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サボテンの葉から安全な生分解性プラスチックを作る方法が発見される(メキシコ研究)

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(著) (編集)

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MonikaP / Pixabay
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 時代が変われば暮らしを取り巻く環境も変わる。一時期は利便性の高さからもてはやされていたプラスチック製品だが、現在では世界的な排除の方向で進んでいる。プラスチックゴミによる環境汚染が急進していることがわかったからだ。

 プラスチックに代わる代替品が模索されている中、メキシコでは、国の固有種であるサボテンの葉から抽出された汁を使って生分解性プラスチックを作る方法が生み出された。

 このサボテンプラスチック、口に入れても無害で、もちろん環境にも優しい。

 現時点ではまだ基本過程が紹介されただけだが、コスト面で折り合いがつけば、幅広い普及が見込めるという。

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サボテンの汁をつかった生分解性プラスチック

 最近主流のキーワードは「生分解性プラスチック」である。これは、自然界において微生物が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解されるプラスチックのことを意味する。

 メキシコのアテマハックのバレー大学で化学工学部に在籍するサンドラ・パスコー・オーティス教授は、メキシコの固有種であり、国民の食生活においても主食となる「ノバル」と呼ばれるウチワサボテンの汁を使って、生分解性プラスチックの基となる製品を生み出した。

 オーティス教授は、食用サボテンをベースにしたこの製品が、従来のプラスチック製のフォークやスプーン、使い捨てのビニール袋の代替品となり、メキシコだけでなく世界中の固形廃棄物の軽減に役立つことを願っている。

 このサボテンの汁で作られた生分解性プラスチックは、土の中で分解するのに約一か月、水中だとわずか数日だという。

 そして動物や人間が口に入れても、全く無害だ。つまりは、この製品が海へ流れ海洋生物が口にしたとしても、問題にはならないのだ。

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How to make biodegradable ‘plastic’ from cactus juice/Facebook

サボテンプラスチックの作り方

 プロセスとしては6つ。

1. サボテンの葉を切る

2. サボテンの皮を剥く

3. ミキサーにかけてジュースを作る

4. ジュースを冷蔵庫で冷やす

5. ジュースに無害の薬品を加える

6. 薄板状にして乾かす

 オーティス教授によると、ごく基本の材料を使ってのこのプロセスは、現段階ではおよそ10日間かかるとのことだ。近い将来、更にスムーズに製品化できるようになるだろうと話している。

 メキシコには、およそ300種のノパルが存在するという。汁を使って、ある程度のサイズの薄板状にするには3枚のノパルを必要とするそうだ。今後の需要のためにも、葉を切り取ったサボテンが、再び葉をつけるようにするよう生かしておかなければならない。

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cloverphoto/iStock

 サボテンの汁から作ったこの新たなプラスチックは、異なる色や形、厚さを作ることも可能だ。

 スムーズで柔軟性のあるものから硬いものまで、様々な用途にあわせて製品化することが可能になれば、資源のリニューアルという大きな変化を生むことになる。

 問題は費用対効果だ。今までの使用されていたプラスチックはコストが安い。どこまでコストを下げることができるかが今後普及するかどうかのポイントとなるだろう。

 海外メディアを見ていると、毎日プラスチックゴミなどの環境についての記事が多数投稿されている。

 日本にいると、あまり実感はもてないかもしれないが、とりあえず今、世界では「プラスチックごみ」問題が熱いテーマとなっていることだけは押さえておこう。そしてもう一つのテーマが「生分解性」だ。

References:Mexican Researcher Creates Plastic From Cactus That Is Biodegradable And Safe To Ingest/ written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 43件

コメントを書く

  1. たしかサボテンに穴あけて住む小鳥いたよね
    違うサボテンor栽培して使うなら問題ないけど
    ご利用は他に影響ない方法でよろしく…

    • -5
  2. この前、NHK人体遺伝子シリーズを見た。
    赤ちゃんは父と母のDNA以外に
    70の全く新種のDNAを生み出すらしい

    プラスチックゴミを堆積した生き物、それを食べる人間
    プラスチックすら糧とする生物が生まれ主流になる
    みたいな考え方は無関心、諦めの達観でしょうか

    • -1
  3. ご当地プラスチック?!面白い試みだね
    日本も何かないかな?

    • +13
    1. >>3
      こんな記事がありましたよ。
      燃やしやすく、柔らかいプラスチックを開発。
      ttps://r.nikkei.com/article/DGXMZO46320370Z10C19A6FFR000?s=2

      • +3
  4. >このサボテンの汁で作られた生分解性プラスチックは、土の中で分解するのに約一か月、水中だとわずか数日だという

    >水中だとわずか数日
    耐久性は大丈夫なのか、コレ…

    • +7
    1. >>4
      ストローやコンビニ袋とか使い捨てのみに用いるなら大丈夫だと思う。

      • +8
    2. ※4
      硬く作って釣り針とかに使えたら良いな

      • +4
    3. ※4
      ペットボトルとかには使えないな。
      使い捨てのコップや皿には使えると思うけど、基本的には水に触れない用途で使うんじゃないか。

      • +6
  5. >水中だとわずか数日

    液体系の包装にするのは難しそうですね……

    • +7
    1. ※5
      既に実用化されてる寒天シートで作ったフィルムなら
      カップ麺のかやくや粉末スープのみならず液体スープの素も入れられる。
      お湯をかければ溶けて味にも影響ないし、寒天だから当然無害だし。
      伊那食品(かんてんぱぱ)以外では使ってないっぽいが
      どんどん普及させるべきだと思う。

      • +7
  6. ビニール袋程度ならともかく、ペットボトルだと消費期限がダダ下がりしそう
    分解されるって事は腐るって事だし

    • -3
  7. 賞味期限は1年ですが容器が分解しないうちにお召し上がりください。

    • +8
  8. そもそも安くないなら普通の容器使いますって話だからな

    • -4
  9. 強度はどうなんだろ普通のレジ袋でも年に何回か破れて貰いなおしとかあるし

    • 評価
  10. 水に溶けてしまうとしたら利便性ガタ落ちなのでは・・・

    • +1
  11. サボテンでなければいけない説明がなにもない

    >5. ジュースに無害の薬品を加える

    この辺がミソ
    とってもうさんくさい

    本当はキャベツでもなんでも良かったりしてな

    • -8
  12. 出来上がった樹脂はずいぶんふにゃふにゃしてるみたいだが
    硬化はできるんかな?よくわからんが

    • 評価
  13. 日本だとコスト的に冬でも温暖な沖縄でないと難しいな。
    ノパルのウチワサボテンは本州だと冬の間に露天で放置したら寒さで枯れる。
    本州だと越冬させるためにハウスなどの費用が必要になる。

    • 評価
  14. 庭に投げ捨てておけば自然に戻るのでゴミ分別が楽に済む

    • +7
  15. いいアイディアだと思う!
    ノパルだっけ、皆で育てよう!

    • +2
  16. 分解が早いのは利点、ファストフード等利用頻度の高い製品には長期使用なんて想定してないから使い捨て分野で十分生かせる技術

    • +5
  17. 今はまだ課題が多そうだけど、少なくとも石油から作るよりずっとマシだよ。

    • +9
  18. 無害なものと無害なものを合成した結果が無害とは限らんので、添加する薬品が無害であることをあんまり強調されると胡散臭く感じる。

    • -2
  19. 精製から◯日以内に使用してくださいみたいな製品になるのかな?
    だとすると、期限を超えたものを使ったら穴が空いてたみたいな話になったりして。

    無菌室や徹底的な消毒もありだけど前者はコストがかかるし、後者は人体に有害だったりするんだろうな

    • -2
  20. 別に水溶性って訳じゃないのだし、ストローとかには使えるね。
    割り箸のパッケージとかは在庫を抱えないような所ならとても有用な気はするね。
    あとは、一時的に使用するようなもの。貸出用の傘とか?
    燃焼時のガスが環境に優しければ使い捨てにしやすくてとても快適かもしれないね

    • +5
  21. サボテンて資源利用できるほど量産化できるの?

    • 評価
  22. そうか、サボテンの葉から……

    葉?

    サボテンの「葉」!?

    • 評価
  23. 海外のショッピングバッグが生分解性プラスチックだったみたいで
    綺麗だなと取っておいたらみんなボロボロに崩壊してた…日本のビニール袋はほんと重宝するわ
    少し前のサミットや東急ストアのなんてすごく頑丈だったし。

    • 評価
    1. ※29
      日本のポリ袋、なぜかビニールじゃないのに「ビニール袋」って言われるの気になるわ

      • +1
  24. あんまり生分解性が高いと雑菌の繁殖率上がって不衛生になっちゃったりしないのかな

    • 評価
    1. ※30
      雑菌の繁殖に必要な条件挙げると、基本的に水と栄養とある程度の温度だから長く使うものにはあまり向かないかもしれない。プラスチックを栄養とした場合、水気か温度、あるいは両方を排して保管すれば長持ちはすると思う
      ただあくまで保管する際に長持ち、ってだけで耐用性は無いんじゃないかな。日本は湿気っぽいし

      • 評価
      1. ※37
        メキシコの乾燥した風土だからこそ「コレでいける」って思えるシロモノかもね

        日本だったら「あー無理だコレ。梅雨とかどうするの」で研究がポシャる

        • +1
  25. プロセス4までは良い。
    5、美味しそうなので飲んでしまう
    6、マズー、もう一杯
    で、台無しに。

    • +1
  26. 生分解性プラスチックは長期保管はできるのだろうか。

    流通を改革して生産から廃棄までの時間を短くするという手もあるけど。

    • 評価
  27. いろいろ課題はありそうだが、こういうのは新旧混在する時期に問題がある。
    分解されると思い従来のものまで自然の中に投げ捨ててしまうとかだ。

    CMで『数日で分解』とか言って海に投げ込むような演出はしないで欲しい。
    過激さやインパクトでよく使われる手法はやめないといけない。
    統一マークを義務付け、それなら安全という形にしないと大変なことになる。

    • +6
  28. この技術が普及すれば、アロエでも作れるようになるかな?
    あるいは、厄介者の葛も食用だから、応用できれば資源にできるね。
    (調べたらバイオエタノールの材料にはなるらしい)

    • +1
  29. こんな時こそAct locallyで、例えばこの手法で、「各家庭にひとつ、植物を原料に手軽に作れる買い物袋キット」みたいなのが開発されれば、出来たての袋で買い物をして、寿命が来る前にそのままゴミ袋に回せば、現状のレジ袋が引き起こす環境負担を少しは減らせるんじゃないかと。

    • +1
  30. 世界の金持ちが気まぐれで投資してくれれば白黒出るのにね

    • 評価
  31. これに限らず植物由来の生分解性プラスチック全般に言えることだけど、今世界で使われてるプラスチックを全て置き換えられるほどその「原料」の供給って足りてるんだろうか?

    • +1
  32. どーだろーねー(´・ω・`)
    この、プラスチックは環境破壊!キャンペーン、自分は地球温暖化と同じく疑似科学詐欺による産業創出運動だと思ってて懐疑的なんだが
    洗剤は地球の環境破壊!アムウェイの洗剤は飲んでも安全よ!!と同じニオイを感じる
    老婆心ながら、あんまりこういうのにとびつかないほうがいいと思うよ

    • -1
  33. 日本には長く使われてきた「木」があるじゃん。
    どっかの研究所で木とリグニンを使った再利用可能な素材を研究してたはず…
    10年位前に聞いたんだけど、その研究は今どうなったんだろ?

    • 評価
  34. 長期で保管するならこのプラスティックを保存するためのプラスティックが必要だな

    • 評価

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