先月26日、アリゾナ州フェニックス・コンベンション・センターで、「人造人間と言える物の完成への大きな一歩を踏み出した。」という発表がなされた。
米テネシー州ヴァンダービルト大学・統合生物学研究のゴードン・カイン博士とジョン・ウィクスウォー教授の研究チームが、多量の有毒化学物質に晒された時にリアルタイムに反応する人工臓器の開発に成功したのだ。
この研究は、ロスアラモス国立研究所(LANL)やアメリカ国防脅威削減局(DTRA)などが主導する、小型化した肝臓・心臓・肺・腎臓の4つの人造器官を1つのプラットフォームにつなぐ、”ATHENA (Advanced Tissue-engineered Human Ectypal Network Analyzer)”プロジェクトの一環として行われたものだ。このプロジェクトは1900万ドル(19億円)の予算と5年の期間をかけて行われている。
今回開発された人工肝臓にはバイオリアクターが埋め込まれており、各臓器にかかる負担や存在する化学物質等を検出する事が出来る。
製薬会社は毎年、様々な新薬の開発に取り組んでいる。細胞培養下では良い結果を残している新薬でも、いざ人間の体内に薬物を放ってみると、これまで予想もしていなかったような副作用が起こり、その段階で数多くの薬物が安全面を理由に棄却されている。やっとその段階にたどりついたものの、失敗に終わってしまう新薬の開発費用は10億円を超えるものもざらにある。
また、臓器のサイズも小さすぎては、臓器が臓器としての役目を果たさず、大きすぎては開発費用が格段に上がってしまう。研究チームは臓器が分泌する酵素等を計算し、臓器のサイズを決定する事で、これらの問題を解決した。
今回の開発された人工臓器による薬物検査システムは約20万円で作成可能で、四方15センチ前後のとても小さなものだ。この臓器は製薬開発における多額のコストを解消し、更なる毒物の薬効・活性を探し出すことにつながることも期待されている。
今回開発された人工肝臓は、年内にはハーバード大学が開発した人工心臓につなげる予定だ。翌年にはロスアラモス国立研究所が開発している人工肺、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の人工腎臓とつなげていく。
ATHENAプロジェクトの最終目標は、これらの人工臓器集合体に人工血液を流し、全てを機能させることができる能力を持つ「Homo Minutus」の開発にある。
via:vanderbilt・原文翻訳:riki7119
主要臓器がそろって血液も流れる。これに人工脳が加われば・・・アンドロイド、人造人間の時代はもうそこまで来ているのかもしれない。
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コメント
1. 匿名処理班
再生医療を一足飛びして人造人間かよw
2. 匿名処理班
たとえアンドロイドでも嘔吐機能ははずせないじゃん
3. 匿名処理班
つまりこのアンドロイドは悪酔いするということか…?
4. 匿名処理班
これが本当の
嘔吐マター
5. 匿名処理班
人型にする必要性が感じられない
人型は他分野に任せておけよ。なんだよ、そのもじゃもじゃ頭
ハゲにケンカ売ってんのか?
6. 匿名処理班
人造人間なら有害物質とか効かないようにしようぜ
7. 匿名処理班
すげぇー、エ○ァ作れるじゃん
8. 匿名処理班
食事ができる機能を持ったアンドロイドが出来たら画期的だが・・・・。