かつて隆盛を極めた伝説上の古代都市「アトランティス」 が海中に没したのは12000年前だと言われている。冒険者たちは古代ギリシアの哲学者プラトンが記した伝説の都市を求めて、クレタ、マルタ、シチリア、サントリーニなど、様々な場所へ旅に出た。
しかし、これに対して全く別の説を唱える者がいる。ドイツのコンピューター専門家によれば、アトランティスは沈んだのではないというのだ。そして、その場所まで突き止めたと主張している…それは、モロッコの大地の上にあるらしい。
ミカエル・ヒュープナー氏によれば、アトランティスは津波によって流されてしまい、その残骸がマラケシュの海岸沿いに未発見のままさ残されているのだという。この説は、数学モデルを使った計算によって導きだされたものだ。彼は細心の注意を払って、プラトンがアトランティスについて記した『ティマイオス』と『クリティアス』から情報を集め、51個の手がかりを入手した。
こうした”手がかり”には、アトランティスは海の側にあり、環状の構造が中心を囲んでいたというものも含まれる。極めて重要なのは、アテネからおよそ5,000kmの距離にあったという記述だ。この範囲にはヨーロッパ、アフリカ、中東が含まれる。
これまでに上がった詳細な情報を用いて、ヒュープナー氏はその測定結果をプログラムに組み込むと共に、その地域を400のマス目で分割した地図を用意した。そして、条件に当てはまる地域を調べたところ、モロッコのマラケシュから南に160kmの地点にあるスース・マサ平原が最もそれに近いことを突き止めた。
同氏が発見した地域は、2600年前にプラトンが記述したアトランティスの特徴を数多く備えているようだ。ここは海から11kmしか離れていない荒野の盆地の中にあり、中央には小高い土手がある。プラトンが中心は高くなっていると記した通りだ。ここを囲むのは回状の河川敷である。これもまた同心円によって囲まれ、陸と海が交互にあるとするプラトンの記述と同じだ。
ヒュープナー氏は、この場所がたまたまアトランティスの特徴を全て備えていたという可能性は非常に低いと結論した。アトランティスについての書籍『Meet me in Atlantis(アトランティスで会いましょう)』を出版したマーク・アダムズ氏は、この説を「最も説得力がある」と評している。
その本によれば、「最も外側のリングの直径と都市の大西洋からの距離の計測結果は、プラトンの記述と10パーセントしか違わない。」
また、アダムズ氏はアトランティスが海底に沈んだのではなく、大津波によって破壊されたとする説についても賛同する。スース・マサ平原一帯は地震が多く、街を飲み込むほどの津波が発生しうるのだ。
ヒュープナー氏の意見では、アトランティスが海底に没したという説は、長年語り継がれるうちに失われてきた真実の本質的要素の一端なのだそうだ。歴史的にモロッコは考古学者の調査対象ではなかったことからも、失われた都市の実在を証明する鍵が未発見のまま残されている可能性がある。
この説が提唱されたのは2008年のことだ。ヒュープナー氏が2013年に亡くなる前、彼はアダムズ氏と会見し、計算から導き出されたその場所へ連れて行った。
本説はアトランティスが海底にあるとする定説とは真っ向から対立する。今年はじめには金属の一種であるオリハルコンがシチリア沖の海底から発見され、アトランティスのものだと期待されている。合計39個もの鋳塊が、ギリシアを出発したと思われる2600年前の難破船から回収されたのだ。
シチリア沖で発見されたオリハルコン
via:Are the ruins of the lost city of Atlantis on LAND? ・原文翻訳:hiroching
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コメント
1. 匿名処理班
いいね、凄く現実味がある。
なにか痕跡が見つかると大発見だね。
2. 匿名処理班
まだ仮説の段階。他の研究者による検証を待ちたい。
3. 匿名処理班
オリハルコンは真鍮のこと。これマメな。
4. 匿名処理班
衛星都市ではないのか?
当時アトランティスと敵対する地域もあったようだし 当然衛星都市(あるいは植民地)も有ったはず
大西洋からはGoogleでピラミッドらしき物も見つかっている
アトランティスの中心はやはり大西洋の中だと思う
現在地中海になっている地域はアトランティスとは別な勢力の文明が有ったようだ
当然アフリカにも何らかの文明の痕跡は見つかると思う
5. 匿名処理班
『てぃまいおす』は超重要文献なのに、全集以外では全然翻訳されない。
6. 匿名処理班
Atlantic seaの名前がぴったりの場所だな
遺跡が見つかると面白い
7. 匿名処理班
トリトン「イルカで行けないところは無理!」
8. 匿名処理班
※8
白い人(神)が来たとか海に囲まれた島でも海の恐怖で
漁しないなど妙な言い伝え残る国々があるし、言語にしても
元となる言葉がどの歴史にも一致しない地域もあるので
なにかの勢力あったのは間違えないと思う
でも現代の考古学では証拠がない遺物もないなど散々なので
もし今回のことが正しいのなら世界の歴史がガラリ変わる
9. 匿名処理班
ムー大陸も発見されるのか?(ワクワク)
10. 匿名処理班
エジプト文明の基礎となったという伝説だから、この場所は説得力があると思う。大陸が一夜にして沈むのは考えにくいけど、津波ならあり得るかもね
11. 匿名処理班
モロッコって地震だけじゃなく、近隣の巨大火山の噴火で百メートル級の津波が予測されてるんだったよね。
初めてアトランティスの存在を信じる気になったよ!
12. 匿名処理班
これには総統閣下も苦笑い
13. 匿名処理班
アトランティスは現在の地中海にあった 500 万年前の都市なのだ〜。 ジブラルタル海峡が巨大な滝になって大西洋の水を地中海に流しいれてアトランティスを沈めたのだ。 だから、地中海を調べれば海底に都市が見つかるのじゃ。
14. 匿名処理班
トゥーレ協会。
ドイチェス・アーネンエルベ。
やつらか。
15. 匿名処理班
オリハルコンと聞くと「海のトリトン」を思い出す。
16. 匿名処理班
オリハルコンの記事が気になる
17. 匿名処理班
津波と地盤沈下で滅びたマルタ文明説は?
18. 匿名処理班
もうほぼこれで確定でいいんじゃなかろうか。
19. 匿名処理班
ナディアとたった二人だけの宇宙人で何ができる。この星は、もう人間たちのものだ!
20. 匿名処理班
邪馬台国は何処的な
21. 匿名処理班
ロマンですなぁ…
22. 匿名処理班
岩波文庫からティマイオス出して欲しいな
23. 匿名処理班
このマラケシュから南西にいったところに、やはりアトランティス候補として知られるカナリア諸島がある。google earthの海底遺跡騒ぎも比較的カナリア諸島に近い場所のことらしい。
24. 匿名処理班
8000年〜5000年前は、サハラ砂漠も豊かな緑あふれる土地だったし。
大陸にアトランティス文明圏を築いていた事もありうる気がするな。
25. 匿名処理班
いいなあ
世界にはまだまだロマンが眠ってるんだな
26. 匿名処理班
モロッコに長いこと居たけど、地図の場所はマラケシュから遠すぎる。
あそこをマラケシュと呼ぶ人はいないと思うのだが……本当にその場所に行ったのだろうか。
27. 匿名処理班
オリハルコンに喰いつくなよw
28. 匿名処理班
※7
え!?知らんかった!結構でっかいマメ!
29. 匿名処理班
※32
>モロッコのマラケシュから南に160kmの地点にある
>スース・マサ平原が最もそれに近いことを突き止めた。
って記事にあるから、マラケシュと呼ぶ人は確かにいないかも
30. 匿名処理班
んでもプラトンの著書、ティマイオス、クリティアスの中では
アトランティスは「島」だと明記されてるんだよなあ
まぁ、アトランティス関連の情報は出処からして怪しいからなんとも言えんけど
(プラトンの著述が正しいなら、エジプトあたりにより詳しい記録が残っているはず)
ティマイオス、クリティアスに続く失われた三部作「ヘルモクラテス」が残っていれば
また違ったかもしれないけど、今となってはもう……
31. 匿名処理班
まあ現代より進んだ超文明というロマンを外せばありうるけど
それじゃつまらんわ
32. 匿名処理班
※19
500万年前って言うと
現生人類すら生まれておらず
オルドヴァイ渓谷でウホウホ鳴いてた頃まで遡っちゃうぜ
33. 匿名処理班
トリトンの持ってた剣がオリハルコン製だったが、「この世に存在しない不思議な力をもった未知の金属」とされていた。ふつうはオリハルコンと言えば青銅などの合金一般を指すので普通すぎるのだが。
34. ツルッぱげ
アトランティスって約12000年前に栄えた超高度な古代文明ですよね・・・・・
不意の天災で海没したなら理解出来たんですが元々、活火山多数の地震多発する場所に大都市を建設する事が疑問です。
海没なら納得しているんですが・・・・・
20.の方へ・・・
邪馬台国の邪馬はヤマトの事、「台国は臺國」で本来の記述は「壹國(一國)」であったと推測されます。
ヤマトで唯一の国家(政府)と見なせるからです。
※当時の魏書物は誤字が数多あるそう「壹➡臺」と間違えた可能性は大きそうです。
邪馬台国を名乗ったのは北九州「山門=やまと」女衆長であったと思われます。
ヤマト朝廷は近畿地方で最終的には「山門」を滅ぼしています。
邪馬台国の場所については、あくまで私の推測ですのて・・・・・