この画像を大きなサイズで見るヨーロッパ最大の港。オランダ・ロッテルダム港のおなじみの光景と言えば、水上に浮かぶクレーン、コンテナ、荷船と周辺を飛び回るカモメたちだが、そこで強烈にインパクトを放った存在がお目見えした。海の上にいる35頭の牛である。
ミューズ・ライン・イッセル種のこれらの乳牛は、陸地の農場を脅かす気候変動の影響から逃れるため、世界初の水の上につくった持続可能な都市型デジタル農場で飼育されているのだ。
温暖化と人口増加の時代。いかに食料を確保するのか?
「温暖化の影響で世界は狭くなりつつあります」と世界初の水上酪農場「フローティング・ファーム」のピーター・ファン・ウィンゲルデンCEOは話す。
「港にいるとき、海上に農場を作るというアイデアを閃きました。これなら、人口が増加し続ける都市で暮らす消費者のすぐ近くから、健康的な食品をお届けできます。」
国連の推定によると、現在77億人の世界人口は2050年までに97億人に増加し、そのうち68パーセントの人々が都市部で暮らすようになるという。
もともと国土が狭い国や、温暖化の影響で少しずつ狭まりつつある地域でなら、水の上を持続可能な都市型農場として使ってしまおうというアイデアは至極真っ当なものだ。
このような変化をフローティング・ファームは「トランスファーメーション」と呼んでいる。陸上から水上へと酪農の形態を変えることで、都市の自給自足を可能にし、食料輸入への依存を減らすことができる。
これは気候変動によって天候が過激さを増し、輸入の脆弱性が高まっている現状ではとても大切なことだ。
この画像を大きなサイズで見る海面上昇にも楽々対応できる3層構造の水上施設
フローティング・ファームの施設は気候変動への適応が考慮されており、海上を移動することができる。どれだけ雨が降ろうが、海の水位が上昇しようがまったく問題ない。
3層構造となっており、下部フロアは海面よりも下にある。牛たちは上部フロアの上で暮らしているが、すぐ隣にある海岸の牧場へふらっと移動することもできる。
エサは地元の草原やゴルフ場で刈り取られてきた草やジャガイモの皮だが、ビール醸造所から提供される搾かすなども牛の大好物だという。
食べたら出るのがフンだが、それは肥やしにされ、公園や運動場などに使われる。強豪サッカークラブ、フェイエノールトのグラウンドにもこの肥やしが使われているそうだ。
この画像を大きなサイズで見るロボットで完全自動管理のデジタル農場
海の上ということを除けば、よくある長閑な牧場のような雰囲気だが、その管理にはすごいハイテクが採用されている。搾乳・エサやり・掃除を担う3種のロボットが牛たちの面倒を見ているのだ。
そのための電力は海上に浮かべられたソーラーパネルで半分まで賄うことができる。
「全プロセスは完全に自動化されています」とウィンゲルデンCEO。人間はたった2人しか雇われておらず、より少ない人数で最高の出来高を上げるよう取り組んでいるのだとか。
この画像を大きなサイズで見る自前の施設で牛乳を処理・加工
フローティング・ファームの中部フロアは牛乳の処理施設になっている。そこでは日々牛が分けてくれる搾りたての牛乳700リットルを低温殺菌したり、ヨーグルトに加工したりしている。
こうして作られた牛乳や乳製品には、ロッテルダムで作られたことを証明する「メイド・イン・101」のラベルが貼られて売られる。
生産コストは加工業者への販売価格を上回ってしまうという。しかしフローティング・ファームではその加工プロセスを自前の施設で行っているので、採算は取れるとのことだ。
この画像を大きなサイズで見る世界中の都市からの関心
このユニークな水上施設がオープンしたのは5月のことだが、ニューヨークや上海といった世界中の都市が関心を示しているという。
またすでに水上農場があるバングラデシュや、国土が狭く周囲を海に囲まれているシンガポールなどでも、うまくいくはずだとウィンゲルデンCEOは語る。
「私たちは人口が増加する世界に食料を提供しなければなりません。ですが、それは田舎ではダメなのです。田舎暮らしはそれはそれでいいですが、技術基盤に応じて違うやり方で食料生産をしなければ。」
この画像を大きなサイズで見る水上施設に対する賛否両論の意見
しかし、こうした取り組みにも批判的な声がある。牛は伝統的な牧場のような広い空間を必要としているのに、最近の農場でよくあるように完全に屋内飼育されているというのだ。
また都市の近くで生産するのはいいにしても、わざわざ海上で酪農をしなくても、もっと簡単な方法があるという意見もある。
一方で、未来学者のゲルト・レオンハルト氏は、未来の農業は古き良き伝統的農業に、垂直農法(高層ビルなどを利用する農業)、AI、ロボット、培養食品を組み合わせたものになるだろうと予測する。
「どうやって100億人もの人たちを食べさせていくのでしょう? デジタル農業が解決策なのは明らかです」とレオンハルト氏は話す。
水上で牛を飼育するのは、確かに現段階では高コストかもしれない。それでも、数年前は高額だったものが、新しい常識になるのは普通にあることだ。
なおウィンゲルデンCEOが次に目指すのは、水上の鶏卵場で、それが実現すれば今度は水上での野菜作りだそうだ。彼の目には、あらゆる食料生産を水上で行うビジョンが映っているに違いない。
References:euronews / dairyherdなど/ written by hiroching / edited by parumo














船酔い?しないのだろうか
でも丸々として健康そうな牛さんだね
※2
すぐに船酔いする自分としては
気になるところだ
下水処理が可能なのかな?
出来ないと海水に垂れ流すことになるから悪臭の原因や糞害の問題も出てきそう
こういったアイデアを否定しているわけでは無いけど、自分にはまだ未完成のように見えるのに、これが素晴らしいアイデアだと豪語してるのが気になる
デジタル農業が解決策ねぇ…。変に付加価値を付けるための二度手間にしか見えないし、もっと手っ取り早い方法がある気もする。フードロスを減らすとか、肉食い過ぎ問題をどうにかするとか。
牧場ってどんなにきれいな環境でも、生き物がい
るんだから当然臭うよ。そんなもん都市の中や近
くに作って、その近くに住む人が絶対に苦情が出
ると思うんだけど。
※7
牧場でなく牛舎とか豚舎ではきちんと処理してるところは匂わないのは匂わない
微生物に分解させまくって処理させてるところだけど、コストもそんなに掛からないはずなんだけどあんまり普及してないみたい
普段フロート上で過ごしてると、いざ地上に上がると逆に地上がユラユラして酔うんだよねー 牛も同じ感じするのかな
コストは別としてこういう事に投資できるオランダ凄く良いな。
危機感もあるんだろうけど。
昔、酪農家でバイトしてた。
糞が肥料になるまでは、広い場所と時間が必要だけど、大量の糞尿をどこで処理してるんだろう。
下層フロア??
将来的には実用化できるのか面白いね。
必要人数二人って方が気になる。失業者は肉買えないから自動化しても市場自体が縮んでくだけだぞ
※12
同感。この世界には酪農しか仕事がないのに・・・
投資金目当てのパフォーマンスだろ
海上だって気候変動の影響は受けるんだが
人口増加が原因の問題を解決することで人口が増加する
津波来ないの?
農場から離れて工場に近づいていく感じ
選択肢増えるのはまあ良いと思う
本題には全然関係無い話で申し訳無いのですが、
記事の最初の画像の牛さんの額のツムジが
気になってしまって。
ツンツンしてみたくてたまりません。
>>22
自分は動画に出て来た「自動毛繕いマシーン」みたいなやつが気になって仕方がないわw
(洗車機の回転するブラシみたいなやつ)
陸上で生きる動物は大地の上で育ててほしいな…
災害耐性Lv0って感じやなぁ
海上に設置が可能です
ただし、
大風、台風、竜巻、大雨、降雪、大波、津波、時化、氷点下
これらの事を考慮しなくて良い場所に限る
みたいな、平穏な天候しか考慮してへんやろこれ
すごいわぁ!どこで使えるんやろなぁ!
>>24
移動すりゃいいんやで
別に荒波の上に浮かべるなんて言ってねえしな
※26
台風が来たら近辺での移動なんて意味なくね?
※24
海上ってのは実は陸上よりも安定した気候なんだよ
気温の急激な変化が起きないから雪が降ったり竜巻が起きたりなんてことになりにくいし
波の問題もメガフロートのように巨大な建造物ならそこまで問題ではない
何より環境が荒れた時に安定した場所へ移送しやすいのは大きなメリット
※24
私も超巨大台風の発生を考慮してるか疑問に思う。
これまで「台風がやってこない、発生しない」とされていた国や地域も台風が発生して
被害を出してる現状、本当に長距離を速く移動して回避できるのか?と・・・。
たぶんそこまでの技術はまだ無いと思うんだけどね。
他の方も書いておられるけど、本当にヨーロッパって地震も津波もないの!?
名前の上がってたシンガポールは難しいんじゃないのかな?
スマトラ沖地震の時ヤバかったはず。
例に漏れず、日本もさぁ。
あと、海上で農業できるとしても、内陸国はどうするのかな?
その二人ってのは、牛泥棒対策に常駐してる重武装の装甲警備員に違いない。
昔っから牛泥棒は重罪だからな。
ケチつけたいだけの輩が多すぎるな
下層で糞尿の処理をするなら、結構な深さが必要そうだね
いっそ生け簀も併設してみたら面白いかもしれない
トランスファーマー映画化決定
津波などの災害には保険掛けておけばいいとか全滅してもしょうがない、程度の考えなのかな