
    じゃないかと思う。たとえそれが稀薄で平坦に見えたとしても

    • +3
  20. 長生きしたくないだの宣う人間は想像力が欠落しているだけ、もしくは思考放棄
    今死ぬか生きるかの選択迫られたら大抵の人は生きる方選ぶでしょ
    寿命ってそういうことだよ

    • -1
    1. ※30
      その通り。
      普段長生きしたくないなんて言ってる人間だってどうせ死ぬ間際になったら「死にたくない」「怖い」「まだ生きたい」「なんで自分が」って思うに決まってる。

      • 評価

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