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左利きは戦闘有利。選択的な優位性を持っていることが明らかに(英研究)

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(著) (編集)

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OSTILL/iStock
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 左利きは常に人口全体の10%(10人に1人)で、不思議なことにこの比率は過去5000年間でほとんど変わっていないという。

 利き手は環境と遺伝子の両方によって決められる。しかしこれだけでは、そもそもなぜ左利きが進化し、常に一定の割合で存在するのか説明できない。

 よく取り上げられるのは1996年に提唱された「戦闘仮説(fighting hypothesis)」という学説だ。この仮説によると、左利きは珍しいので、戦いで有利に立てるというメリットがあるのだという。

 そして最近、この仮説が検証された。13,800名のプロの格闘家を対象にした研究によると、やはり

戦闘仮説とは?

 「戦闘仮説(fighting hypothesis)」は左利きは少数派なので、戦いで有利に立てるというメリットがあるという仮説だ。

 多数派の右利きの人間は、少数派の左利きの人間との戦いに不慣れである。それとは対照的に、左利きの人間が戦う相手は右利きばかりなので慣れている。左利きの人間にとって、この経験の差がそのまま戦いにおけるアドバンテージにつながる。

 しかし左利きであることには不利な点もある。なぜなら、圧倒的多数が右利きであるために、世の中は右利き向けにデザインされる傾向にあるからだ。たとえば右利き用の道具を左利きの人間が使えば、怪我をする確率が高まることだろう。

 これらの要素のバランスとして、左利きは人口の1割に落ち着いているというわけだ。

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itakdalee/iStock

本当に左利きは戦いで有利なのか?

 これまでのところ、戦闘仮説の科学的知見は、プロの格闘家にサウスポーが多いかどうかを調べた研究から提示されてきた。たとえば、アメリカの総合格闘技団体UFCやレスリングには、サウスポーの選手の割合が多いことが示されている。

 ただし、こうした研究には大きな欠点がある。それはプロ格闘技においてサウスポーの選手が多いのだとしても、右利きの選手に比べてより成功しているかどうかまでは明らかにしていないことだ。

 そこで、イギリス・マンチェスター大学地球環境科学部の研究チームは、特定の分野におけるサウスポー選手の人数にかかわりなく、本当に彼らが右利き選手よりも多く勝利しているのか調べた。

 この研究で特に重要なのは、プロ格闘家13,800名(男子ボクサー10445名、女子ボクサー1314名、総合格闘家2100名)という、これまでよりもずっと大きなサンプルが分析対象にされていることだ。

 そして、この分析からは、戦闘仮説を裏付けるかなり強固な結果が得られている。

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WikiImages from Pixabay

格闘家には左利きが多く、勝率も高いことが判明

 まず判明したのは、これまでの研究でも主張されていたように、プロ格闘技においては左利きの選手が多いということだった。

 左利きの割合は、男子ボクサー 17パーセント、女子ボクサー 12.5パーセント、総合格闘家 18.7パーセントだった。人口に占める左利きの割合が10パーセントであることを考えると、統計的にも確かにサウスポーが多いと言うことができる。

 さらに重要なのは、左利き選手は成績でも右利きを上回っていたことだ。

 勝率を見てみると、男子ボクサー 52.4パーセント、女子ボクサー 54.5パーセント、総合格闘家 53.5パーセントと、いずれのグループでも5割を超えていた。統計的にも有意な結果であり、左利き選手は右利き選手よりも戦いで有利であるらしいことが窺える。

 これまで推測されていた通り、プロ格闘技において左利き選手は数が多いだけでなく、勝ち星も多くあげていることがはっきりした。左利きが進化した理由は他にもあるかもしれないが、戦闘仮説を裏付ける強力な証左のひとつではある。

 この研究論文は『Scientific Reports』に掲載された。

References:Left-Handers Are Better Fighters than Right-Handers | Psychology Today/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 53件

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  1. サウスポーは実際スポーツでも試合すると違和感感じてうまく発揮できなくなるからね

    • +1
  2. 左利きは右利きとの戦う機会が多いのに、
    右利きは左利きと戦う機会が少ないからね。

    左利きが希少種なだけで優れているわけじゃないし、ちょっと不公平だと思うかな。
    ヘビー級、ミドル級みたいに分けた方がいいんじゃ?

    • -7
    1. >>2
      その不公平さが戦闘という分野では優位性を誇るんじゃないのか?
      脳の作りや視認能力、遠近感の正確さ、環境も含むなら経済力や生育背景もだろう
      大学入試なんかの公平性だって、あくまで受験資格と受験の機会にしかないわけで、本人の資質や環境、それが及ぼす文化的、社会的なメリットにはノータッチだしな

      • +3
    2. ※2※9
      >プロ格闘技においては左利きの選手が多いということだった。

      • -4
      1. ※36
        プロになってから左相手が増えるってことよ

        • 評価
      2. ※36
        もうちょいよく読んでみたら・・・?

        「(右利きより)左利きの選手が多い」じゃなくて、
        「(”左利きは常に人口全体の10%”の統計と比べて)左利きの選手が多い」ということだよ

        • +2
  3. そして最近、この仮説が検証された。13,800名のプロの格闘家を対象にした研究によると、やはり

    てところで切れとるよ

    • +2
    1. >>4
      普通の生活も順応してるから全く違和感ないけどな。
      なぜかって?
      生まれた時から世界は右社会だから、
      右社会で暮らす左利きとして無意識に順応してるから。

      まぁクリアファイル使うと表裏逆だったり、ハンコ早打ちするのに
      書類上下逆にしたりするけどそれが嫌なら右で持てばいいだけの話であってw

      • 評価
  4. スポーツじゃなくて過去の戦闘で考えた場合、左手に盾、右手に剣や槍を持ってた方が圧倒的に有利だと思う。心臓という重要な臓器を守りつつ剣で攻撃出来るだろうし。
    右利きの戦士に対して虚を突いて勝つ事が出来るというメリットもあるが、メリットよりデメリットが上回ってるからずっと1割を超えなかったんだと思う。
    スポーツじゃなくて戦闘だとマズい所に当たると普通に死んじゃうし。

    • 評価
    1. >>5
      オレ左利きだけど
      ナイフ一本なら左に持つけど
      盾も持つ必要があるなら自然に違和感なく盾を左に持つよ。

      左利きはみんなそんなふうに順応してるんだよね。

      • +1
      1. ※16
        じゃあ、この推測はハズレかぁ

        その左利きでも盾は左手で持つって話が面白かったので、ちょと軽くアフリカの部族みたいな人達が盾をどっちの手で持ってるか調べてみたら全員左手に持ってるな。西洋人でも調べたらやっぱり左だけだな。左利きの人がどの位含まれてるのか分からんけど。
        左利き右利き関係無く、本能的に重要な臓器を守る為に左手左腕を防御の手とするのかね。

        • 評価
        1. ※25
          相手は原則として右利きだから、攻撃の大半は向かって左から来る。
          だから壁は自分の左に置いておいた方がいい。

          ただ、左利きが盾をどちらの手に持つのかは流派によって異なる。
          近世ヨーロッパの剣士(たしかAcihlle Marozzoだったはず)が、タージ(ここではバックラーのような小盾を指す)を、左利きの剣士に右手で持つように指導している例がある。
          その剣士が論じる理由までは知らないけど、中世の剣術ではバックラーが補助的な道具として用いられていた事から考えると、剣を利手に持った方が得が多いんだと思う。

          • +2
    2. 進化的に安定する戦略を考えると、同種他個体同士の競争が淘汰圧になっているなら右利きの集団に左利きが侵入すれば速やかに増えていってやがて右利きと左利きで1対1になりそうなところ、そうはなってないのは同じ利き手同士の協力も淘汰圧になっているからという仮説だよね
      その均衡するところが9対1であると
      じゃあなんで右利きのが多いかってなると※5の言う通り心臓の位置が左にあるからなのかなぁと思う
      以前の研究では闘争的な競技での左利きの人口が多いってことで仮説を検証してたけど、今回は実際に勝率が高いってことで仮説を補強した形かな
      でもこの仮説が正しいのなら、右利きはより協力的で左利きはより闘争的な性格とセットになりそうな気がするけどどうなのかな

      • 評価
  5. 右利きが数の多い対右利き対策を準備するのは当たり前。
    逆に左利きは多くの右利き対策を準備するだけだから優位なのは当たり前。

    • 評価
  6. そら右利きが多いから、対戦相手は基本右利きであって、左利きには慣れてないし、左利きは右利き相手と対戦するから、右利きには慣れている。
    仮に人口で右利き、左利きとで5割:5割になれば有意差はないだろうな。
    もっと言えば利き目の関係で利き目と利き手が違うと、サバゲーとかでサイトが合わなくて命中精度が悪いけどな。

    • +5
  7. 左利きのボクサーが右利きのボクサーと対峙して打ち合う場合、左利きの方は半身だけ間合いが有利になるっていうことだよ

    野球でいうと、「バッターボックスの右と左で一塁ベースに近いのはどっち?」っていうのと同じ

    • 評価
    1. ※8
      ならないよ
      ボクシングに1塁ベースはないから

      • 評価
  8. この種の疫学的研究は街ネタにはいいけど,Scientificではないので,Scientific Reportsにはのせて欲しくない感じ。

    • 評価
  9. 今更か!散々スポーツ漫画で使われてるぞ
    中盤のそこそこ強敵で、最強じゃないが主人公の試練的なエピソードの定番だ

    • +2
    1. >>11
      新撰組ネタの鉄板。
      左利き説があるのは沖田総司、斎藤一、原田左之助。
      沖田総司は特に根拠となる噂や証言がなく、斎藤一は子孫が「右手で箸持ってた(刀持ってたとは言ってない)」。
      唯一原田左之助だけは、酔うとすぐ脱ぐ人だったんだが、自慢の切腹跡が左脇腹から走っている(左手で刀を持って切った跡)のを大勢に繰り返し目撃されている。

      • +1
      1. ※35
        切腹を左脇腹から始めるのは作法だよ
        もう少し調べようか

        • 評価
      2. >>35
        レフトハンドソードというのがあってだな…不動剣がゴニョゴニョ…

        • 評価
  10. 剣道でいうところの二刀流は一刀流より有利と同じような感じか

    • 評価
  11. まあ左利きは右利き用での生活をすることも多いけど逆はなかなか無いからな
    自然と経験値に差が出る

    • +4
  12. 左利きは右利きより
    一割くらい寿命が短いってホントだろうか…

    • +3
    1. >>19
      ホントだよ
      右手用に世の中がデザインされてるせいで常に小さなストレスに直面する事になる
      これが年齢重ねるほど負担になって寿命に影響する
      おなじ事で身体障害者の場合さらに平均的な寿命が短くなる傾向があるよ

      • +1
  13. ゼルダ好きだから知ってた
    最近右利きだったりもするけど。

    • +3
    1. >>20
      弓やハンマー使う時に多数派の右利きが違和感感じて
      必要以上に難易度上がっちゃったら困るからな
      ライネルさんやガーディアンと殴り合う一瞬一秒の時に戸惑う材料になる

      • 評価
  14. 日本には縦書きっていうのがあるからさ。その場合は左利きの方が有利だよね。

    • +4
    1. ※21
      ただしそもそも文字自体が右で書くこと前提だからやっぱり難しいよ
      硬筆はまだしも毛筆は左で書くと毛先が意図しない方向にねじれたりして本当にきれいに書けない

      • +2
  15. 左利き同士が対戦したら有利も不利もないじゃんと思ったけど、左利きの絶対数が少くて左利き同士の対戦機会も少ないから、統計には関係ないのか。

    • 評価
    1. >>22
      右利きの人間にとっても左利きの人間にとっても「対戦相手が左利きである試合」の経験が少ないのは共通している。
      右利きの人間は左利きの相手に対していつもの実力を発揮できないが、左利きの人間も左利きの相手に対していつもの実力を発揮できない。
      したがって左利き同士の戦いはどちらも手を出しづらく、なかなか動かない試合になるのではないだろうか。

      • 評価
  16. 生命誕生以来、もし仮に同種と争う必要のない進化の道を辿っていたら、人間も戦争を忌避した歴史を歩み、右利き左利き同程度の数になっていたのかな。

    もっともその場合、生物がここまで多様な進化を遂げることができたか怪しくなってきますが。

    • 評価
  17. これ、渡辺二郎みたいな右利きのサウスポースタイルはどういう扱いなんだろう。

    • 評価
    1. ※26
      格闘技でのサウスポー=左利き手ではない

      自分は右投げ右打ち右足シュートだけど(右足後ろ
      格闘技では逆体でスノボーではグーフィ(左足後ろ
      手じゃなくて軸足や重心を基準にしてる人もいる。人に依る

      • 評価
    2. >>26
      俺、左利きで生まれたのに右利きとして育った。
      さらにひねくれるらしい。
      あの人の人生からすると、その可能性は高い。

      • 評価
      1. >>34
        俺も左手で書いてたら右手で書きなさいと直されまくって右利きになった。なんでなおされたんや…

        • 評価
        1. >>40
          私も祖母に矯正されたけど完璧な右利きにはなれず、中途半端な両手使いになった。

          • 評価
  18. 宮本武蔵「せやから両方使えるようにしとくんやで」

    • +2
  19. 一対一では強いが、悪目立ちし集中攻撃袋叩き、みじん切りよろしく
    戦場で細かく刻まれてしまった左利きの先祖たちの方が多かったりしてナ

    • +1
  20.  相対的な物で有る以上、希少的立場が優位に働くのは研究するまでもなく、至極、尤もな事だと思いますがね。自国の憂慮も考える事なく、こんな事に現を抜かすとは英国の研究者はお暇なのですね。

    • -3
  21. っても日常的に戦闘の機会なんて無いしなぁ。有っても使うのは銃だし殴り合いにはちょっとなりにくい

    • 評価
  22. 人間以外はほとんど右利きと左利きは同数なんだとか。
    つまり探すべきは「左利きが10%もいる理由」ではなく、
    「左利きが10%しかいない理由」ではないだろうか

    • +2
  23. 統計のマジック使ってるよ
    純粋に左利きvs右利きの対戦成績だけを比べていないから、そりゃあ底数の大きい右利きが50%に収束しやすくなるよ
    確実に騙しにきてる

    • 評価
  24. 自分はボクシングしか見ないけど、確かに安定して勝ってるボクサーはサウスポーに多い気がする。そのボクサーたちの利き手が左かどうかは分からないけど。右利きだけどサウスポーのボクサーもいるし。

    • 評価
  25. 最近よく海外のボクシング試合見るけど必ずと言っていいほど片方はサウスポーなんだよ、両方右利きなんて見たことない

    • 評価

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