この画像を大きなサイズで見る音と記憶は密接に結びついている。例えばかつて恋人に別れ話を切り出された時、BGMで流れていた曲を聴くと、今でも胸が痛んだりするだろう。
災害に巻き込まれたり、大怪我をした時、救急車のサイレンを聞いた人は、救急車の音を聴くたびに、その時の恐怖が蘇ってくるだろう。
これはある種の条件反射によるものだ。
音がトリガーとなって辛い記憶が呼び起こされるのだ。
だが逆に、この条件反射を利用することで過去の辛い記憶からくる恐怖や不安を消すことが可能だという。
普通の状態の時にその時の音を聴けばよいのだ。こうした効果は、実際に音を聴かなくても、その音を連想するだけでも得られるという。
これは、アメリカ・マウントサイナイ医科大学とコロラド大学ボルダー校の研究者の研究によって導き出されたもので、想像を利用した治療方法が不安神経症に有効であることの裏付けとなるものだ。
音と辛い記憶の条件反射を「消去」する実験
神経科学者ダニエラ・シラー氏らの研究では、健康な参加者68名を対象に、高音あるいは低音を鳴らしてから、痛みはないが不快感を感じる程度の電気ショックを流すという実験を行なった。
これは音が鳴ったら、参加者が条件反射的に恐怖を感じるよう意図したものだ。
この後に参加者を3つのグループに分けて、1つのグループには、その音を鳴らしても電気ショックが走らないという経験をさせた。
さらに他のグループには、電気ショックを与えた時の音を鳴らさずにその音を想像してもらう。
もう一つのグループには心地よい鳥のさえずりや雨の音を想像してもらう。いずれもその間にやはり電気ショックは走らないという経験をさせた。
これらは、それまでの条件反射的な音への恐怖を治すために行われた。
こうしたある刺激(実験では音)が条件(音がすると電気ショックが走る)に一致しなくなったとき、それに対する反応(恐怖感)がなくなることを、心理学で「消去」という。
この画像を大きなサイズで見る音を想像しただけで恐怖が消去された
今回の研究のポイントは、それが実際に聞こえる音ではなく、想像した音によっても、消去されるかどうかということだった。
そして、それは確かにそのとおりだった。
電気ショックを与えた時の音を想像した被験者は、その後実際に音を聞いても恐怖の反応を示さなくなっていったのだ。
ただし、鳥のさえずりや雨の音を想像してもらった被験者には効果がなかった。
不安神経症の患者を治療する際に、ストレスや不安などを感じる場面を想像してもらい、本当は安全なのだということを確認してもらう作業が行われることがある。
この治療法は実際に有効なのだが、なぜ想像するだけでそのような治療効果があるのかはよく分かっていない。
脳の腹内側前頭前皮質が消去に関係する
参加者の脳をfMRIで観察してみると、先ほどの消去プロセスにおいて、実際に音を聞いたときと音を想像したときで同じ脳の領域が活発になっていることが確認された。
どちらの場合でも、腹内側前頭前皮質という領域の周辺が活発だった。
これまでにも腹内側前頭前皮質と消去との関係は多くの種で確認されている。
実際に音を耳にした場合とただ想像しただけの場合にこの部位で活動が見られるということは、どちらも同じようなプロセスで消去が起きていることを示唆している。
この画像を大きなサイズで見るまだまだ不明な点が多い消去のプロセス
ただし、どのような音の想像であってもこの効果が得られるというわけではない。
鳥のさえずりや雨の音を想像するように指示された参加者では、恐怖の消去は起こらなかったからだ。
このプロセスについては分かっていないことが多く、今回の研究では、現実の音による消去と想像の音によるもののごく限られた類似点と相違点が明らかになっただけに過ぎない。
また想像による消去の長期的な効果については一切触れられていない。
学習された恐怖の消去については100年以上も研究されてきたが、まだまだ知るべきことがあるとシラー氏は話している。
この研究論文は『Nreuron』に掲載された。
References:Imagining sounds is just as good as hearing them for removing negative associations / written by hiroching / edited by parumo
追記:2018年11月27日の記事を再送してお届けします。
















いいこと聞きました。
ありがとう。
仕事の催促の電話がいつも怖いんだけど、コール音を想像すれば恐怖を克服できるということか。
その音から起きる経験が塗り替えられたってこと?
記憶の上書きなのかな。
※6
記憶の塗り替えはない
子供のころ嫌いだった野菜が大人になって好きになっても子供のころの記憶は消えない
消去という名前自体が不適切な名前で間違ったイメージを植え付けている
※16
※6の言ってる記憶ってその記憶じゃなくて
恐怖に感じる感覚の記憶が書き換えられるってことじゃない?
時計仕掛けのオレンジだろ
昔からわかってる事だぞ
あ!例の音や!また電気ショック来る!
…?
なんも来んやん!
安全やんけ!!
ってことかなぁ?
カギだけを思い浮かべようとしたつもりが
脳内で再現ドラマをフル上映してしまった件。
仕事でストレスのあった時期に癒しでグレゴリオ聖歌を聴いていたら
逆にグレゴリオ聖歌を聴くのが不快になってしまった。
イヤな記憶がバイオフィードバックされるんだが・・
※10
そもそもグレゴリオ聖歌が陰鬱さを出しているから
もっと明るいというかポップなのを聴いて!
>>12
しかし記事の内容では不快だった時の音を想像するのが大事なんで…。
ああ、聞かないで想像しないとダメなんかな?
レトロゲーム調の音楽が癒し
ファミコンの音が好きなのでかなりやくに立ってる
だんだん慣れていくんじゃね
むしろ嫌な記憶が何度も甦ってトラウマが強化されるような気がする
素人にはお勧めできない
トラウマの治療現場では
階段から落ちてトラウマになった人には
同じ階段を何度も上り下りさせて
「いつも落ちるわけではない」「ゆっくり降りれば大丈夫」
ということを脳に覚えさせるらしい。
それと似たようなことなのかな。
トラウマの音を聞く→怖いことが起こる という連想を
トラウマの音を聞く→怖いことが起こらない時のほうが多い
という風に覚えさせていくみたいな
耳の穴に小さな蛾が入った時の羽音ときたら・・・
無理です(断言)
あー。そう言えば新入社員だった頃の体験からしばらくは電話の音で
記憶がフラッシュバックしてストレスになってたけど段々平気になっていったな。
近所のでかいおばさんが精神的にアレな人でその人に付きまとわれてた時があってきつかった。今日ホムセンで似た感じの店員に商品の場所誘導されたんだけどちょっときつかった。繰り返していけば塗り替えられると思うとちょっと希望が持てるわ
ただその時の悲しい記憶が蘇るだけなんだが?
これから毎日緊急地震速報のアラームを聴くのか
>>24
それ思った。あれは何回聴いても慣れる気がしないね…。
一生忘れられないほど怖くて悲しい1日だったからね…。
今でも昨日のことのように思い出せる。あの後を脳内再生しただけで無理無理。
神経が自然に切れるのを待つのが時間経過による消極的な治療で、
これは別の回路に繋ぎ変えてしまおうと言う積極的なやり方だな。
つまり認知行動療法?
※27
ですねー。
効くよー!認知行動療法、始めはすっごいめんどくさいけど。
でも死ぬよりましだからやった。
よくわからない
2011の震災の影響で
緊急地震速報の音で未だに心拍数上がるんだが
どうしたらいいんだよ
>>28
落ち着いていて状態のいい時に聞くと効果があるみたいよ
傷が深すぎてそんな状態ではない人はまずそこの治療からになるね
ご自分の精神、体の状態と相談で
朝の通勤時の辛さを緩和しようと好きな曲聞いてたら逆にその曲嫌いになっちゃったんだけど
これと同じ理屈で元に戻せるかな
※29
あんまりどぎついトラウマには聞かないと思うけど、それくらいなら試してみてもいいんじゃないかな。
昔自殺未遂して救急車乗ったせいで、それ以来救急車のサイレン聞くと喉の奥がキュッとつまるわ、
手首から生暖かい血が湧水の様にぴゅーぴゅー流れる映像がよみがえって切った方の手に力が入らなくなるわ、
吐きそうになるわだったんだけど、
普通に生活してたらいくらでも聞く音ジャン?
慣れたよ!
昔、気分の上がる曲をアラームや着信音に使ってたら、その曲聞くとギクッといやーな気分になるようになった
携帯変えたりなんだりで使わなくなって、曲もたまに(元々好きだから)聞いたりしてたらいやな感じは無くなった
※29は心地良く聴けるようになったかな
親の怒鳴り声とかにも効き目あるかなぁ
人混みの中で繰り返せばいいのか?
日頃から記憶と音楽を結びつけるのは良いってことなんかな
失恋した時に聴いた曲って別に嫌いにならないし、これに近い現象なんかな?
ダン、ダダダ、ダン。
ダン、ダダダ、ダン。
(予想を裏切る)
レジー・ベネットさん
想像だけでトラウマの上書きができる可能性があるのか
戦場で心的外傷を患った人は前線の近くで 子供を失った人は幼稚園などの施設で過ごしたほうが回復が早いと聞いたことがある。
>>36
逆効果になりそうなのに意外
ペットロスに対して新しい子をお迎えするような感じなのかな
※44
仕組みはよくわからないのですが 静かなところよりも気がまぎれるとか?
疑似体験しても傷つかない失わないことを体験するのでは?
パニック障害でてしまうんだ・・
トラウマ時期に聞いてた曲聞くと逆に憂鬱になる
某国ではジングルベルを聞くと漏らすとか聞いた事があったが、これが理由か
すこし違うかもしれないが、私は以前はクラクションが大嫌いで、子供の時はクラクションを聞くだけで泣きそうになったり、20歳まで本当に嫌いだった。
自分で車を運転するようになって、道を譲ったり、すれ違いの時停止していた時に、感謝の意味で鳴らされる軽いクラクションを聞いたり、自分でもする様になってクラクションが怖く無くなったように思う。
大昔
うちに上がり込んだ鼻詰まりでいつもブーブー言ってる野良猫を「ブーちゃん」と若干ダサい名前で呼ぶようになり
ブーちゃんは2週間程連続してうちに寝泊まりし
とてもおっとりした良い子だと分かり
呼び名が定着し うちで飼う流れになり
「うちの子になるんだったら もっと可愛い名前にしてあげれば良かった~」と言ったら
「所詮あなたのネーミングのセンスはその程度よw」と
姉に言われ
それ以降
「書泉(本屋の名前)」とか「初戦」とか聞いただけで
自分のネーミングのセンスはダサいのかと
トラウマが蘇る
ちなみにブーちゃんは
去勢手術予定日の朝 逃亡し
2度とうちに来る事は無かった
※41
繁殖能力を失って安寧するより厳しくとも子孫を残せる道を選んだのでしょう。
普通の状態なのに→嫌だった時の音を聴くだけで→一気にその時に戻ってしまうから困ってる、の解決策が「普通の状態で聞くといい」ってのがよく分からない…。
先物取引や株で大きく損失を出したディーラーはポジションサイズ(投入する金額)をうんと小さくして少しずつ成功体験を積み重ねる
墜落や重大な事故に遭遇したパイロットは短時間の易しいフライトを何度もして少しずつ恐怖心を克服する
経験そのものを繰り返さなくても記憶の上書き更新はできるってことかな、パイロットならコクピットの警報音を連想するみたいな?
前のアイフォンの着信音がトラウマになってる
※あくまで専門家の監修の下でやりましょう!
治療を素人が自己判断でやるのは危険。
同じ理由で、自己流でやってみて効果を感じなかったからといって
その療法が嘘だということにもならないので注意。
辛い事を体験すると忘れるって幸せな事だと思うようになるね
脳のブラックボックスが解明されて苦しむ人が少しでも減りますように