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若者の銃乱射事件と精神疾患の関連性(米研究)

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(著)

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 銃社会アメリカでは、若者たちによる銃乱射事件が頻繁に起きている。そのたびに脚光を浴びるのが精神疾患との関連性である。

 例えば2012年、コネチカット州のサンディフック小学校で、ひとりの若者が児童や教師を銃殺した事件の後、州は精神疾患を扱う病院の関わりを追跡することを法案化し、精神疾患に対する州の取り組みを強化し、学校には心の健康の教育を強化するよう求めたのがいい例だ。

 このような働きかけは確かに銃乱射を防ぐのに役立つかもしれないが、新たな研究では、精神疾患は銃乱射事件のひとつの要因にすぎず、アルコールやドラッグなど、別の要因の方がより深く関係しており、またいくつかの要因が複雑に絡み合っている可能性が高いということがわかったという。

 この研究を進めているのは、米ニューヨークのコロンビア大学助教授のソナリ・ラジャンらのグループだ。ラジャンと共同研究者のニューヨーク大医学部のケリー・ラグルスは、なんのイデオロギーももたずに、こうした銃犯罪を犯す若者たちの問題や、銃乱射だけでなく、若者が銃を所持していることについても調べている。

 児童擁護基金によると、米国で毎年銃で殺される18歳以下の若者の数は約3000人にもなるという。銃の乱射事件はショッキングだが、これらの死のひと握りにすぎないのが現状だ。

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 ラジャンらは、疾病対策予防センターが2001年から2010年に集めた様々な危険行動に関与した高校生13500~16500人分のデータを使って調べを進めた。さらに特定の危険行動がどのようにつながるかを見るために、遺伝子発現の研究で一般的に使われている統計分析法を用い、それぞれの危険因子をほかの危険因子と比べて、どれとどれが連鎖する傾向にあるのかを調べた。

 その結果、銃の所持ともっとも関わりが強かった行動は、アルコール、タバコ、ドラッグの使用で、そのほかには学校環境も影響があるということがわかった。学校でドラッグをやっていたり、喧嘩や恐喝を体験した生徒は、前から銃を所持している傾向が高いという。学校環境も大きな要因だということだ。

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 こうしたことは、たいていメディアが報道する事件や、感情的な表現で情報として入ってくるものなので、多くの行動パターンを見ることで偏見をもたずに、子どもたちのどの行動が銃の所持と関連しているのか、まっさらの状態で取り組んだという。

 毎年の調査で、この一ヶ月間に銃を所持していた生徒は5~6%前後だったが、実際にはほとんどは銃犯罪には関わっていなかった。だが、銃を持っているということは、罪を犯す危険性がより高いということだ。

 問題の本質は、このことについてなにができるかということだ。

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 若者の暴力の危険因子は知られていても、それを阻止できる法律やプログラムは不足している。その理由の一部は、政府の財政援助資金に限りがあるということだ。

 90年代始め、委員会は銃規制を擁護推進につながる研究を禁止する予算の見直しをし始めたが、、オバマ大統領は2012年のサンディフックの銃乱射事件後、銃研究の援助資金の必要性を感じて、国立衛生研究所に計画書を要請し、疾病対策予防センターにも研究資金を組み込むよう指示したが、共和党の抵抗にあい、研究者に資金が行き渡らなかったようだ。

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 ラジャンとラグルスは、外部援助なしで研究を完結したが、若者の銃使用と危険因子の因果関係をもっと深く掘り下げるための、将来研究の基盤を整えたいとしている。原因を精神疾患だけに限るのは十分ではないだろう。

 学校環境要因も重要であることがわかったのは、若者と銃との関わりを上の人間が阻止しようとし始めているいうことなのかもしれない。今年発表された別の研究では、学校に銃を持っていく傾向にある子供の数は、いじめられている子供がそうでない子供の2倍近く多いことがわかった。

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via:livescience・原文翻訳:konohazuku

 特に学校や社会でセンセーショナルな銃乱射事件が起きると、犯人はこれこれしかじかで鬱になっていたので、だからこんなことをしたのだという具合に、人はこうした銃暴力の問題を単純に考えようとしたがる。しかし、銃暴力は極めて複雑な問題で、他人が理解したり議論したりすることがほとんどできない多くの要因が絡み合って起こるものなのだ。

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この記事へのコメント 35件

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  1. 下の写真、乱射事件の現場に花やぬいぐるみが飾ってあるが、日本の神社にある「人型:ひながた」みたいなのは何ですか? あとで集めて神社に持って行ってお祓いをやるとは思えないし・・・。

    • +2
    1. ※1
      あれは天使を模したものだと思います。
      西洋では子供が亡くなった場合天使を飾る事が多い様です。

      • +7
  2. 人間は工業品じゃない。
    でも、ある程度品質は同一として扱わないと社会が成り立たない。
    そして教育とは人間が社会を形成する動物として動く為の「一定の保障」に過ぎない。
    余程前兆が顕著でない限り「問題のある個体」の判別なんて出来ないだろうね。

    • 評価
  3. 銃の規制をしようとするベクトル自体が潰されているってのが凄いよね
    ライフル協会だっけ?
    ま、いずれにせよこれだけ社会に浸透しているんだから、規制話がどれだけ盛り上がったって具体化することはないでしょ
    ならば思う存分に議論すれば良いと思うけどね

    • +10
  4. 「いくつかの要因が複雑に絡み合っている可能性が高いということがわかったという。」
    って、こんなこと別に研究しなくたって初めから分かってるだろ。
    その要因が揃った時に身近に銃があるから射ってしまうわけで。
    理由も原因もなしに乱射するヤツなんかいないよw

    • +16
  5. まあ精神疾患もきちんと社会問題として考えた方がいいだろうな。
    「甘えwwww」とか言って煽ってる連中も
    少しはマジメに考えた方がいい。

    • +16
  6. ナントカに刃物が銃にすり替わったものだしなぁ。
    近年の共和党は過半数超えにものをいわせてやることなすこと反対しているだけに見える。
    かといって若い人は大統領選以外の投票率が低いから中間選挙で保守層や高年齢層の支持が多い共和党が議会の多数になってしまい、オバマのような改革をしようとも野党に潰される大統領ができあがる。

    • +13
  7. いじめられている子に銃を持つなというなら、じゃあどうすればいいかも考えるべき。

    • +3
  8. アメリカ特有の「学校内カースト」の存在も大きいと思う

    • +2
    1. ※9
      とにかく逃げる事です。
      銃によって勝つ事が出来ても失うものがあまりにも多いのだから。

      • +6
  9. 銃社会のプレッシャーって半端じゃねーなぁと。
    日本がこうならなくて良かったよ、本当。
    若い人の本質なんてどこも一緒なんだから、日本も
    こうなるって。

    • 評価
  10. 通説として
    銃乱射とかの目立ちたがり系の犯罪は、
    強姦や放火と同じで「示威行為」としての性格が強い
    要は満たされない自尊心の発露
    能力は無いのに、自分を過剰評価し過ぎてる奴が爆発して起こす犯罪
    精神疾患といえばそうなのかもしれないが、
    何でも病気扱いして安心するのは良くない
    一次的には単に教育の問題だと思われ

    • +6
  11. いじめられっ子が一番に望むのは復讐なんだよ
    いじめた奴やそれを許している周囲へのね
    そこに銃なんて手段があればもう

    • +11
  12. 心も体も不安定な思春期に、銃やナイフは、厳禁で!!
    とは別に研究、投資、寄付がお金目当ての詐欺に見えてしまうのは、考え過ぎ?

    • +1
    1. ※15
      石や警棒を使うべきだと思う。逃げ場がなかったらどうするか・・・・

      • 評価
  13. なんにしろ犯人の大半は現場で射殺されるのだから研究のしようもない

    • +5
  14. 日本でも子供が殺傷能力のある刃物を持ってるのが普通だった頃は学校内の事件は多かったからね。
    それが銃になったらこうなるのが当然と言えば当然。

    • -3
  15. キレるとカッターナイフとか包丁を持ち出すバカって
    数十年の人生の中で何度か遭遇したわ
    そんな連中が持ってた武器が銃だったらと思うと・・・
    ガキの頃はピストルとかM4ライフルかっけーと思ってたし
    一時期はエアガンを複数集めてた程度にはガンマニアだったけど
    日本に実銃が溢れていなくて本当に良かったと思うわ

    • 評価
  16. 孤独と銃と逃げ場がない状況が組み合わさればだれだって良くない事を考える。
    そこにサイコパス要素や自己愛性の人格障害要素が組み合わさればさらに確率が高くなるのでは。
    目付と癒しのためのクールカウンセラーの存在が必要に感じますわ

    • +4
  17. 害獣駆除、狩猟、射撃競技で必要なのも理解できる
    アメリカは広大だから、田舎だと防犯用に銃がいるのも理解できる
    だからって、アサルトライフルとか対物ライフルは要らんだろw
    猟銃とかリボルバーでも十分だろ
    軍用銃を買う奴なんて、マニアか危険人物か見えない何かと戦ってる変人だけでしょ

    • +7
    1. ※23
      「銃は悪くない、使う人間のほうが悪い」
      「俺たちにも生活がある」
      っていう人達が少なからず存在するんで…

      • +3
  18. 銃で無差別乱射って時点で
    安全圏から有利な武器で攻撃するってことだものなぁ

    • +7
  19. 共和党は何をしたいのかな、もう一度市民戦争始めたいのかな、バカなのかな。

    • +2
  20. アメリカ開拓時代には人がピューマに食われたり、オオカミに食われたりしたので、銃が生活必需品だったが、乱獲でほとんどいなくなった。銃の時代じゃないのに生活様式や思考をかえられないのがアメリカ人。太閤秀吉みたいなのが大統領になって刀狩りでもやればいいのに。

    • +5
    1. ※27
      宗教団体が警察と銃撃戦になったこともあったもんね。
      見えない何かと戦ってる人たちが簡単に武装できるって考えただけで怖いわ…。

      • +3
  21. 精神疾患が原因ていうか「向精神薬の副作用で自殺衝動や攻撃衝動が増す」というリスクもある
    犯罪の一部は薬が関与してそう
    違法薬物だけじゃなく合法薬物も使い方によっては危ない
    医師にも、一部には、金カネ亡者で患者を薬漬けにして稼ぐ、ヤクの売人と化したサイコパスはいる
    どの国も、製薬会社や医療利権優先みたいだがね

    • +1
  22. 同じ凶器でも、包丁は無いと生活に困るけど
    銃は無くても困らないんだよなぁ
    まず、5歳からの初めての銃。が商売として売れることに心底驚く。人殺すためだけの道具なのに。まさか画鋲として掲示板にぶっ放す訳でもあるまいし。

    • -2
  23. サイコパス、イコール「良心がない」。
    知能は高い、社会性はある、嘘が上手い、犯罪者として捕まりもせず野放しな奴は、どのジャンルにも(少数だが)いるよ
    患者を治す、少なくとも病苦をしのぐよう助けるのが医療のはずなのに、
    カネと経営第一で、ずさんな多量投薬の副作用で、患者が何人自殺しようが事件起こそうが捕まりもしない、そういう医師もいるようだ(ドキュメンタリーで見たし、知人が何人か自殺した)
    そういう医師がサイコパスでなくて何か?と思うね

    • +2
    1. ※32
      まだネイティブ・アメリカンがいる
      彼らからの復讐を恐れている限り、銃社会は終わらんよ

      • +3
    1. 銃を所持した人物は、暴走した時に周囲へ与える被害が大きい
      ※33
      サイコパスの意味を調べなおすことをお勧めします
      ※34
      自分は銃市場が商業として根付き、雇用が発生しているから淘汰されないのが最大の理由だと考えている

      • +3
  24. サイコパスが医師の診断なんか求めるわけない。むしろ他人を抑圧、誘導して追い詰め、病院送りにする。
    そしてサイコはサイコに同調するもの。

    • -4
  25. 知性の虐殺者(テキトーな教師)と学園生活のテロリスト(暴力行為が娯楽の生徒)を自由の元に排除しただけだ。
    という考えもアリなんじゃないかな?
    サイコパスはもっと違うメソッドをとるから、この研究自体が意味が薄いように思う。

    • +2
  26. 銃を所持してるってだけで気が大きくなるんだろうな。
    気の弱いチンピラやヤクザほど刺青をみせたがるって聞いた。
    暴対法では組の名刺や刺青を見せびらかすだけでも恐喝になる。

    • +4

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