一部のビーチ開放に喜ぶフロリダ州住民に、あの死神が超絶監視（アメリカ）

　アメリカでは各州で外出禁止令が出て1か月余りになるが、4月17日にフロリダ州南部の一部ビーチが時間限定で開放されたことで、歓喜の声をあげた住民らがビーチに殺到するという事態となった。

　「社会的距離を保ちつつ、エクササイズのみ」という条件は、住民たちにあまり聞き入れられなかったようだ。

　そこで同州のある弁護士が、あの死神を召喚させる計画があることを発表した。みんなは覚えているだろうか？溺死事故を防ぐため、ニュージーランドで夏の季節に活躍しているスイムリーパーのことを。

一部ビーチ開放で住民ら歓喜、社会的距離の実行を無視し殺到

　フロリダ州南部ジャクソンビル市は、トランプ政権による経済再開の指針を受け、社会的距離の実行を条件に時間限定で4月17日の午後5時に一部ビーチの開放に踏み切った。

　このビーチ開放においては、予め「エクササイズのみ」であることが強調されていた。

The beaches open at 5pm FRIDAY for EXERCISE ONLY.

I don’t wanna see y’all out there tonight or in the morning with your towels and beach chairs.

— Anthony Austin (@AnthonyReports) April 16, 2020

ビーチは金曜の5時に開放となりますが、エクササイズのみです。タオルやビーチチェアを持って集まらないでください。

　にもかかわらず、トランプ大統領の「感染拡大は過ぎた」という発言もあり、開放時間に地元警察によりバリケードが取り払われると、多くの住民が歓声をあげてビーチに殺到。

Some Florida beaches are reopening. Woohoo!#FridayFeeling #coronavirusupdate pic.twitter.com/1rWnP0UPKb

— Ken Haberman (@KenHaberman1) April 17, 2020

　警告があったにも関わらず、タオルを持った住民らは日光浴を楽しみ、マスクを着用している人などほとんど見られず、パンデミックの渦中とは思えない光景だったようだ。

　このような外出規制緩和の実施は、一部の住民から「リスクが高まる」という懸念の声もあがっている。

On my side of Florida they’re opening up the beaches today and I see everybody saying they gonna come over here so they can go to the beaches. Please don’t. Please stay home. I’m not going to these damn beaches until everything is completely over with. Y’all wild fr

— shell☕️ (@whitespanishhh_) April 17, 2020

私の住んでいる地域のビーチが開放されて、みんなここに来るって言っているけど、お願い、止めて。どうか家にいて。私はパンデミックが終わるまで、絶対にビーチには行かないわ。

The fact that Florida is opening up their beaches starting today is one of the dumbest things ever done. Especially when they are a hotspot!

— ♓️ (@kylinNOnihao) April 17, 2020

フロリダでビーチ開放なんて、最も馬鹿げたことの1つよ。ホットスポットなのに信じられない！

フロリダ州弁護士、死神「スイムリーパー」に変装し注意喚起へ

　4月24日の時点で、フロリダ州では新型コロナウイルスの感染者は約28000人確認されており、死者は867人、4200人以上の感染者が入院している。

　フロリダ州のロン・デサンティス知事は「同州でのコロナ感染は曲線を平坦化しており、ニューヨーク市やイタリアで起こったことは避けられた」と主張している他、他州でもトランプ支援派の住民らによる外出規制緩和を求めるデモが行われているという。

　しかし、現状としてはまだまだ収まっていないのが事実だ。これでは、一部住民の不安を更に煽ることとなる。

　そこで、同州の弁護士ダニエル・ウールフェルダーさんは、ユニークな方法で改めて社会的距離の実行を警告することを思い付いた。

　ニュージーランドの公共サービスキャンペーンとして水難事故を未然に防ぎ、水の安全を促進するために起用された死神“スイム・リーパー”に変装することにしたのだ。

この投稿をInstagramで見る

The Swim Reaper(@iamtheswimreaper)がシェアした投稿 - 2020年 1月月21日午後1時16分PST

　ウールフェルダーさんは自身のTwitterアカウントで、コロナウイルスの蔓延を防ぐために外出自粛がいかに重要であるかをフロリダ州住民に知らせる対策として、5月1日から州のビーチを死神に扮して回る計画をしていることをシェアした。

Many of you have asked if I am willing to travel around Florida wearing Grim Reaper attire to the beaches and other areas of the state opening up prematurely. The answer is absolutely yes. Beginning May 1 we will hit the road here in state. Please retweet and spread the word. pic.twitter.com/UO7QKg161n

— Daniel Uhlfelder (@DWUhlfelderLaw) April 22, 2020

死神扮装を利用して選挙の資金集め計画も

　ウールフェルダーさんの目的はあくまでもコロナウイルス蔓延防止対策だが、死神扮装はどうやら5月12日に行われる選挙で連邦政府に出馬する民主党メンバーのために資金を集めることを目的にもしているようだ。

We will use this as a campaign to ensure people know the importance of staying home while supporting Democrats running for federal office including Matt Gaetz opponent Democrat Phil Ehr and Democrat Christy Smith running in a special election May 12. https://t.co/tK8AQHKEvV

— Daniel Uhlfelder (@DWUhlfelderLaw) April 22, 2020

　4月22日のツイートでは、既に死神の衣装も注文済みで来週には届くだろうこと、続々と選挙支援の資金が集まっていることも報告されている。

And yes, we have ordered all the Grim Reaper attire. It arrives next week.

— Daniel Uhlfelder (@DWUhlfelderLaw) April 22, 2020

　果たして、選挙運動目的の思惑が絡んだウールフェルダーさんの「死神“スウィム・リーパー”でコロナ対策」は成功するのか。インドネシアのコロナ対策「伝説の幽霊」のように、死神見たさに人がビーチに殺到しないことを祈るばかりだ。



追記（2020/05/02）
5月1日より、ウールフェルダーさんの死神がついに登場したようだよ。 Grim Reaper in Walton County
written by Scarlet / edited by parumo
あわせて読みたい
伝説の幽霊がついに登場。奇襲作戦で地元住人に自宅待機を促す（インドネシア）

いろいろ違う！突っ込みどころ満載、世界のコロナ対策

警察がヘリで砂嵐を起こし人々を追い払う。犯罪組織が住民が外出しないよう見回り。ブラジルの独特なコロナ対策

美容師が傘を防護服代わりに接客、オランダの新型コロナウイルス対策（オランダ）

外出しているやつはいねがー？なまはげテイストで登場するコロナウイルスマスクをかぶった警察官（インド）