メインコンテンツにスキップ

先史時代を生きた巨大カンガルーとジャイアントパンダにはユニークな共通点があった

記事の本文にスキップ

18件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Image by esvetleishaya.GlobalP/iStock
Advertisement

 今から4万年以上の昔、オーストラリア南西部には巨大なカンガルーがうじゃうじゃしていた。

 ショートフェイスカンガルーとして知られるシモステヌラス属はいくつかの種類が確認されているが、更新世後期までにすべてが絶滅してしまった。

 『PLOS One』(9月11日付)に掲載された新しい研究によると、彼らと現代を生きるジャイアントパンダにはユニークが共通点があるという。

巨大カンガルーとジャイアントパンダの共通点はアゴ

 巨大カンガルー、シモステヌラス属は、後ろ足の指が1本(現代のカンガルーは3本)、短い顔が特徴で、巨大な体で草をムシャムシャ食べていた。

 彼らには大きなアゴがあり、食べものが不足するような状況では、成長した葉っぱ・幹・枝といった硬いものをムシャムシャと食べることができたようだ。

 シモステヌラス属が硬い植物を食べられたという点については、これまでもそう推測する研究者はいた。

 そこで、オーストラリア・ニューイングランド大学(UNE)の研究者であるD・レックス・ミッチェル博士は彼らの頭蓋骨がどのくらいの力に耐えられるのか確かめることで、その仮説を検証してみることにした。

この画像を大きなサイズで見る
巨大カンガルーの一種、シモステヌラス・ギリー(Simosthenurus gilli)の頭蓋骨 image: Melbourne Museum

 シモステヌラス属の代表的な種、シモステヌラス・オクシデンタリス(Simosthenurus occidentalis)の骨格をスキャンし3次元モデルを作成、その動作をシミュレーションしたところ、大きな筋肉が頬骨によって支えられており、そのために硬いものを噛んでも顎がズレないようになっていることがわかった。

 また頭蓋骨の前部と上部はアーチ型をしており、これが筋肉がねじれ過ぎてしまうことを防いでいる。

 その結果、アゴと筋肉の形状や機能は、現代のカンガルーよりもむしろジャイアントパンダのそれに近いことが判明したという。

全体的に見ると、彼らの姿は現代のカンガルーとはかなり違っていたでしょう。胴体はずんぐりし、長いたくましい腕に長い指が生え、足は大きなつま先がひとつしかないのもしばしばでした

 ちなみに顔の方も、今のカンガルーのような面長ではなく、丸い顔をしている。それがショートフェイスカンガルーと呼ばれる所以だ。

この画像を大きなサイズで見る
シモステヌラス属カンガルーの復元予想図 image:Nobu Tamura/wikimedia commons

 研究によると、その生理学的特徴から、現代のオーストラリアに存在するどんな草食動物よりも食べにくい食べ物に適応し、そのアドバンテージを利用していたことが窺えるという。

 一方、現生のカンガルーはそれとは対照的に、草花・シダ・コケといったものを好む。

 「ほかの草食動物が食べられない植物を消化する能力は、厳しい時期における競争上の優位性をもたらしたでしょう」とミッチェル氏は話す。

残念ながら子孫となるカンガルーは残っていない

 2015年の研究によると、残念ながらシモステヌラスの直接的な子孫となるカンガルーは残っていないそうだ。現生の種で一番近い生き物はシマウサギワラビー(Lagorchestes fasciatus)だとのことだ。

 ちなみにこれまで発見された中で最も大きいカンガルーは、プロコプトドンである。直立した状態で3m近い体高、体重は約200~240 kgあったという。

References:Marsupial giant pandas roamed Australia during the Ice Age/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 18件

コメントを書く

  1. この研究者はクジラやシャチを骨格から復元できるぐらいの信頼性があるのかい?

    • -4
  2. パンダの顎が進化止まってるって事でもあるな

    • 評価
    1. ※2
      もしかすると、この食性の生物には、
      この頭骨の形状がほぼベスト…の可能性も有るかもよ?

      • +3
  3. ひょっとしてでっかいカンガルーというよりウォンバットさんに近いんじゃ…

    • +1
  4. 修練進化かい?
    似た様な環境で暮らす生き物は、種や時代が変わっても
    部分的に形状や機能がとても似ている物になる例が
    確かに有るよね

    • 評価
  5. あれ、間違えた。
    修練進化ではなくて、収斂進化だった

    • +2
  6. なんにせよ騙されやすそうな顔をしているな…
    オーストラリアから出たらあかん

    • +4
  7. プロコプトドン生きてる奴見たいなぁ
    すごい迫力ありそう

    • 評価
  8. こういう巨大生物がいるとそれを食べていた巨大ニシキヘビなんかがいたんじゃないかとワクワクする

    • +1
  9. しかし、足の先のカギ爪は何なのよ?
    こんなので飛び蹴りを喰らったら、腹に穴が開きそうだ

    • +2
  10. そんだけ食べ物の点で優位性があったのになんで絶滅しちゃったんだろうね

    • +3
  11. 共通点といえば、パンダの赤ちゃんって
    有袋類でもないのに極小の未熟児で胎外へ出てくるよな。

    まぁ、パンダだけじゃなく、普通の熊も
    生まれたての新生児は大概に小さいが。

    • +3
  12. ちょっと思ったのだけど…
    恐竜(角竜)類のプロトケラトプスも、こんな頭骨じゃなかった?
    角竜の場合には先端がクチバシ状になっているのが違うけれど

    • 評価
  13. プロトケラトプスよりも、更に祖先のプシッタコサウルスの方が
    襟飾りが少ない分、形状が更に近いかな?
    とにかく『これと似た頭骨は恐竜類でも見た!』と思ったよ

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

絶滅・絶滅危惧種生物

絶滅・絶滅危惧種生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。