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「ロストランド」 海底に沈んだ10の失われた土地

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(著)

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 約3億年前から2億年前、世界は1つの巨大な大陸だった。だが次第に超大陸パンゲアは複数の大陸へ分裂し、それぞれの大陸もまたより小さなものへと分かれてゆく。今日、こうした地球の大陸の成り立ちについては誰もがよく知るところとなった。だが、それは海の上に浮かんだ土地に関してでしかない。

10. ニュー・ムーア/サウス・タルパッティ

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 インドではニュー・ムーア島、バングラデシュではサウス・タルパッティ島と呼ばれるベンガル湾の小さな岩は、1970年のボーラ・サイクロン襲来の後浮上したもので、すぐに紛争の種となった。国境を分かつハリアパンガ川河口のすぐ側にあったため、両国がその領有権を主張したのだ。

 豊富な原油が埋蔵されている可能性があり、同島をみすみす手放すわけにはいかない両国の外交協議は間もなく頓挫した。インド沿岸警備隊が島に国旗を立てるために足しげく上陸する一方で、バングラデシュ側もこれを直ぐさま撤去するといったやり取りが行われた。最終的にはインドの国境警備隊まで動員されている。

 だが、2010年に島が再び海中へ没したときには、どちらも驚きを禁じ得なかっただろう。

9. グラハム島/フェルディナンデア/ユリア島

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 いくつも名前があることから、この島にもまた国家間の領有権争いがあったことが伺えるはずだ。この島はシチリア海岸沖に4回(5回という説もあり)も出現と消失を繰り返しているが、1831年に4度目の浮上を果たしたときは4ヶ国が領有権を巡って火花を散らす事態に発展した。

 最初に領有権を主張したのはイギリスであり、国旗を立てると、ジェームズ・グラハム卿にちなみ”グラハム島”と名付けた。しかし、シチリア島の王も国旗を立てると、”フェルディナンデア”と呼び始める。1月後、フランスも国旗を携え、”ユリア島”と命名する。さらにスペインも領有権を主張するが、国旗の掲揚や呼称を決めなかったところを見ると、それほど真剣ではなかったようだ。

 フランスが国旗を立ててから間もなく、同島はまたもや海中へと沈み、6ヶ月間に渡って浴びせられたスポットライトの中から消えてしまった。それでも同島は現在水面からわずか8mの海底にあるため、いつ再浮上してもおかしくないと見られている。領有権争いを見越したイタリア政府が既にダイバーを送り、国旗を掲揚済みだ。

8. ロハチャーラ島

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 本リストの中では最も最近沈んだ島の1つであるロハチャーラ島は、2006年に姿を消した。気候変動の影響で沈んだ最初の居住可能な島でもある。ブラマプトラ川とガンジス川の水がベンガル湾に注ぐ、インドのスンダルバンスに位置し、かつては1万人もの人々が住んでいた。徐々に海中に沈み始めたために住民の多くが近隣のサガー島へと避難したが、この島もまた海中に没しつつある。

 ロハチャーラ島の沈没で大打撃を受けたのは、多くが貧困層の人である。ある女性は外出先から戻ると畑が川の中に沈んでいたそうだ。羊を助けようと川の急流に飛び込もうとしたが、近所の人に止められたらしい。家族は間もなく強制的に避難を勧告され、畑を失ってしまった。息子は船乗りになったそうだ。

7. ベーリング地峡

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 北アメリカとアジアを繋いでいたベーリング地峡は、人類が最初にアメリカ大陸へ移動する際に渡った場所と言えば判るだろう。今日でもアラスカ北西部とロシアの東端にその一部が残っているが、12,000年前まではしっかりとした陸塊が存在した。それは全長1,600km、全幅4,800kmもあったのだ。

 最初のアメリカ人はベーリング地峡をただ橋として利用したのみならず、歴史家によれば、アラスカへ辿り着く10,000年の間実際にそこに住んでいたようだ。と言うのも、アラスカとカナダは分厚い氷で覆われており、初期には北アメリカへ足を踏み入れることができなかったのである。

 ベーリング地峡は大部分が海底に沈んでいるため、そこから人類の痕跡が発見されたことはない。だが、現代のネイティブ・アメリカンは初期クローヴィス文化の少年と共通の祖先を持っていることが証明されており、人類の集団がベーリング地峡を渡ってきたという説と一致する。また、カナダとアラスカのナ・デネ語族が、シベリアのエニセイ語族と同系統であることも発表された。

6. マウリティア

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 ベーリング地峡は現存する2つの大陸を繋いでいたが、マウリティアはそれ自体が1つの小さな大陸だった。大きさはマダガスカルの4分の1ほどで、現在はインド洋のモーリシャスの下に位置する。また、その分離した一部はセーシェルと同等の距離にある地点でも発見されている。

 その発見は、ジルコンという浸食や化学物質に耐性を持つ結晶の発見を受けてのものだ。モーリシャスは海底からの溶岩によって形成された島であるため、ジルコンがここに由来するものでないことは明らかだった。また、試験によってジルコンが20億年前と、周辺の陸塊より遥かに古いものであることも判明した。現在の説では、同島を形成した火山の噴火がジルコンを表面まで押上げ、その下に眠る古代の大陸の証拠を提供したとされている。

 モーリシャス、マダガスカル、インドはかつてロディニア大陸を形成していた。やがてインド亜大陸がマウリティアとマダガスカルから別れて移動を始め、マダガスカルモまたゆっくりと沈み行くマウリティアを残して分裂したようだ。

5. ケルゲレン海台

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 今日、ケルゲレン海台は世界最大の溶岩台地の1つとして知られている。南極前線に沿って存在し、マウリティアと同じく、かつては日本の3倍ほどの面積を持った小型の大陸であった。

 ケルゲレン海台は8000万年の間に、時を隔てて3度ほど浮上したことがある。合計すると約4000万年間海上に留まっており、2000万年前を最後に再び海の中に姿を消した。

 発見は1772年、フランス人の冒険家イヴ=ジョゼフ・ド・クルゲラン=トレマレックによるものだ。当時彼は、重たい北半球のバランスをとるために不可欠であるとして存在が仮定されていた大陸”メガラニカ”の捜索中だった。クルゲラン=トレマレックはフランス国王に新大陸を発見したと報告したが、巨費を投じた2回目の探検でその全体が海中にあることが確認されると、すぐさま投獄されてしまった。

4. ロスト・ヴィレッジズ

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 “ロスト・ヴィレッジズ”は、1950年代にセントローレンス海路を開通させるため沈められたカナダの町の総称である。20世紀に実施された土木工事の偉業と讃えられる同海路開通計画は電力の供給を目的とするものだったが、同時に内陸の五大湖にある港まで大型貨物船が航行できるよう、深く掘り下げる必要があった。

 カナダ側では9ヶ所、アメリカ側では2ヶ所の町が水中に没し、現在では人工のセントローレンス湖の湖底でひっそりと眠っている。カナダ政府はこのために500世帯、6,500人以上の人々を移転させ、線路や高速道路も同様に再配置された。また、墓地の移転には難儀したようで、実施されたのはメープル・グローブ墓地のみで、残りは簡単に石灰石で覆われ、水の底へ沈められた。

3. フェルドロンクン・ランツ・ファン・ライメルスワール(Verdronken Land Van Reimerswaal)

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 “ライメルスワールの沈んだ地”を意味するここは、オランダのかつては活気に溢れた町の残骸だ。最盛期には重要な港町であり、イガイや牡蠣の取引で栄えた。危険な兆候が最初に現れたのは、1530年11月にセントフェリックスの洪水が起きたときのことだ。1532年の嵐ではライメルスワールは隣町と切り離されてしまった。これによって町の経済が衰退し、より高い土地へと住民が避難し始めた。

 1551年に襲った嵐は堤防を決壊させ、付近の村を水の中に飲み込んでしまった。最後の堤防が決壊したのは1555年のことであり、当時の洪水によって海水まで流れ込んできた。以降も洪水は続き、17世紀の終わりまでにはわずかな町の名残が残るのみとなり、18世紀を迎える前に町は完全に水中に没している。

2. スンダランド

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 スンダランドも水中に没したもう1つの微小大陸であり、現在の東南アジアに位置している。最後の氷河期以降に沈んだ大陸としては最大のもので、19,000年前に氷河の融解により海面が100mほど上昇したことが原因で海に沈んだ。

 スンダランドが水上に存在していた頃はインドの2倍の大きさで、ミャンマーからボルネオ島まで広がり、現在のマレーシアやインドネシアも含んでいた。実にスンダランドは今日の東南アジアにある島の全てをまとめており、フィリピンまで伸びていたのだ。

 プラトンが伝えた伝説上のアトランティスや、同じく伝説上のレムリア大陸との関連が指摘されることもある。中にはエデンの園がスンダランドに存在したという説を唱える者までいる。

1. 獅城

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 東洋のアトランティスと称されることもある中国の獅城は、アトランティスと異なり実在する。しかも、実に美しい。獅城は1,300年以上前から続いた都市だったが、1959年の新安江水力発電所を建設した際に水中へと沈められた。現在のこの場所は千島湖となっている。

 獅城は考古学者からは”タイムカプセル”と呼ばれてきた。と言うのも、水が清王朝や明王朝時代に作られた古代の建築物や彫刻を完璧なまでに保存しているからだ。この町は5つの門を備えており、4つ備えることが多い中国の一般的な都市とは異なる。また城壁は16世紀のものだ。

Scuba Diving the Ancient Ruins of Lion City at Qiandao Lake in China

via:listverse・原文翻訳:hiroching

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この記事へのコメント 28件

コメントを書く

  1. ツバルもあと何年かしたらここに列せられるようになるのか…

    • +2
  2. んー。
    アレクサンドリアやヘラクレイオン、カノープスはどうした?

    • 評価
  3. みんなで亀を助けてクルーズに出かけようぜ!

    • +5
  4. 日本でも地震で消えた村とか城があるな
    特に旧ソ連だと名前がない町が腐るほどあったので
    いくつ消えたなんてあの国民ですらわからんし
    アメリカほか多くでも同じ状態だろうな

    • 評価
    1. ※6
      岐阜の「帰雲城」だな。埋蔵金伝説もあるよ

      • +1
    2. ※6
      自分もBGM気になりました
      Heaven’s DJの『Illumination』って曲みたいですね

      • +1
  5. 数百万年前? パンゲア大陸は、2億5000万年前~2億年前では
    海底に眠る遺跡って凄い興味をそそられるけど、探索するのは至難の業なんだろうなぁ

    • +2
  6. コンパス岩のまわりをボートでぐるぐる

    • 評価
  7. 超大陸パンゲアが存在したのは、ペルム紀から三畳紀にかけての「約3億年前から2億年前」の時期です。「数百万年前」の時点では、既に5大陸に分裂が終わってから1億年以上が経っています。

    • 評価
  8. 獅城
    初めて知った
    こんなの水没させていいの笑

    • 評価
  9. 海賊の街だったポート・ロイヤルは選外か

    • 評価
  10. 大陸の大安売りだな。
    どれも浮いていれば島レベルの大きさ。

    • 評価
  11. 日本列島も氷河期の解氷具合によっては北日本まで氷の大地だったかもしれませんしね
    人も大地の運命もほんの僅かな差で大きく様相を異にしてるのかも

    • +2
  12. 人為的な行為によって沈められた都市も上げてるんだから、日本のダムに沈められた村とかも入れた方が面白い記事になったはず。

    • +6
    1. ※21
      >その場所に貴重な建築物がなかったわけじゃない
      例えば?1300年以上前から続く遺跡ってかなり歴史的に貴重だと思うけど、
      それに匹敵するレベルのものが沈んでたりするの?

      • 評価
  13. >だが、2010年に島が再び海中へ没したときには、どちらも驚きを禁じ得なかっただろう。
    ワロタ

    • 評価
  14. 沈む可能性があるのでコンクリで固めた沖ノ鳥島。
    人が住めないので、中国以外からも
    島ではなく岩だと突っ込まれてる沖ノ鳥島。
    載るかな?ボツかな?もうかぶってるかな?

    • 評価
  15. 獅城があるのは千鳥湖でなく千島湖だな。

    • +1
  16. >ロハチャーラ島の沈没で大打撃を受けたのは、多くが貧困層の人である。ある女性は外出先から戻ると畑が川の中に沈んでいたそうだ。羊を助けようと川の急流に飛び込もうとしたが、近所の人に止められたらしい。
    痛ましいな…ささやかな財産の中でも特に大切なものだったろうし、情もあったろうに、目の前でどうすることもできず失ってしまうなんて…
    そこまでギリギリになるまで引っ越せなかったのも、貧しさゆえだろうし、政府はそんなことになるまでになんとかしてやれんかったんかね

    • 評価
  17. 長崎にも横島と言う沈んでしまった島があるよ。
    かつては炭鉱の島として栄えて何百人もの人々が暮らしていたけど
    閉山とともに人々が消えてから島も忽然と海底へと消えてしまった。
    海底坑道が潰れたんじゃないかと伝われている。
    今も海の底にかつて人々が暮らしていた跡が残されているけど
    地元のダイバーは潜りたがらない。
    まるで異世界のようで不気味、発狂してしまいそうになると言っていた。
    まぁ物理的に伊王島、辰ノ口、高島の間を流れる潮の急流で難しいスポットであり、潜るだけで肉体的精神的にストレスのたまる状況に加えて、跡の異質感からくる不安と窒素酔いでマトモではいられないのだろう。

    • +3
  18. 「すごいや、ラピュタは本当にあったんだ!」からの「あの子たち(水)はバカどもからラピュタを守ったんだ」が獅城の件で再生された

    • 評価
  19. 東京の海抜ゼロメートル地帯もそのうちここに追加されるんだろう。地球温暖化、海面上昇・・・

    • 評価

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