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かつて米軍には超能力犬がいた。テッシーとビニーの物語(アメリカ)

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画像の犬はイメージです/iStock
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 アメリカの超心理学者、ジョゼフ・バンクス・ライン氏(1895年- 1980年)は、デューク大学で妻ルイーザと一緒に、「超心理学」と呼ばれる現象を研究していた。決して怪しい人物などではなく、心理学部の学部長を努めるほどの研究者だった。

 今では「近代超心理学の父」として知られているライン氏はかつて、米軍の依頼を受け2匹のジャーマンシェパードの超能力検査を行ったことがある。

近代超心理学の父、ジョゼフ・バンクス・ライン

 超能力を意味する「ESP(超感覚的知覚)」という用語は、一般的な五感を利用することなく情報を獲得する能力を表すためにライン氏が考案したもので、さらに「超心理学」という用語も、一般的な心理学と彼の研究分野を区別するためのものだった。

 講演者として大人気で、また非常に筆まめであったことでも知られ、デューク大学のルーベンスタイン図書館には、彼が存命のうちに記した無数の手紙が所蔵されている。

 そうした手紙は、同僚に自分の研究内容を詳細に説明したものや、超能力や予知夢を知らせてよこした個人への返事などで、宛名には、カール・ユング、アプトン・シンクレア、チャールズ・チャップリン、オルダス・ハクスリー、ジュリアン・ハクスリーといった錚々たる顔ぶれが並んでいる。

 さらに著作物、ならびに専門誌や一般誌への寄稿も多数ある。中でも特に変わっているのは、1950年代初頭に行われた研究に関するものだ。それは、米軍がある重要なプロジェクトへの参加を、密かにライン氏に打診したことで実現した。

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ジョゼフ・バンクス・ライン氏 image by:Aldous Huxley・wikimedia commons

米軍、犬の超能力を研究してほしいと依頼

 ことの発端は1952年1月に1本の電話が鳴ったことだ。電話の主は米軍で、戦場で超心理学的現象を役立てられないか評価してほしいという依頼だった。とりわけ軍が知りたかったのは、犬に地雷を探知するESPがあるかどうかである。

 ライン氏は大いに興味を惹かれ、喜んで軍の誘いを受けることにした。彼がプロジェクトに本格参加したのは、それからほぼ1ヶ月後のことだ。

 プロジェクトは、フォート・ベルヴォアール基地で遂行された。ここで、ライン氏はこの実験の成否の鍵を握るVIPを2人、正確には2匹紹介される。ジャーマン・シェパードのテッシーとビニーだ。

 軍はどこかで犬に超能力があるらしいことを示唆する研究を知ったらしく、物は試しだとゴーサインを出したのだった。

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画像はイメージでテッシーとビニーではありません/iStock

犬の超能力実験が開始される

 プロジェクト本部は、フォート・ベルヴォアール基地にあったが、実際に実験が行われたのは、静かなカリフォルニアの海岸だった。

 兵士の一団が海岸に地雷のダミーを埋めて隠し、それをテッシーとビニーのコンビが探し当てられるか観察するのだ。準備の最中、コンビは軍用トラックの荷台で待機。手筈が整い次第、探索が開始される。

 驚いたことに、テッシーとビニーはいともたやすく地雷を探し当てることができた。これには軍も感銘を受けたようだ。

 これが単なる偶然などではないことを確かめるために、さらに難しい実験が実行された。今度は砂浜にただ地雷を埋めるのではなく、2メートル近い深さの海に沈めたのだ。

 コンビはこれすらも見事に探し当てることができた。海へ向かって駆け出し、海中へダイブ。浮上してくると、興奮気味に吠えて、そこに地雷があることを知らせた。

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画像はイメージです / Pixaboy

結論、犬にはESPがある

 ライン氏はこのように報告している。「ESPを除けば、犬が水中の地雷を発見できた方法は、控えめに言っても、一切知られていない。」

 実験はしばらく続けられたが、やがてもっと地に足のついた地雷探知法の研究にとって代わられた。

 テッシーとビニーは、カリフォルニアの波打ち際を駆け回るのは楽しくて仕方なかっただろう。それが米軍にとって重要な任務であるなどとは、露も知らずに大はしゃぎしていたに違いない。

References:Psychic Dogs of the U.S. Military: Tessie & Binnie | Mysterious Universe/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 15件

コメントを書く

  1. 逆算できればわかるでしょ
    賢い犬だね

    • -1
  2. 火薬の匂いとかに気が付いたとか、現代の地雷探知犬とは違うのかな?

    • +11
  3. 一方ポーランド軍はヴォイテクとキャッキャッウフフしていた (´・(ェ)・`)(´・ω・`)

    • +8
  4. 人だろうが動物だろうが超常的な力があってもおかしくはない
    っていうかあったら面白そうって感じか

    • +4
  5. >実験はしばらく続けられたが、やがてもっと地に足のついた地雷探知法の研究にとって代わられた。

    超能力なんか使わなくても嗅覚で発見してもらえばいいじゃん、って事に気づいてしまった人がいたんだな。
    お陰で犬の超能力は世間に知られずに済んだ。

    • +6
  6. 土の中なら、イノシシがワナを避けるように嗅覚で見つけたのかなと思ったけど
    水の中のも見つけるとかすごい。砂浜までなら臭いを辿れると思った。地雷と地雷のダミーを見分けられるのかな?と思うけど、とにかく人為的に埋めたものを見つけられるのすごい。かわいいかしこい

    • +6
  7. スタスキー&ハッチ
    キャグニー&レイシー
    とか名コンビ刑事もたくさんいたね。

    • +1
  8. ジャーマンシェパードなら持ち前の嗅覚+聴覚+訓練の入りやすさで、普通に軍隊の役に立つからねえ。でも面白い研究ではある。

    • +3
  9. 除霊猫VS超能力犬
    今世紀最大のサイキックバトルが始まる…

    • +2
  10. テッシーによる後日談
    「火薬と鉄の臭いがしたんですが、あまりにも嬉しそうなので言い出せませんでした。」

    • +8
  11. 「コンビは軍用トラックの荷台で待機。」というところがミソかも。犬の聴覚は物凄く鋭い。どの辺りに人がいて何をやってるのかを聞いていた可能性がある。また、水中だから匂いがしないだろうと考えるべきでもない。水についた匂いを追跡することが出来る。ウチの犬達は川を潜って逃げるミンクを泳いで追跡して獲ってきたことがある。軍の活動をつぶさに観察していた犬なら、今回は何をどこで探せば良いのか推理していたかもしれない。

    • +3
    1. ※13 水についた匂いを嗅ぐってことは、鼻の中に水を入れて嗅ぐってこと?

      川にしろ海にしろ流れがあるところで匂いを追えるのはすごいなと思います
      雨が降ったら匂いが流されて追跡できません!みたいな話を定番として聞いていたので余計に

      • +2
  12. 犬は人体から発してる電磁波みたいなので建物の中にいても飼い主が帰ってくるのがわかる。500メートルだったかな。
    地雷も周囲と違った波長を発していたのかも。

    • +1

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