
image credit:Barn Hill Preserve/Instagram
世界各地には、動物たちと触れ合える施設が存在するが、アメリカのルイジアナ州にあるバーン・ヒル動物保護区(Barn Hill Preserve)では、カワウソと泳ぐことができるアクティビティが、現在注目を集めている。同保護区では、保護が必要な野生動物の存在を訪問者に認識してもらうと同時に、様々な体験をしてもらうことで、動物たちと触れ合える貴重な時間を提供している。
ソーシャルメディアには、そんなアクティビティの様子が公開されており、施設側は動物の救済と保護に情熱を注いでいることを強調しているが、中には批判の声もあるようだ。
カワウソと泳げるアクティビティが楽しめる
ルイジアナ州エセルにあるバーン・ヒル動物保護区は、日頃のストレスと解消したい動物好きにはもってこいの場所といっていいだろう。この保護区では、ツアーの一環として、アフリカ産ヤマネコ(サーバル)やアカカンガルー、ナマケモノ、コンゴウインコなどと触れ合える他、カワウソとプールで一緒に泳げる体験もできるという。
参加者は16歳以上のみで、体験前には何かあった時には自己責任を持つことが記された権利放棄書に署名する必要がある。
カワウソと泳ぐことがセットになったガイド付きのこのツアーは、着替えやオリエンテーションを含め1時間ほど。
カワウソがプールで泳ぐ平均時間は35分であることと、水の中に入る回数が限られているため、「一緒に泳ぐ」ことは貴重な体験となる。
保護区の最高経営責任者のジョン・ゲーブ・リゴンさんは、次のように話している。
カワウソと泳げるアクティビティを提供しているところは少ないので、非常に限られた経験となることは間違いないでしょう。
カワウソとの水泳セッションは、週に数日、1日1回のペースで行っています。参加者がプールに入ると、カワウソが紹介されますが、カワウソにプールに入ることを強制するということは一切ありません。
もし、彼らがデッキにあるおもちゃで遊びたければ、自由にさせています。動物が人間に強制されることのない、全く持って善良なエンターテインメントです。
ネット上では様々な声が
保護区が世話をしているカワウソは、南アジアや東南アジアのマングローブ湿地や淡水湿地に生息するコツメカワウソで、カワウソの中では世界最小の種とされている。カワウソはペアによる繁殖力が激しくたいていは大家族だが、一部地域では生息地の喪失、汚染、狩猟が継続し、コツメカワウソはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは、「危急種」にランク付けされている。
だからこそ、バーン・ヒル動物保護区ではその保護に尽力しているが、展示されているカワウソを見るだけでなく一緒に泳ぐというアクティビティには、ネット上で批判の声もあがっている。
・最初は、クールって思ったけど、なんか間違ってる。人間の楽しみのために動物を利用しないで。野生の動物には、こういうアクティビティは健康上いいとは思えない。保護するなら、動物にとって何が必要かを優先してあげてほしい。人間のエンターテインメントや喜びのために利用するのは身勝手でしかないと思う。
・イルカと泳ぐことも同じだけど、これも間違っているよな。
・どうして欧米人って、なんでもかんでも所有したがるのかな。ユニークな生き物だからって、人間の楽しみのために利用していいってことではないでしょう?
・人間って、地球上の全ての生き物と触れ合って写真を撮らなきゃならないのか?
・施設の宣伝に使っているとしか思えない。赤ちゃんのカワウソはきっとすごくストレスを感じているはず。こういうやり方はよくない。
・小さなカワウソが人間とプールで泳ぐことは、自然からかけ離れている。
連邦政府から認可された施設であることを強調
これらの批判について、保護区側はこのように反論した。施設内の一部の動物は、所有者が放棄したことにより保護したもので、その他の動物は計画的に取得したものですが、同保護区は連邦政府により認可されています。
カワウソたちにはストレスを与えることのないよう、回数を配慮してアクティビティを行っており、カワウソたちは毎日のほとんどをリラックスして過ごしています。
カワウソが社交的になりたくない場合は、いつでも展示ケースの裏にあるプライベートハウスに入ることができます。
コミュニティ活動や他国での動物救済・保護にも尽力
同保護区では、一部の子供たちが実生活ではこれらの動物を見たことがないために、小学校の生徒たちに無料の教育プログラムを提供している他、がんサポートの基金財団主催のイベントにも積極的に参加し、がんを患う子供たちとその家族に心から楽しんでもらえる1日を提供するなど、様々なコミュニティ活動に尽力している。また、去年はオーストラリアのケアンズで、記録的な熱波が原因で孤児となったメガネオオコウモリの救助活動にも参加した。
保護区スタッフは、全ての活動に大きな情熱を注いでおり、環境やそれを取り巻く世界の物事に日々積極的に取り組むことが、結果として野生動物の次世代の居場所を確保することに繋がると話している。
References:boredpandaなど / written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
食うために日頃生き物を糧にしているのに
見た目がかわいいからってカワウソを愛玩として使い潰すのは罪なのか?
身勝手な人間共め
2. 匿名処理班
批判も分からないではないけど直接触れ合う事で絶滅危惧種や自然への関心も高まるだろうし、
この手の施設や団体って大抵資金が潤沢とは言えないから保護活動継続のためにも収入や寄付を増やしたいという思いも切実だろうからなあ
3. 匿名処理班
左上に気を取られてしまいました
4. 匿名処理班
カワウソ逹も楽しそうに見えるけどねぇ
保護施設の収入とかになってキャパ増やせるとかにつながるならいいじゃない
5. 匿名処理班
キュートな若林
6. 匿名処理班
ん〜羨ましいけど貴重な動物となると批判も已む無し(一緒に泳ぎたいけどね!
オリテに自己責任とは言えカワウソ側に何かあると悪いしなぁ(羨ましいけどね!
7. 匿名処理班
カワウソの場合仲間がいないとしょぼんする生き物
仲間がいない環境なら別に問題はないけど、これを野生に
還すにはかなり厳しいかもしれない
8. 匿名処理班
難しい問題だ。
舩に停泊してバハマ沖でイルカと泳いだけれど、
群れを見つけるとスタッフが小型ボートで
観光客の近くに追い込んでるように見えた。
すぐに遠くに去って行かないようにね。
一方、某所の動画にはイルカ達が自ら遊びに寄ってくるように
見えるのもある。(@日本)
良い、もしくはダメ、と決めてしまうのではなく、
運営の方法で判断かな。
今は匿名告発もネットでできるから、
悪い情報はずんどこリークしてほしい。
9. 匿名処理班
衛生面が気になる。
人間用のプールとカワウソ用では基準が違う。
これが例えば膝から下だけだったらそこまで問題じゃないんだろうけど。
10. 匿名処理班
>>1
可哀相かどうかはともかく
家畜と違ってコツメカワウソは人が育てると
繁殖が困難になってしまうから
愛玩動物にすることを認めてしまうと
密猟からの絶滅まっしぐらだぞ…
11.
12. 匿名処理班
想像だけど、ふれ合い体験を務める子達は
「野生に返せない子達」じゃないかな。たとえば
所有者に放棄されたが、ペット化されすぎて
野生下では生きていけない、とか。ほかにも
高齢、肉体的ハンディがある、持病で生涯クスリが必要、
など。もちろん狂犬病のワクチンを打ってあるだろう。
13. 匿名処理班
一度でいいから撫でてみたいランク上位
14. 匿名処理班
アクティビティを売ること自体が目的化する危険も確かにあるけど、動物保護への認知活動として機能していて動物のストレス管理もちゃんとしているならいいじゃんとは思う。
15. 匿名処理班
試みとしてはいいと思うんだけど
カワウソと人間の間で互いの感染症とか心配だなあ
16. 匿名処理班
※9
けだものと一緒にプールに入れる者は畜生道の徒だから、何らかに感染したって大丈夫。
17. 匿名処理班
コツメカワウソの可愛さはガチ
オオカワウソの恐ろしさもガチ