
薄汚れたピンク色のそれは、バラバラに2つ発見された。
マーサーさんは近くでよく観察したところ、まだ真新しく場外で、切り口に動脈や血管などがはっきり見えた。そのうちの1つは、切り口がスパっときれいに切れていたという。
不可解なのは、これはいったい何で、どうしてこんな状態でこの場所に打ち上げられるはめになったのか?ということだ。
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クジラの舌であることは間違いない

発見されたクジラの舌。人間の足よりも大きい。環境天然資源省(DENR)の海洋哺乳動物専門家、キャロル・パーマー博士によると、これらの不気味な遺物は、クジラの舌であることは断言できるという。
シャチに襲われた可能性
シャチはザトウクジラの子どもを捕食することが知られており、事実、オーストラリア北部は熱帯のシャチの生息地としても知られている。彼らは特に舌が大好物だという。
YBS - Orcas Hunt and Kill Humpback Whale Calf:西オーストラリアの海岸で、ザトウクジラの子どもを襲うシャチたち
故にこの舌はシャチに襲われたザトウクジラの子供のものであるという説が有力だ。
一年のこの時期は、ザトウクジラがこのあたりで出産する時期とも一致しているため、理にかなった説だろう。

舌の大きさからいったら、小型のクジラであることははっきりしている、とパーマー博士は言う。
ニタリクジラは体長10〜12メートル。温厚な性格で、ダーウィンではなく、アーネムランド沖に生息している。あるいは、オキゴンドウのなれの果ての姿なのかもしれない。

なぜ舌だけが打ち上げられていたのか?
だが、舌だけが打ち上げられるのは不可解といっていい。舌以外の遺骸本体はなく、クジラの種類は、はっきりと断定はできない。
おそらく、この子クジラはすでに死んでいたか、あるいは襲ったシャチをなにかが追っ払い、最後にクロコダイル(ワニ)がやってきたのではないか、とパーマー博士は推測する。オーストラリアには海水に棲むクロコダイルがいるからだ。
「クロコダイルがアオウミガメを食べるのは知られています。クロコダイルがクジラを食べ、舌だけが偶然に流れ着いたということはありえます。サメ、あるいはシャチ、クロコダイル、いずれも可能性はあります」
とりあえず、この謎はじっくり考えるべき課題として保留ということになるだろう。
References:abc/ written by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
死体ならぬ舌い
2. 匿名処理班
シャチにとってもタンはご馳走なんだなぁ…
3. 匿名処理班
鯨タン定食
4. 匿名処理班
鯨のタン食ってみたいなぁ
5. 匿名処理班
くじらタンって響きはちょっと可愛い
6. 匿名処理班
海に棲むクロコダイルとかさすがオーストラリアだな・・・
7. 匿名処理班
え、海で暮らせるワニがいるの⁉
8. 匿名処理班
くじらタンハァハァ
9. 匿名処理班
しかし好物の舌をモギっておいて先っぽだけ残してしまうとは
シャチ的には勿体無い事したな
10. 匿名処理班
鯨の舌は、昔はサエズリと呼ばれて一番美味い部分と人気だったのに、わかってないシャチだなー。
11. 匿名処理班
恐ろしい 修羅の海だな
12. 匿名処理班
シャチは鯨の舌だけ貰えれば満足するレベルらしいから、シャチの仕業じゃないだろうね。
シャチに鯨の舌をあげたら仲良くなってシャチの群と一緒に鯨漁をした村がオーストラリアにあったよ。鯨を見かけたら夜中でも漁師小屋の前で飛び跳ねて教えてくれたんだそうだ。Eden Killer Whale Museum、もしかしたらカラパイアなら記事にしたことあるかもね。
13.
14. 匿名処理班
何も語らない舌か。。。。。。
15.
16. 匿名処理班
早口言葉の練習してたんだな
17. 匿名処理班
クジラの舌は「さえずり」といって絶品なんだなあ
人間が食っても美味いんだからシャチやワニだって好きだわな
18. 匿名処理班
牛タンいくつ分あるんだこれ
19. 匿名処理班
舌注意なんて警告は初めて見た
20. 匿名処理班
クジラにも二枚舌がいたりしてな
21. 匿名処理班
※3
鯨探偵職?(´・ω・` ) (空耳アワー)
つーかサエズリ残すとは…
22. 匿名処理班
※舌注意
って言われてもなぁw
23. 匿名処理班
おとぎ話の因幡の白兎には、「ワニ」が出てくるけど、現在ではこれは「サメ」のことだと考えられている。
その一方で、中国にはワニ、ヨウスコウアリゲーターがいるし、しかもクロコダイル類に属するイリエワニもいる、今回の記事で海で生息するワニ「クロコダイル」がいることを考えてみると、昔の日本近海にはオーストラリアのクロコダイルのような「海でも生きられるワニ」がいたのかもしれない。
しかも、いまwikiでこのヨウスコウアリゲーターのことを調べていたら、「日本でも大分県安心院盆地にある鮮新世の地層から本種の化石が発見されている」。という記述があった。
なので、因幡の白兎のワニが本当のワニである可能性もあると思う。
つまり、「因幡の白兎のワニの正体は、海水でも生息可能な中国由来のイリエワニだった」とかね。
24. 匿名処理班
クジラもシャチも鯨類なんだよね((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
25. 匿名処理班
※6,7
ちょっと前にワニが死んだクジラの肉食う様子が初めて撮影されたとかニュースになってたな
26. 匿名処理班
これは、青ざめた舌……と思ったら意外と血色よくて驚いた
27. 匿名処理班
ひらめいた!
28. 匿名処理班
いや、ワニは普通に鼻呼吸だし、魚類みたいにエラから水中の酸素をとってるワケじゃないからね。潜水能力が高いだけ。あと泳がずプカプカ浮いてるにしても顔だけ水上に出して呼吸してるから窒息したりしない。
人間が淡水でも海水でも泳げるように、ワニだって淡水でも海水でも泳げるよ。
ワニだって一時的に潜ってるだけで、水中で呼吸できるわけじゃない。
元々の生息地が海から遠かったり、近くても餌場や日光浴をする場が必要なので、無理して海まで行く必要がないだけ。 ただ、イリエワニだけは別。
29. 匿名処理班
※23
それ言ったら、因幡の素兎と類似の説話がインドネシアにもあるけど、そっちの方だとワニだったから、日本にその説話だけが伝わってきた際にサメに変わったとも言える
ま、そもそも素兎が白兎になってるくらいだし、もはや言ったもの勝ちでしかないわなぁ
30. 匿名処理班
海底人、もしくは深海棲艦によるキャトル……もとい、ホエールミューテーションだな。間違いない。
31. 匿名処理班
美味しそうな部位なのにね。(?ω?)
もしかして、食われた側の舌部に病変があって、捕食者はそれが嫌で食べなかった?
大分前に、TVでやってた。捕えた獲物ガゼルを、邪魔者が居ないのに途中で放り出し、そそくさ立ち去る捕食者チーター。調べてみたら、獲物は病気に罹ってた、って言うのが。
陸だけでなく、海でもあった。確か、シャチが獲物の子クジラを食べかけにして、立ち去った。
子クジラはどうも病気に罹っていたらしい、とナレーションしてた。
32. 匿名処理班
メルヴィルの白鯨に、マッコウクジラの舌より小型の鯨の舌の方が大きいって書いてあったけど、ホントっぽい
33. 匿名処理班
ちっ(舌打ち
34. 匿名処理班
※29
まあ、日本の神話とかってさかのぼると南方系の神話とかに、ルーツがあったりするから、その話もありえなくはないよね。
35. 匿名処理班
この状態から入れる保険があるんですか!?
36. 匿名処理班
ひどい・・・なんでこんなこと舌んだ!
37. 匿名処理班
ヒゲクジラは美味しいけどハクジラだとイマイチ
38. 匿名処理班
グルメなシャチが襲ったのなら好物の舌を残すのは考えにくい。
病気などの他の要因で死んだ(弱った)鯨を、サメなど他の動物が食い残した線の方が濃厚だろう。肉が鋭利に切り取られているって点もサメの鋭利な歯を想起させる。
※31
それかも。
病気に罹るリスクを避けるためか、病気で肉の質や味が不味くなっていたのか。
39. 匿名処理班
舌でした
40. 匿名処理班
シャチがいたずら?でクジラの舌を噛みきる動画を昔見たような気もする