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第一次世界大戦中、多くの兵士の命を救い、軍曹にまで上り詰めた犬、「スタビー軍曹」

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(著)

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 スタビ―軍曹は軍用犬である。第一次世界大戦中、自らの任務を全うし、今もアメリカで語り継がれている名軍曹である。

 彼は第一次世界大戦で米軍の軍用犬として大活躍したスタビー軍曹。彼は幾多の戦闘をかいくぐった。勲章までもらっているが、かつては迷い犬だった。1917年、エール大学のキャンパス付近をうろついているところを、J・ロバート・コンロイ兵卒に拾われたのだ。

 スタビーは、コンロイの所属する、第26ヤンキー師団第102歩兵部隊のマスコット犬になった。

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 スタビーは、歩兵部隊の訓練を見ていて敬礼の仕方まで覚え、マスコット犬として頭角をあらわした。だが、軍隊でイヌを飼うことは許されていなかった。

 米軍が第一次大戦に参戦し、いよいよヨーロッパに赴くことになったとき、コンロイはスタビーをこっそり軍艦ミネソタに乗せた。司令官は船の中でスタビーを見つけたとき、激怒したが、それもスタビーが国に献身を尽くして敬礼するのを見るまでだった。

 まるで犬がバスケの選手として活躍する映画『エア・バディ』の話のようだが、スタビーは実在した犬だ。それから、スタビーは102歩兵部隊と共に前線に行くことになった。最初は士気を高めるのが目的だったが、結果的に、スタビーは多くの兵士の命を救うことになったのだ。

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 下の写真は、第102歩兵部隊を撮ったものと言われているが、その真偽のほどは定かではない。だが、彼らが持っているガスマスクには、スタビーによく似た犬の絵がつけられている。やはり、スタビーは彼らのアイドルだったのだ。

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 スタビーは毒ガス攻撃によって負傷したが、手当の末回復した。スタビーは並外れたその嗅覚でガスを探知し、塹壕を走り回って、攻撃が迫っていることを味方に警告した。そのため、兵士たちはガスマスクをかぶる時間をかせぐことができ、スタビー用のガスマスクもつけてやることができた。

 スタビーはとても賢い犬で、話している言語によって、敵と味方を区別できた。また、負傷兵を見つけて軍医に知らせることもできたし、連合軍の塹壕をうろついていたドイツのスパイを捕まえたことすらあった。

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 スパイ逮捕の後、スタビーは軍曹に昇進したアメリカ史上初の犬となり、歴史にその名を刻んだ。専用のジャケットに捕虜にしたドイツ兵の鉄十字勲章をつけて、ほかの叙勲兵たちに囲まれたりしたこともあった。

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ジョン・パーシング総司令官からメダルを受けるスタビー。軍曹の風格が。

 スタビー軍曹と伍長のJ・ロバート・コンロイ。そう、スタビーのほうが飼い主より位が上だった。

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 終戦までに、スタビーは17の戦闘に参加したが、あるとき、手榴弾でひどく負傷した。

 スタビーが有名人?になったのも当然だ。休戦でフランスに駐留して帰国を待っている間、スタビーはウッドロウ・ウィルソン第28代大統領と面会している。ふたりは“握手”したと報道された。

 1920年、スタビーは共和党の全国党大会に出席。1921年には、ウォレン・ハーディング第29代大統領にホワイトハウスに招かれた。ふたりが握手したかどうかわは定かではないが、数年後、スタビーは再びホワイトハウスに戻って来て、カルビン・クーリッジ第30代大統領と面会している。

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スタビーと下士官のJ・ロバート・コンロイ。

 スタビーはアメリカン・ヒーローとして帰還。写真はパレードを先導するスタビー。

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 スタビーは米国在郷軍人会やMCAの生涯メンバーになった。J・ロバート・コンロイが、ジョージタウン大学法科大学院に行ったとき、スタビーはマスコットになった。現在、同大のマスコットはジャックという名前の犬だ。

 スタビーは1926年に永眠し、スミソニアン自然史博物館によって剥製にされ、現在は国立アメリカ歴史博物館に展示されている。

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References: Stubby's story: All about the iconic World War I 'war dog' ... and star of an upcoming animated film

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この記事へのコメント 65件

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  1. パレード先導してるのすごいサマになってていいな
    でも鉄十字章はがされて犬なんかにとられたドイツ兵かわいそう

    • +32
  2. なんで敬礼してる写真がないんですか(憤怒)!

    • +120
  3. 賢いなぁ。でも最後、剥製にしちゃったのか…。剥製ってどうも受け付けないんだよな

    • +117
    1. ※4
      ハチ公も剥製になってるしな。
      現在ならしないだろうから時代なんだろうなぁ。

      • +4
  4. 原文見るとコンロイさんはcorporalとあるので伍長さんやね
    下士官って訳すと軍曹より上になっちゃうよ
    Here’s Stubby and his owner/subordinate, J. Robert Conroy.
    主人にして部下のコンロイくらいでいいんじゃないかな

    • +12
  5. 人と同じ位を与えながら、末路は剥製か。
    所詮軍曹という名を与えても、動物は動物ってことだ。
    戦争の是非はおいておいても、人間の都合でいつ死ぬとも知れない地に連れて行かれ働かされた犬に少し同情する。
    犬に「誇り」という概念がある事を願う。
    それならきっとスタビー軍曹は幸せな一生だったと少しは思える。

    • +36
    1. ※7
      まぁスターリンという人間もいますしw

      • +1
    2. ※7
      犬に「誇り」という概念は多分あるよ。
      彼らは何か役目を果たした時、褒められる前から、自分は褒められるに値する行動を完遂したとわかっていて、得意満面の顔をするんだ。
      だから軍曹も戦友たちを何度も救い感謝されて尊敬されていることを理解して、それを自慢に思っていただろう。大統領に会ったとか、勲章とかは意味わかってないだろうけど。

      • +7
    3. ※7
      戦場だろうが、家庭だろうが、人間の都合で飼われていることに違いはない。

      • +3
    4. ※7
      犬は人間と遊んでる時と飯食ってる時が一番うれしいんだよ
      これは動物行動学の観点からも証明されている
      誇りとかそれこそ人間の勝手な思い込み

      • +3
  6. アーリントンに葬られたならイイハナシダナーできたんだがなあ

    • +41
    1. ※9
      世の中の人間すべてが犬好きってわけじゃないんでそんなとこに葬られなるのを受け付けない人だっているだろ
      この犬はすごいと思うけどね

      • -2
  7. 最後の剥製が非常に残念だ。
    映画にならないのかな?

    • +19
  8. 剥製ばっかりは本人の希望かどうかわからんよなぁ

    • +1
  9. 剥製にするのは犬も人間もあんまり変わらない。
    西洋では人間もミイラにして公衆の面前に晒すことなんてよくある。そういうところに罪悪感も悪印象も持たない。聖遺物の概念もあるから遺骸に対する信仰も篤い。
    良くも悪くも「メメントモリ」の文化なんだろう。功利主義の哲学者ミルなんか自分の遺体を自分の意思でミイラにして、首を落として足元に転がしている。ミイラを大学に展示して、後輩である大学生たちに自分の姿が見えるようにしてるんだとか。それを目にする学生たちは教訓や激励として受け止めるそうな。

    • +16
  10. 訂正。標本はミルじゃなくてベンサムだった。
    スミマセン。

    • +5
  11. 聖人や英雄が剥製、というかミイラになって廟に入るのはよくある話。
    でも博物館に入れられちゃうと標本扱いだもんなぁ…

    • +46
    1. ※18
      それは人間の勝手な考えだが救いがある事だね
      誇りがあろうがなかろうが人の勝手な思惑で連れて来られて
      命を危険に曝した上に別にそれが自分に利点があるわけではないわけで
      ただ犬も人と同じくパンのみに生きるにあらずというの更に親近感湧く
      そういう点では犬の方が人より人間らしいのかも

      • +4
  12. ハチ公みたいに伝記映画になっていないのかな

    • +11
  13. のらくろの元ネタだったりして?
    時代的に合うのかな?

    • +27
  14. 最後に剥製というところが…結局、最後まで国家はこの子をプロパガンダに利用しきったという感じがしてげっそりした。でもそんな思惑とは関係なく、スタビー軍曹が飼い主のコンロイさん始め、第一線で戦友たちと真摯な友情をもって生き抜いたのであろうこと、素晴らしく思います。今度は平和な世界に生まれておいで。

    • +8
  15. ハッピーエンドで良かった!けれど、敬礼姿見たかったね、やっぱり。

    • +8
    1. ※25
      まあ国家のプロパガンダって側面はあるんだろうけど、それよりやっぱり軍曹と永遠にお別れってのが戦友たちにとってつらすぎたんじゃないかと思う。
      10年前後って当時の犬としては平均的な寿命で亡くなってるけど、一緒に戦地を駆けた仲間としては感覚的に早すぎる。
      でもいつでもスミソニアンに行けば毛並みもそのままの軍曹に会えるってのは救いになったんじゃないかな。

      • +2
  16. 途中から断耳されてるように見えてしまう…

    • +5
  17. ヒトラーも第一次大戦中だったか犬に助けられた事あるんだっけ

    • +7
  18. 第一次世界大戦で活躍したフィリーという犬も居たけど、彼もまた死後剥製になってるんだよね。
    ttp://en.wikipedia.org/wiki/Philly_(dog)

    • +10
  19. 剥製云々は文化の違いだから、それでどうこう言うのは良くないよ。

    • +8
  20. これモデルにした「戦火の犬」が出たら絶対みるよ!

    • +3
  21. この子をモデルにしたドラマや映画ならとっくの昔にたくさん作られてるんじゃないの?
    と思って調べてみたらやっぱりある模様
    sergeant stubbyでググってみると海外の記事や動画が色々出てくるね

    • +9
  22. 最初の拾われるくだりとか、まさにイギーって感じだね。

    • +8
  23. アメリカお得意のプロパガンダなんだろうけど、動物が兵士の心を癒すのは事実だし、活躍したんだろうね。
    剥製は…仕方なかろうw昔の価値観だよw

    • 評価
  24. 記事自体はいい
    なんでわざわざコラまで作った

    • +2
    1. ※42
      ボストンテリアってWikipedia英語版には書いてあった

      • +2
  25. 剥製か。
    なんつーか死生観が違うのかな。

    • +17
  26. マスコット的存在だったのかな?殺伐とした戦場の清涼なんだろうな。

    • 評価
    1. ※48
      利点ならあるだろ、大好きな友達と別れずに済んだ。これは犬にとっちゃ最大の利点だ。
      もっと身も蓋もない話すると、彼と一緒に行けないなら動物の権利だの愛護だのなんて発想の薄かった昔のことだし、捨てられて路上生活に逆戻りしてすぐ野垂れ死んでたかもしれない。

      • +3
  27. 戦争ってこともあって賛否あるんだろうけど、写真を見る限り幸せそうな顔してるからいいんじゃないかな
    犬はすぐ表情に出てしまうからね
    しかし勲章が重そうだなあ…

    • +4
  28. 剥製があるということは、彼がそこに存在したということだ。
    そして今も、変わらぬ姿でそこに存在しているということだ。

    • +3
  29. 賢くて勇敢で元野良とかほんとにリアルイギーじゃん。犬種も同じボストンテリアって…
    もしかしなくてもモデルだったりする?

    • +6
  30. キリスト教は遺骸があれば最後の日に復活できるとされてる
    つまりスタビーも第102歩兵部隊の皆と仲良く生き返れるって
    宗教観なわけよアメさん的にはさ

    • +8
  31. 話の展開的に剥製にされました。ってのがオチみたいになっていて気になって仕方無い。

    • +1
  32. 飼い主どころか第二次世界大戦で徴兵された俺らの爺さん曾爺さんの大半より階級が高いワンコ

    • +9
  33. やれやれ、犬好きの兵隊どもを見殺しにゃあできねえぜ

    • 評価
  34. 軍曹か、カッコいいな。
    剥製は今でもなくなったペットを剥製にする人がいるそうだよ。
    自分は抵抗があるが価値観は色々だからね。

    • +3
  35. 剥製って気持ちわかるよ。
    もう本人は死んでいて、剥製処理しようが痛いわけでも辛いわけでもない。
    墓とかって生きてる人間の慰めのためだと思うから、ペットは剥製になった方が思い出のある人にとって癒しになるんじゃないかな。

    • +4
  36. 剥製はまぁしゃーないやろ
    少なくとも見世物とかそういうことじゃなくてその功績を讃えるための行為だと思うし

    • +3
  37. ちゃんと埋葬してほしかった・・・
    安らかに

    • 評価

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