2020年の天文学的発見
2020年の天文学的発見 / Pixabay
 宇宙は奇妙な不思議で満ちあふれている。ときおり観察される奇妙な現象は、専門家の予想のはるか斜め上を飛んでいく。

 2020年、天文学者はたくさんの発見をした。すでにカラパイアでお伝えした物も含めて、その中でもとびきり奇妙な発見を10つほど見ていこう。
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1. 溶岩の雨が降るスーパーアース「K2-141b」

溶岩が降り注ぐ惑星
iStock
 スーパーアースの「K2-141b」は岩石惑星で、液体の海があり、それが蒸発して雲が形成されやがては雨となって地表に降り注ぐ。これだけ聞くと、地球外生命発見が期待できる最有力候補が見つかったかのように思える。

 だがその正反対だった。なぜなら循環しているのは水ではなく溶岩だからだ。

 K2-141bは主星に近すぎるために、岩石すら溶ける灼熱の世界で、その海は溶岩の海である。大気は岩石が蒸発してできた二酸化ケイ素で、これが超音速の突風によって吹き飛ばされ、夜側に達すると冷えて岩石の雨となって降り注ぐ。

2. 存在しなかった惑星「フォーマルハウトb」

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image by:ESA, NASA and M. Kornmesser
 「フォーマルハウトb」は最初期に発見された太陽系外惑星だ。だが今年、天文学者はそれを見失った。ハッブル宇宙望遠鏡の観察データによるなら、2004年に発見されたはずの明るい光が、2014年には完全に消失してしまったようなのだ。

 惑星としては相当に珍しい現象だ。そして考案された仮説は、フォーマルハウトbはもともと存在していなかったというものだ。

 とは言っても、惑星としてはという意味だ。シミュレーションの結果によると、小惑星や彗星などの衝突によって発生した高密度のちり雲だった可能性が高く、発見から10年で散り散りになってしまったと考えられるそうだ。

3. 消えた恒星

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image by:ESO/L.
 忽然と消失したのは惑星だけではない。巨大な恒星もまたどこかへ行ってしまった。その星は、地球から7500万光年離れたキンマン矮小銀河に存在した「高光度青色変光星」だ。太陽の250万倍という凄まじい明るさで知られた星だったのだが、それも過去の話だ。

 最後に目撃されたのは2011年。しかしそれから8年後に再び望遠鏡が向けられたときには、すでに姿を消していた。通常、こうしたタイプの星が消えるとき、超新星のような爆発を起こすものだ。だがこの星は、そのような華々しい痕跡を残すことなく、まるで幽霊のようにすっと消えてしまった。

4. 超新星爆発を生き延びたの白色矮星

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image by:University of Warwick/Mark Garlick
 超新星について触れたが、ある星はその超新星を生き残ったらしいことが明らかになっている。

 2015年に発見された白色矮星「SDSS J1240+6710」はかなり変わった構成をしており、よくある水素やヘリウムはなく、炭素とナトリウムとアルミニウムが含まれていた。しかも太陽の40%と質量が小さく、なんと時速90万キロで天の川銀河内を暴走していたのだ。

 そんな猛スピードで駆け出すようになった理由は、超新星爆発したにもかかわらず、これを生き延びたことだと考えられている。爆発で普通あるはずの物質が燃やされて質量を失いつつも、巨大な弾丸のように吹っ飛んで行ったのだ。

5. ブラックホールにもてあそばれて惑星に変化しつつある星

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image by:NASA/CXC/M
 今年判明したもっとも奇妙な運命で賞は「GSN 069銀河」の中にある星に授けたい。その白色矮星はブラックホールにしゃぶり尽くされた挙句、1兆年という気の遠くなる歳月を経て、木星のような惑星に変化しようとしている。

 ある研究グループによって、規則正しく9時間ごとに生じるX線バーストが観測された。詳しい分析からは、どうやらそれはブラックホールの周囲をスピログラフのようなユニークな軌道で公転する恒星であることが判明。X線はブラックホールによって表面がずるずると吸い取られるときに放たれているらしかった。

 その星はブラックホールに弄ばれながら、ゆっくりと、しかし着実に赤色巨星から白色矮星に変化。だがもしあと1兆年この宇宙が存続するとしたら、十分に冷えて惑星になると予測されている。

6. 宇宙の巨大クレーター

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image by:ESA
 ブラックホールは、まるで宇宙の火山であるかのように、ときおり噴火することが知られている。それはとてつもないエネルギーを放出し、周囲のガスや物質に穴をうがつ。今年、そんな”クレーター”の中でも、宇宙史上最大のものが見つかっている。

 それを作った犯人は「へびつかい座銀河団」の中央にある超大質量ブラックホールだと考えられている。銀河団の熱いガスにうがたれたクレーターの大きさは、なんと我々が暮らすこの天の川銀河15個分である。

 あまりの巨大さゆえに、爆発によるものとは考え難かったが、X線と電波の両方で観測できるために、それ以外の説明はできないのだそうだ。いったいどれだけのエネルギーが放出されたのか、もはや想像することすらできない。

7. 反復する高速電波バースト

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image by:Kristi Mickaliger
 ここ十数年における宇宙最大の謎の1つは、「高速電波バースト(FRB)」と呼ばれる現象だった。ほんの数ミリ秒という一瞬の間に太陽5億個分ものエネルギーを放出する奇妙な現象で、そのほとんどはたった一度きりしか観測されない。

 しかし今年、16日周期(活動期4日、休止期12日)で反復するFRBが発見された。さらにまた別の反復型FRBでも、これまで知られていなかった周期があることが判明。

 2012に年に発見されたこのFRBは、これまで規則性などなくランダムに発生していると考えられてきたが、じつは157日の周期(活動期90日、休止期67日)があることが明らかになった。

8. 高速電波バーストの発生源を特定

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image by:ESA
 高速電波バースト(FRB)の正体を特定する最大の手がかりは、史上初めて天の川銀河の中で検出されたシグナルによってもたらされた。

 超高密度で強力な磁場を持つ中性子星の一種を「マグネター」というが、4月28日にその活動が検出。それが放っていた明るい電波バーストは、FRBに非常によく似ていたのである。マグネターは以前よりFRBの発生源として疑われていたが、今回の観測によってその容疑はいっそう濃厚なものとなった。

9. 観測史上最強の磁力を帯びた天体

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image by:NASA
 マグネターと同じく、「パルサー」もまた中性子星の一種だとされているが、今年発見されたそれは観測史上最強の磁力を帯びていた。

 推定によれば、「GRO J1008-57」の磁場は10億テスラ――参考までに言っておくと、太陽の磁場は0.4テスラ、地球ならわずか0.00003テスラ(30マイクロテスラ)。平均的な白色矮星ならせいぜい100テスラで、これまでに実験で作られた磁力の最高記録は1200テスラだ。

 このパルサーにうかつに近寄ろうものなら、凄まじい磁力によって原子レベルで引き裂かれるに違いない。

10. 新たなる宇宙の謎「不規則電波サークル」

 高速電波バースト(FRB)の謎はかなり解明に近づいている。だが、1つ謎が解明されても、次の謎を突きつけてくるのが宇宙だ。その新しい謎は、「不規則電波サークル(Odd Radio Circle/ORC)」と呼ばれている。

 これまでに発見されたいかなる天体とも合致せず、その正体は現在の天文学理論では説明できない。距離や大きささえ不明で、天の川の中にあるとすれば数光年の大きさだが、その外にあるならば数百万光年もの大きさがある可能性がある。

 まったく未知の現象である可能性も、既知の現象と関係している可能性もある。とにかく分からないことだらけの現象なのだ。宇宙を愛する者たちに退屈しているヒマなどないようだ。



References:The 10 most bizarre space discoveries of 2020/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2020年12月22日 20:58
  • ID:jSAx4dAe0 #

どれもこれも荒唐無稽と言っていいほど地球上の常識から
大きくかけ離れていて、逆に地球の環境のがいかに特殊で
「宇宙の常識」を逸脱してるのかということを思い知らされる。

2

2. 匿名処理班

  • 2020年12月22日 21:06
  • ID:9kJvGYAt0 #

こういうニュースを見ると
宇宙人っているんでしょうか?
といつもなる

個人的には
火星・金星・エウロパ・タイタン
ガニメデ・エンケラドス
から生命の痕跡が出なければ
いないと思う事にしている

今のところだけど
これから20〜30年の間に
答えは出るでしょう

3

3. 匿名処理班

  • 2020年12月22日 21:12
  • ID:2zsz8rYW0 #

ケチつけるみたいで恐縮だが、9の出だしは『パルサーと同じく、「マグネター」もまた中性子星の一種だとされているが』が正しいんじゃね

4

4. 匿名処理班

  • 2020年12月23日 08:35
  • ID:qdYukdO30 #

不定期な高エネルギーの放出なんて絶対宇宙人同士の戦争だよね

5

5. 匿名処理班

  • 2020年12月23日 13:06
  • ID:CtNnCfjO0 #

「太陽の250万倍の明るさ」「地球の10億倍の磁力」「銀河15個分の大きさ」「太陽5億個分のエネルギー」…
もう本当に神話級のスケールって言うかなんて言うか…もうどれもが凄いってしか言えない

6

6. 匿名処理班

  • 2020年12月23日 23:28
  • ID:2ppGbgka0 #

1兆年?おかしくない?

7

7. 匿名処理班

  • 2020年12月23日 23:32
  • ID:7WWfMRrO0 #

溶岩の海があって夜には岩石の雨が降る惑星って実際に見えたのかしら?

8

8. 匿名処理班

  • 2020年12月24日 05:54
  • ID:82LHPi3L0 #

恒星がとつぜん消えるのはダイソン球化されたから

9

9. 匿名処理班

  • 2020年12月25日 16:36
  • ID:2dEG9fDW0 #

2は名前がやたらとカッコいいよね
奈須きのこが使ってそう

10

10. 匿名処理班

  • 2021年01月15日 01:02
  • ID:SMKlSDZt0 #

>>9
鋭いな
fgoで関連鯖が実装されてる

11

11. 匿名処理班

  • 2021年05月17日 23:03
  • ID:2a7EMnoW0 #

>>10
そもそもクトゥルフ関連で既に使われてる
そのfgoのもクトゥルフネタだ

12

12. 匿名処理班

  • 2021年06月16日 13:01
  • ID:93nnHtsU0 #

惑星と見間違えるような規模のガス天体が10年そこらで散り散りになるものなのか?

13

13. 匿名処理班

  • 2021年08月08日 16:29
  • ID:Bblrbdyc0 #

宇宙の年齢?が137億年なのに1兆年とはこれいかに?

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