メインコンテンツにスキップ

「サグラダ・ファミリア」で知られるあのガウディが最初に設計した「カサ・ビセンス」がもうすぐ公開予定

記事の本文にスキップ

35件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 着工から100年以上がたった現在でも未完成の教会、バルセロナのサグラダ・ファミリア。その設計者として有名なのが、カタルーニャ地方出身の建築家、アントニ・ガウディである。

 サグラダ・ファミリアがガウディの代表作であることは間違いないが、それが「唯一の」作品ではない。バルセロナにはガウディの設計による建築が複数残されており、「アントニ・ガウディの作品群」として、ユネスコの世界文化遺産にも登録されている。

 そして、登録されている中で唯一の未公開作品だった「カサ・ビセンス」が、この秋から公開されることになったのだ。

この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.

個人宅から美術館へ

 1883~1885年に建てられた「カサ・ビセンス」(ビセンス邸)は、ガウディが31歳の時点で最初にデザインした家である。

 元々はタイル製作工場の社長であったビセンス氏の夏の別荘として依頼を受け、設計されたものだ。ビセンス氏の死後は買い取られて個人の住居として使用され、一般には公開されていなかった。

この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.

 しかし、2014年にモラ・バンクという銀行がこの家を購入した。

 2年間の大掛かりな修復を経て、来たる10月に美術館としてオープンすることになったのである。修復作業は2015年4月から、マルティネス・ラペーニャ氏、トレス氏、ガラチア氏の3人の建築家を中心に行われた。

この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.

 新しい美術館では、ガウディのデザインが常設展と期間展とで展示される予定だ。

建築様式と歴史的意義

 建物それ自体も、初期の「ネオ・ムデハル様式」を体現している。「ムデハル様式」とは、レコンキスタ後にもイベリア半島に残ったイスラム教の様式と、キリスト教の様式が融合した建築スタイルだ。

この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.
この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.
この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.

 カサ・ビセンスは、オリエンタルな風味をもつだけではなく、革新的かつ独創的な作品であり、それまでカタルーニャ地方で建てられたどんな建物とも異なっていた。そのため、19世紀末にヨーロッパ全土で広まっていたアール・ヌーヴォー(モダニズム)の、建築分野における初期の代表作と目される。

この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.
この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.

建物の構造

 ガウディはカサ・ビセンスを4層の建物として設計した。地階は倉庫、1階は居間、食堂と台所、2階には寝室、最上階は使用人のスペースだ。

この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.

 カサ・ビセンスには、最初は3つの外面しかなかった。北東は隣の建物とつながっていたためだ。南東の外面が正面となり、建物を取り囲む広大な庭に向けて開いていた。そのため日当たりがよく、快適な気候が一年を通して保証されていたのである。

この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.
この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.

ガウディを象徴する作品

 ガウディは当時お洒落とみなされていた華やかな世界を、非常に個人的な方法で再現した。

 カサ・ビセンスの建物自体はカタルーニャの伝統的な様式で建てられているが、その様式はガウディが独特の方法で解釈したものだ。そして、装飾的で象徴的な要素が、これまた独特な方法で組み入れられている。

この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.
この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.

 カサ・ビセンスを全体として眺めれば、後にガウディの作品の特徴となる「創造的な自由」を、予告していることがわかるだろう。

この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.
この画像を大きなサイズで見る
imege credit: Pol Viladoms / Casa Vicens, Barcelona 2017.

via: Colossal, Twisted Sifter など / written by K.Y.K. / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 35件

コメントを書く

  1. ぶっちゃけ、サグラダみたいな荘厳さが全くねぇな

    • -24
    1. ※1
      宗教施設と個人宅では目指すものが違うのだから当然では

      • +18
      1. ※3、※6
        横から申し訳ないが、思ってたガウディらしさと違うんだよな。
        サクラダのような、もっと流線型のアパートとかあるし。

        ガウディの特徴は建物の設計をする際に、建物を一旦逆さま考えて、
        糸と重りで建物の骨格を作ってみて、重力に対して自然な柱の傾きやデザインをそこから採用する点にあると思う。
        だから建物が生物っぽく、なまめかしい感じがする。
        でもこれは、それには該当してないデザインだね。

        • -5
        1. >>15
          ガウディ「キミのイメージを押し付けられてもさぁ・・・」

          • +3
    2. ※1
      お前はそんな荘厳な雰囲気の建物で生活したいのか、とw
      宗教施設じゃなくて個人のお金持ちの別荘だよ?

      なんかもう、ざっと見た感じ、デザインに懲りまくってて見事なので
      「雇い主が好きにやらせてくれるからノリノリでデザインしたんだろうな」
      って思ったわw

      • +9
  2. こりゃすげな
    これを独り占めして見せない奴は人類の敵だな

    • +7
  3. サグラダは植物とか生命を前提にしているから、洗練されているのは仕方ない。
    本物見に行くと感動するよー
    沢山世界遺産見たけど一番好き。

    • +3
  4. サグラダファミリアが完成しないのは雇用対策で完成させないようにいつまでも建築しつつける建物だと聞いたことある

    • -1
    1. ※5
      工期を短縮して2026年完成予定らしい

      • +1
    1. ※7
      ツブツブ嫌いな人かな?柄on柄で、私は目がチカチカする。

      • +2
  5. サグラダ・ファミリアは正直完成しないのも魅力の一つだからな

    • +3
    1. ※8
      昔つくった部分より、新しい部分のほうが素材的に先にもろくなったり...
      という話を聞いたことが。

      • +1
  6. これまた個性的で美しい建造物だな。
    サグラダファミリア一度くらい生で見てみたいものだこが、あれは自分が生きている内に完成するんだろうか。

    • +2
  7. 今調べたら2026年完成予定とか笑
    あと50年くらいかかるのかと思った

    • +4
  8. 楳図かずおデザインとは方向性が違うけど、似たようなしつこさを感じる。

    • +4
  9. つい何年か前までサクラダファミリアだと思ってた
    家庭的な桜田さん?

    • 評価
  10. ディズニーランドのイッツアスモールワールドみたい。

    • 評価
  11. いいね。癒される。
    内装まで派手だから住みたくはないが。
    まだ直線ばかりなのが全然本領発揮してない感じでいいw

    • +3
  12. 中学生の時にサグラダ、カサ・ミラ、グエル公園辺り行ったけど、今も覚えてるくらい印象的だったなぁ。
    三十超えた今、改めて行ってみたい。記事のカサ・ビセンスもぜひ。

    • +1
  13. どう設計したらこうなるのか。基礎設計終わった後で、細部にそれぞれ専門の職人あてがって作り込ませたんかな〜。でもそのわりには破綻してねえ。どうまとめたんだ。

    • +2
  14. 簡単に完成できないほどの巨大建築を造り続けることは信仰心をささげることと同義なんだってばっちゃがいってた
    遷宮で毎回作り直しちゃう日本とは発想が根本からちがうね

    • -1
  15. もうちょっと後のぐにゃっとした方が好きだ

    • +2
  16. 31歳でこれを設計したのもまたこの仕事を任されたのも驚き。相当な予算がかけられたはずなのに。凄いね。

    • +4
  17. タイル貼り、間近で見ると汚いな
    さすがスペイン人の仕事

    • -4
  18. 何処も彼処も装飾が細かいから維持が大変そうだなぁ

    • +3
  19. 陽気で面白みのある建物っていうのも中々ないな

    • +1
  20. アール・ヌーヴォー(モダニズム)ってどういう意味なんだろう?
    この2つって相容れないイメージがあるんだけど…

    • 評価
  21. マグネットパワー隠蔽に関わった闇深な人

    • 評価
  22. これね、カサ・ミラとかカサ・バトリョからはちょっと離れたところにあるんだよね。あまり目立たない、でも地元のタクシーの運ちゃんなんかに言わせればこれこそ穴場でかつ美しいから見るべきだって感じなんだよね。

    • +1
  23. 工事の終わらない横浜駅はサグラダ・ファミリアのようだと言われてきたのだが、もうだめじゃ

    • 評価
  24. おー最近までバルセロナにおったんやけど…早すぎたか
    でもなあ、これたぶん入館料25ユーロくらいになるんやないかな…
    ガウディ財団は国からの補助とかあんまりないから入館料高くてごめんねぇ~みたいなスタンスで
    とにかくどれもこれも高いねん!
    まとめて見れる割引チケットとかも無いし…どれもこれも予約せんとあかんし……
    バルセロナ自体が観光客減らしたいらしいけどそれもどーなんと思う

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

歴史・文化

歴史・文化についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。