メインコンテンツにスキップ

口のまわりに触手が18本。5億1800万年前の古代海洋生物が発見される

記事の本文にスキップ

28件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
image credit:UNIVERSITY OF BRISTOL
Advertisement

 触手の数はロマンの数。古代生物の謎めいたルックスは、同時代に生きることができなかった、くやしさとせつなさと潤いをしっとりともたらしてくれる。

 でもって今回発見されたのは、口のまわりに18本の触手がはえているクリーチャーである。

 5億1800万年前を生きたであろうその生物は「ダイフア・サンチョン(Daihua sanqiong)」と名付けられている。

口のまわりに18本の触手

 この魅力的なクリーチャーの化石は、中国の澄江で雲南大学の研究者によって発見されたものだ。

 古代海洋生物のその姿は現在のクシクラゲに似ており、この不思議な生物の起源の謎を解明する手がかりになるかもしれないそうだ。

 研究の中心人物である英ブリストル大学の古生物学者ジェイコブ・ビンザー氏は、「この化石によって、奇妙なクシクラゲの起源を知ることができた」と話す。

クシクラゲの先祖か?

 ダイフア・サンチョン(Daihua sanqiong)の名称は、雲南省に暮らす少数民族ダイ族と中国語の「花(フア)」にちなんだものだ。

 その口の周囲には18本の触手が生えており、それぞれは繊毛が並び、細かい羽毛のように枝分かれしている。

 注目されたのは、この繊毛だ。現在のクシクラゲ(有櫛動物)は美しい玉虫色の光を放つことで知られているが、これは繊毛をはためかせたときに生じるものなのである。

 さらにダイフア・サンチョンからは、18本の触手を持つシャンガンギアやチューリップのような姿をしたディノミスクスシファッソークタムといった、古代の生物との興味深い共通点も見つかっている。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:twitter/@CurrentBiology

クシクラゲの系統樹を再構築

ビンザー氏によれば、こうした生物の解剖学的な特徴を比較することで、クシクラゲの系統全体を再構築することができた。

 これは重要なことだ。というのも、クシクラゲは地球上で最初に進化した動物の仲間であるという学説があるからだ。

 これに対して、ビンザー氏は、クシクラゲの以前にも長い系譜が存在すると主張しているのである。

 新たに構築された系譜が示しているのは、クシクラゲの祖先の中には骨格があるものがいるということや、その触手が今日のクシクラゲのクシに進化したということだ。

Facts: The Comb Jelly (Ctenophora) クシクラゲ

クシクラゲとサンゴは親戚?

この発見は、こうした古代の生物が系統樹のどこに位置するのかという点についても光を投げかける。

 たとえば、これまでシャンガンギアはイソギンチャクの仲間だと考えられてきたが、今回の研究によれば、じつはクシクラゲの仲間かもしれないのだ。

 またクシクラゲがサンゴ、イソギンチャク、クラゲの親戚であるらしいことも強く示唆されている。その口のまわりの触手は、サンゴやイソギンチャクに生えている触手とまさに同じものだという。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:UNIVERSITY OF BRISTOL

ダイフア・サンチョンをめぐる議論

しかし、ビンザー氏の説に異を唱える向きもある。

 米イェール大学のケイシー・ダン氏もそうした1人だ。彼は、ダイフア・サンチョンとそれに関連するとされる生物の形状は大きく異なっており、どのように関連しているのか見て取ることは難しいと主張する。

 たとえば、チューリップのようなディノミスクスとシファッソークタムなら、親戚であると言うこともできるだろう。

 一方、シファッソークタムの繊毛が体内に生えているのに対して、その後に続くとビンザー氏が主張するガレアクテナ(Galeactena)の場合は体外に生えている。体内の繊毛が体外に生えるにいたった進化を想像するのは難しいだろう。

 今回の研究の根拠は薄弱で、まだ結論を出せる段階にはないとのことだ。

 研究は『Current Biology』(3月21日付)に掲載された。

References: University of Bristol / maritimeherald./ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 28件

コメントを書く

  1. それ、うちの爺ちゃんが井戸の周りに描いた絵だよ

    • -1
  2. エイリアンエッグまさか実在していたとは

    • +5
  3. サルラック(SW ep.Ⅳ)「ナカーマ!ヽ( ゚∀゚)人(゚-゚ )ノ」

    • +1
  4. イソギンチャクの仲間と思ったけど違うのね

    • +4
    1. ※6
      広い意味ではイソギンチャクの仲間だよ
      クラゲをさかさまにしたのがイソギンチャクだから

      • 評価
      1. ※9
        さかさクラゲは楽しいお宿ってのが昭和の定番だったが
        平成では意味が変わっていたのか
        さて令和ではどういう意味に変わっていくのか……

        • 評価
        1. ※14
          サカサクラゲっていう種も実際いるしねえ。
          クラゲのクセに泳ぐのやめちゃって、ひっくり返ってイソギンチャク化したヤツ。

          • +4
      2. ※9
        イソギンチャクや多くのクラゲを含む刺胞動物と
        この記事の有櫛動物は異なるグループに分けられてるから仲間というのは違うと思う

        • +1
  5. カンブリア紀か・・・
    なんか漂流教室に出てきた化け物に似ている。

    • 評価
  6. 子供の頃に古代生物の図鑑見てトラウマになった記憶が蘇る・・・
    海洋生物とかもう遊星からの物体Xの世界だぜ。

    • +2
  7. 写真の化石を見た時、2,30年前の子供の頃によく図鑑で目にしたフデイシ(筆石)を思い出したけど、改めてフデイシを調べたらそれは半策動物門だからこれとは違うのか…
    化石の同定・分析は奥深いですな

    • +2
  8. 中国は化石がいっぱい出て来て羨ましいな。
    ドイツやアメリカもそうだけど。

    • 評価
    1. ※17
      超長流域を持つ大陸河川だと川砂も海に届くまでに限界まで揉まれてパウダー状になる
      それで古代の大河流域と沿岸だった場所の砂由来の頁岩から良質の化石が大量に出てくる
      人類の環境破壊で河川に土砂が流入して今はもう存在しない砂だけど

      • +1
  9. ナマコの触手が丁度こんな感じだよな。
    細かいものを濾し取るにはこの形がいいんだろうね。
    ナマコは棘皮動物で全然違うグループだから、収斂進化ってやつかな。

    • +1
  10. こんな奴と会ったらSAN値下がるわ絶対

    • 評価
  11. MTGで見かけたわ
    赤マナ使うヘリオンだろ

    • 評価
  12. 現代に生きる海月って99%が水分とか言うけど化石になって残ってるのが凄いよね
    触手の本数は少ないけどクリオネことハダカカメガイ先輩のクリーチャー具合もなかなかだよね

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

絶滅・絶滅危惧種生物

絶滅・絶滅危惧種生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。