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アメリカ版赤ひげ先生。ホームレスの姿をしてホームレスを無償診察する医師

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(著)

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 ペンシルバニア州ピッツバーグには、20年以上、市内のホームレスたちを見て回り診察を続けている医師がいる。ジム・ウィザース医師は「ストリート・ドクター」という愛称で親しまれているが、これは彼が夜になるとホームレスみたいな服装をして往診に行くことからつけられた名前だ。

 この一風変わり者の医師、ジムが、元ホームレスのマイク・サローズと一緒に町を巡回し始めたのは1992年のことだった。それ以来、1200人以上にのぼるホームレスたちの体を見続けてきた。

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 彼の活動は大きな反響を呼び、今では国内の医学生とボランティアのネットワークが週4日ホームレスの診察をするほどまでに発展した。

 夜にホームレスを往診する活動は現在、NPOのオペレーションセーフティネットが組織的に行っている。セーフティネットは、アメリカで最初にフルタイムにホームレス医療を始めた団体の1つだ。

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 ホームレスは一般社会と権威的な人々に嫌悪感を抱いている場合が多い。そしてそれは事実だった。最初に打ちのめされたのは橋やキャンプ場に隠れている人の数が多いことだった。彼らの目にはジムに対する敵意がむき出しだったという。

 そこでジムはホームレスと同じような姿で彼らと接することにした。徐々に彼らと打ち解け、医学的な問題に目を向け始めると、酷い傷を抱えたままの人、治癒していない潰瘍、ガン、その他、取り組まれていないあらゆるものを抱えて生きてる人たちが居ることがわかってきた。

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 このボランティア活動を始めた時、ジムは病院の専門職だった。彼の仲間は彼の取り組みをあまり嬉しく思わなかったが 彼はこの活動をやめなかった。医療界の自らの立場を危険にさらしてまで、自分の使命を全うする決意は揺らがなかった。

 アメリカの医療費は高額である。医療費が支払えない為にホームレスになった人も大勢いる。また、国の為に働いた退役軍人も多く存在する。そういった国家のシステムを口で批判するのは簡単だが、ジムは自らができることをできる範囲で行っているのだ。

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 しかし今日では物事はずいぶん変わった。反対していた同じ仲間が、今では、医大に行ってる自分の子供たちが彼のチームに参加できないか聞いてくるくらいなのだ。

 最初の頃、ジムはバックパックにほんの少しの医療器具と無料サンプルの薬を詰めて出掛けていた。 今日では、この活動に賛同する人々資金援助によりたくさんの必需品を買うことが出来るようになった。

 映画制作者のジュリー・ソコロフは、ドキュメンタリーの映像を撮るためにジムと彼の仲間に2日間密着した。この短編ドキュメンタリーは先週ネイション・スウェルのウェブサイトで公開された。

Making House Calls, To People Without Homes

 ジムはこうも語る。「誰かが元気になれば、まわりの人すべてに影響を与える。ホームレスの人々も心身ともに健康になれば、道端を脱出する勇気を得る。健康管理はお互いの価値を認め合うコミュニティの真の構造である。我々はこのコミュニティの一員なのだ。」と。

 ジムのストリートプログラムは世界90か国に広がった。コミュニティの健康管理は、未来にとって信じられない位喜ばしい希望となるとジムは確信している。via:odditycentral・原文翻訳:LK

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この記事へのコメント 27件

コメントを書く

  1. 20年で1200人て少なくね?
    月一ペースかな?

    • -1
  2. アメリカ人の破産原因トップはぶっちぎりで医療費
    医療保険も何割かは出してくれるが、元が日本の10倍以上するので気休めにすぎないとか

    • -29
    1. ※4
      一晩みたら治る病なんてないだろう
      病院は患者の方から来るから人数捌けるだろうけど
      この人は自ら行くのだから

      • +8
    2. >>4
      お前根性曲がり過ぎて生きててつまらなそうだな
      人生楽しんだもん勝ちだよ?

      • +23
  3. 1200人という数に少ないとケチを付けるよりも
    20年間も続けてストリートプログラムが90か国にまで広がっている事を賞賛した方がいいんじゃない?

    • +22
  4. 立派な人だなあ
    医療費払えないおかげでホームレスになる人多いだなんてかわいそうすぎる
    なんとかならないの?

    • +26
  5. 普通に定期的にテントでも広場に張って無料診療した方がいいんじゃないか?
    効率的だし安全だしね
    スラムや裏路地でうろうろやってるといきなりズドンとやられそうだ

    • +33
  6. 仮設診療所に素直に来る人は教会や別の支援団体が提供する医療サービスが受けられる
    もんね、不十分とはいえ。行動に移せる人って尊敬するわ

    • -11
    1. ※10
      この医師が診ている人々はそういう公的な物に不信感を持っている人達
      なのでその様な事をしても来ない
      確かに人数を診ると云う事ではその方法が良いかもしれないが行った日
      に受診出来なかった人間が暴れる可能性もあるし、また金を持っている
      人間も行く様になると最悪病院の経営を阻害したとしてこの医師が解雇
      される可能性もありうるので現状ではベストではないがベターだと思う

      • +25
  7. その人と仲良くなるのに時間をかけているんだろうなぁ
    むしろそこに一番時間をかけているんだろうね

    • +7
  8. アメリカの医療制度も問題だよね・・・
    つーか何故それを改善しようとすると
    保険会社や医療機関以外の普通の人が反対するのか
    不思議・・・・保険に入ってる人も医療費が高額で
    金払えない現実があるのに不思議だ・・・・

    • +3
  9. ホームレスの方を診ることで得られる医学データも貴重な物が多いと思うよ

    • +11
  10. 薬じゃどうにもならない患者はどうしているのだろう
    流石に手術までするわけにはいくまい

    • +20
    1. ※15
      確かにその通りだよね。
      でも、こういう人が出てくる所に
      アメリカという国の底の奥深さを感じるんだよね。

      • +2
  11. ホームレスと話したことがあるけど、吐きそうになるぐらいの、ドブの様な何とも言い難い強烈な口臭持ちだったりする。俺は顔に出さないよう、顔に出したら気持ちの良いコミュニケーションじゃなくなるから必死でこらえた。それは涙目になりそうなぐらい、嘔吐しそうになるぐらい大変。そんなホームレスだって性格自体は普通の人だったりするんだよな

    • +4
  12. ホームレスしばいて遊ぶ餓鬼はこういう人を少しは見習え

    • 評価
  13. TPPの時に結局黙殺されたけど、日本の医療制度はなくさないでほしいね

    • +3
  14. 日本ではこういう活動は無理だろうな
    偽善だと断罪する人が多いだろうし、経歴から粗を見つけてなんとか社会的に叩きのめそうという勢いが強いだろうし

    • 評価
  15. こう言う医師は本当に凄いと思う。
    最初はホームレス達がただ助けを待つだけだと思ってそれはそれで変だろと思ったけど、よく考えたらアメリカは日本と違って医療費が凄いんだよね。
    難病の子供が寄付で助かる美談がある裏はその分ドス黒いね。

    • +8
    1. ※20
      ドブやアンモニア臭が口からした場合、肝硬変や肝臓がんなどの病気だと思うよ。呼気にその病気特有の臭いが混じってる状態。胃がんや肺がんでは卵(タンパク質)の腐った臭いがすることがあるよ

      • +5
  16. この天国に「聖人」がいないと嘆く日本人。
    あちらは地獄なんだよ。

    • +6
  17. 医療制度、
    日本は部分的に手厚すぎ、むこうは手薄すぎ。

    • 評価
  18. 歌手の中島みゆきのお父さんがこういう人だったらしいね
    彼は産婦人科医だったんだけど、お金がない人を診るから経営が成り立たなくて
    中島みゆきの実家はいつも火の車だったみたいだね
    別に中島みゆきは好きでも嫌いでもないが、立派なお父さんだよね
    もっと評価されてもいいんじゃないかしら?

    • 評価

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