
image credit:Langebaan Animal Care/Facebook
これまでにも、動物界における母親の子供たちへの深い愛が伝わるストーリーを伝えてきたが、子供を失った母親が別の種の子供たちを懸命に可愛がる姿を知ると、やっぱり種などは関係なく、母の愛は境界線がないのだと改めて実感させられる。南アフリカ共和国にも、そんな素晴らしい母の愛を持つ一匹の猫がいる。
不運な境遇で我が子を失ってしまった母猫だったが、出逢った孤児の子犬たちを我が子のように可愛がり、懸命に愛情を注ぎ始めた。
最初は戸惑っていた子犬たちも、一生懸命世話を焼いてくれる養母の猫に対して次第に懐き始め、今ではずっと寄り添い合って暮らすことをとても幸せに感じているようだ。
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母猫だけが生き残った不運な状況で保護される
事の起こりは9月の末。南アフリカのとある空き室の賃貸マンションに越してきた住人は、そこにオレンジ色のトラ猫と子猫たちがいることに気付き、助けを求めて動物保護施設『Langebaan Animal Care』へ連絡した。しかし、残念ながら母猫が抱えていた子猫たちは助からなかった。保護施設の理事長イゼル・マラリッチさんは、母猫を自宅へ連れ帰り、キャスリンと名付けた。
その後マラリッチさんは、キャスリンが自分の子猫たちに与えられなかった愛情を持て余し、人間とくっついて眠りたがるキャスリン自身も愛情に飢えていることに気付いた。
子猫を失い大きな悲しみを抱えていたキャスリン
マラリッチさんによると、キャスリンはマラリッチさんが一時預かりをしている犬たちにも臆することなく近付き、一匹一匹体を摺り寄せていくほど、種の異なる動物に対しても深い愛情を示したという。しかしやはりキャスリンは、失った我が子への悲しみがとても大きかったのだろう。落ち着くことなく、自分の子猫を探すかのように、ずっと鳴き声をあげ続ける日が続いたそうだ。
というのも、キャスリンは保護された時には授乳ができる状態だった。しかし、我が子を失い、その恋しさに鳴くキャスリンの姿を見ると、マラリッチさんの心は痛んだ。
4匹の子犬の養母になったキャスリン
ところが、キャスリンに変化が訪れた。ある日、施設に連れて来られた4匹の子犬を自宅へと連れ帰ったマラリッチさんは、生後3週間になる小さな子犬たちを見たキャスリンが、母親として子犬に精一杯の愛情を注ぎたがっている姿に気付いた。
子犬たちを見たキャスリンは、すぐに絆を深めようと、懸命に世話を焼き始めたのだ。
最初こそ、戸惑った様子を見せていた子犬たちだったが、やがてキャスリンに慣れ、ミルクを求めて鳴き声をあげるようになった。
するとキャスリンは、すぐに呼びかけに応じ、子犬たちを舐めて落ち着かせ、ミルクを与え、世話をするという養母を懸命に努めた。
昼夜問わず、4匹の子犬たちにぴったり寄り添い、まるで我が子のように愛情を注ぎ続けるキャスリンは、子犬たちもすっかり懐いてくれたことで悲しみを乗り越え、新たな幸せに満たされ始めたようだった。
母の愛に境界線などない
ずっとキャスリンと子犬たちの様子を伺っていたマラリッチさんは、次のように話している。キャスリンは、子犬たちを守ろうととても必死になって世話しているのがよくわかります。
やんちゃな子犬たちが、ベビーサークルから抜け出してウロウロし出すと、キャスリンは落ち着きを失くした様子で、子犬たちに呼びかけ、自分のもとに子犬たちが戻ってくると幸せそうにしています。
今では、前のように子猫を想って鳴き続けることもなくなりました。その代わり、子犬たちと始終一緒に過ごし、一緒に寝ています。
子犬もキャスリンも、とても幸せそうです。
いつだって、人間は動物から学ばされることがある。マラリッチさんも、キャスリンからとても大切なことを学んだようだ。
キャスリンのような献身的で愛情深い母親というのを、これまで見たことがありませんでした。子犬たちにとっても、素晴らしい養母を見つけたといえるでしょう。現在、キャスリンは子犬の他に、草地に捨てられていたところを施設スタッフに保護された2匹の子猫の母親役もしているという。
キャスリンは、動物の種類に関係なく、母の愛には境界線がないということを教えてくれました。キャスリンのような素晴らしい猫に出会えて、私はとても幸運です。
ソーシャルメディアに動画が投稿された影響で、多くの人がキャスリンを引き取りたいと申し出てくれているそうだが、「まだ当分の間は、私たちと一緒に孤児の動物たちの母親になってもらうつもりです」と、マラリッチさんは話している。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
種族を超えた母性愛。おかあにゃんは偉大だ。
2. 匿名処理班
育った犬は猫のような感じになるのかな?
3. 匿名処理班
子犬のサイズ的な事を考えると
母乳たくさん出さないといけないから
ママさん貧血になりそう
でも幸せそう
4. 匿名処理班
現代の我儘な子育て世代も
勉強してほしいね。
5. 匿名処理班
だめだ……すごくいい話なんだけど……マラリッチさんの名前のインパクトが強すぎて笑いをこらえきれない
6. 匿名処理班
猫の発情期間は長いが育児中の雌猫は交尾に応じない。
そのため発情した雄猫は仔猫を攻撃して死なせたり母猫を執拗に追い回して育児放棄させてから交尾する。
キャスリンのケースは猫として珍しい行動だから犬などの別種の動物と一緒に飼われていた経験があったのかもしれない。
7. 匿名処理班
確か、犬用ミルクを与えないと栄養不足とか
8. 匿名処理班
猫の母乳を犬が飲むのは大丈夫なの?
9. 匿名処理班
なんと慈悲のあふれる瞳をしておられるのだ・・・
10. 匿名処理班
🐱(なんか似てないけど…まあいいか)
11. 匿名処理班
※3
別にミルクあげているだろうさすがに
12. 匿名処理班
子犬の親代わりなんてニャーワンと思ったが
意外と様になってる
13. 匿名処理班
愛情深さが伝わるね
動物っていいなぁ
14. 匿名処理班
このあとしばらくして
「ほら、ここまで登ってきなさい」
「無理だよ!ママン」
「なんでうちの子は脚力がないの??」
ってなりそう
15. 匿名処理班
猫に育てられると猫座りしたり高いところが好きな犬になるそうだけどどこまで猫化するんだろうな。
16. 匿名処理班
※4
世代はそこまで関係ないようにも思います。現在子育て中の20〜50代の親を見て受ける印象と、その親の親(40〜80代くらい)を見て受ける印象がそれぞれ似ていることはよくあります。とはいえ親を反面教師として自身はいい親であろうとする人も知っています。
キャスリンさんの例では人間に当てはまらない部分も多いとは思いますが、学ぶことも多いと感じました。
写真と動画全部かわいい、見てる間ずっと幸せ、仔犬ころころしてるころころ!キャスリンさんとてもタイプソーキュート、と感じ取ったことの8割はこれですけどね。
17. 匿名処理班
※15 ここで、キャット・タワーに鎮座
する犬(養母=猫)を見せてもらったよ。
さすがに最上階じゃなかったけどね。
18. 匿名処理班
4匹ともたくましく育って全力でお母さんを守ってください。
19. 匿名処理班
子猫を抱きしめるキャスリンさんのとても幸せそうな顔
最近歳のせいか涙腺がゆるゆるだよ…
20. 匿名処理班
>>5
お前は…もっと心を澄ませろ!
21. 匿名処理班
>>7
それはちゃんとしてると思うよw猫に丸投げして安心って笑ってる素人ではないでしょう。
22. 匿名処理班
保護した子猫たちのお母さんとしてこのまま施設で飼えばいいと思う。母性から母乳が出るなら子猫には最高の保護者になるし、この猫が分け隔てなく犬でも仲良くできるのは証明されてるから孤独な保護犬猫の子たちには本当に支えになるだろうし。グルーミングや添い寝をいつでもしてあげられる暖かい存在って必要だもん
23. 匿名処理班
母性愛は種に関係ないのだ。
本能なのだろう。
これがあるから生命は維持
されていく。