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犬は人と共に進化してきたことが判明(米研究)

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(著)

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 西洋には犬は「Men’s best friend(人間の親友)」という言葉がある。そんな人間と犬だが、これまで考えられていた以上に密接な関係性を持っていたようだ。ヒトとイヌの遺伝子を調べたところ、複数の遺伝子グループが何千年にもわたり並行して共に進化していたことが発見された。

 また、これまで、人間が犬を飼い始めたのは1万5千年前くらいと推測されていたが、実際はもっと古く、3万2000年前には既に共に暮らし始めていたようだ。ヒトとイヌの並行進化は環境の共有によって起きた可能性が高いという。

 シカゴ大学を初めとする国際研究機関から集まった研究者らは、ヒトとイヌの遺伝子の変化を調べた。その結果、食事や消化、そして神経学上の作用や疾病などに関連する遺伝子が同じように進化してきたことが判明した。

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 家畜化は人口密度の急激な増加と住環境の過密化に結びつけられることが多い。こうした不利な環境が選択圧力として働き、両者の遺伝子変化に繋がったのかもしれない。

 たとえば過密な状況でイヌがヒトと暮らすことで、比較的おとなしい方が優位に働き、イヌ科の動物はより従順性が増し、最終的に無条件の愛情を込めた無垢のまなざしを向けるペットになったのかもしれない。

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 また今回の論文では、イヌの家畜化が始まった地域について、中東という従来の推定と異なり東南アジアとする推論を示した。

 研究者らは遺伝子解析にあたり、ロシアと中国のハイイロオオカミ4頭、中国の野犬3頭、そして家畜化された育成種3頭(ジャーマン・シェパード、ベルジアン・マリノア、チベタン・マスティフ)を調べた。

 解析によって、家畜化に関係する遺伝子はどれか、どのくらい前に家畜化が起きたのかが明らかになる。また同時に、家畜化の期間に発生したイヌの遺伝子を調べ、ヒトの遺伝子と比較した。

 イヌの家畜化は2段階で説明されることが多い。第1段階はオオカミからイヌへの変化で、第2段階はイヌから育成種(繁殖犬)への変化だ。

 今回の研究で調べた中国の野犬を含む東南アジアの野犬は、世界の他地域の野犬と比べて遺伝子の違いが大きく、進化上は純血種のイヌとオオカミの中間の存在かもしれない。つまり中国の野犬がイヌ科動物におけるある種の「ミッシングリンク」になるということだ。

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 研究チームがイヌの遺伝子とヒトの遺伝子を比較したところ、セロトニンなど神経伝達物質の運搬やコレステロール生成、そして癌にまつわる部分が選択的に現われていることを発見した。

 異なる種の遺伝子に同じ部分が存在する現象は、自然界ではめったに発生しない収斂進化として知られるが、ヒトとイヌが同じ住環境を長年にわたって共有してきたと考えればそう不自然なことではない。

 ヒトとイヌは食習慣と行動に関する遺伝子を共有しているほか、肥満、強迫神経症、てんかん、そして乳がんなど一部のがんといった疾病に関する遺伝子も共有しているという。

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論文は5月14日発行のNature Communications誌に発表された。 via:nationalgeographic

 今回の研究で遺伝子解析にあたり、参照データを提供したUCLAのウェイン氏は「(彼らの研究が)完全な遺伝子データに基づいて行なわれたのは良かった」と語る。ほかの研究ではミトコンドリアDNAなど、部分的な資料に基づいているからだ。

 ただし、同氏はヒトとイヌ科動物の遺伝子比較について、注意を要すると警告する。中国とロシア以外のイヌ科動物についても遺伝子調査を行なうことで、イヌの家畜化が発生した時期と地域の特定に役立つだろうという。

 さらにウェイン氏は、今後ヤギやウマなど他の家畜動物とヒトの遺伝子を比較しなければ、ヒトとイヌの並行的な遺伝子進化が特有のものなのか否か判断するのは難しいと語った。

 とはいえ同氏は、今回の研究がイヌの家畜化に新たな一章を付け加えたと評価する。ヒトとイヌの古今物語は今はじまったばかりなのだ。

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この記事へのコメント 43件

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  1. 人は進化などしていない。
    初めからこの体と知能を持っていた。

    • -77
  2. 写真のチョイスがまたたまらんな…赤ちゃんとゴールデンの写真を最初に見たのはかなり前だけど今頃このふたりどうなっているんだろ

    • +22
  3. 泣いた。俺も脳内で犬を飼うことに決めたよ。

    • +17
  4. 下記が事実とすれば、
    ヒトとイヌとの間で遺伝子が平行移動したということか??
    (ウイルス等の関与で)
    ということは、このタイトルは片手落ちで、
    「ヒトもイヌと共に進化してきた」んじゃないのか?
    >異なる種の遺伝子に同じ部分が存在する現象は、
    >自然界ではめったに発生しない収斂進化として知られるが、
    >ヒトとイヌが同じ住環境を長年にわたって共有してきたと
    >考えればそう不自然なことではない。

    • -18
    1. ※4
      そうじゃないよ。
      「ヒトとイヌそれぞれがたまたま突然変異でその遺伝子を得た。その遺伝子を持つ個体が子孫を残せたのは生活環境において有益だったから。なぜ違う種で同じ遺伝子が有益だったかというと、同じ生活環境だったからと考えるのが妥当。」
      というのが今回の主張。食生活と行動に関する遺伝子なんてわかり易い例だね。他の遺伝子が同じなのにはどういう意味があるのかは今後の研究しだいだろう。

      • +4
  5. 人と犬が一緒に暮らすことで、ともに「退化した」説は聞いたことがある。
    内容は大して変わらんが、イヌがオオカミのネオテニーとして「退化」という表現になってたようだが。

    • 評価
  6. 炭水化物を消化する酵素は、狼にはないけど、犬にはああるんだよね。
    犬は人間の主食である炭水化物を大昔から与えられてきたって証拠。
    でも、上の人がコメントしてる
    >ヒトもイヌと共に進化してきた
    には、多いに同意。

    • +16
  7. 似た環境で生きてきたから体質も似通って来た、って事かな?

    • +9
  8. 自分の身体の一部といえるワンコと暮らしてた、全て通じ合ってて、これは経験しないと分からない不思議な宝物なんだよね。
    先月心臓病で亡くなったけど、本当に特別な子だった、次の子はとうてい迎える気になれない。

    • +5
  9. 猫と違って野生では生きていけないから人間が滅びたら道連れになるって話はよく聞くな

    • 評価
  10. きっと古い時代は野生動物が人間が生きる上で一番の脅威だったんだよ
    だから外を歩くときは鼻の効く犬を連れてたんだろうね

    • -1
    1. >>14
      オーストラリアのディンゴは人が運びこんで野生化した犬の群ですよ?
      >>9
      他のイヌ科動物(イタチやタヌキ)は炭水化物を消化できるから、オオカミも淡水化物遺伝子が優勢になってないだけで環境の選択圧が掛かれば短期間(とは言っても相当世代交代が必要)で発現するという説もある

      • +14
  11. これは別に進化ではない(小進化とは言えるかもしれないが)。
    むしろ基本的に何も変わっていないことを証明してしている。
    一見進化論を推進するような態度を採用しながら
    (とりわけ遺伝子という絶対的なものを振りかざしつつ)
    証明に至らず、単なる環境適応という範囲にとどまるのは
    キリストの言う「羊の皮をかぶった狼」ではないか。
    これは都市の発展と自動車の進化を論じるようなもので
    両者は全く別であるが、両者には相互関係があり
    強く影響しながら発展を遂げてきたわけである。
    しかしそれによってフォードT型が勝手に(偶発的に)
    サターン5型に進化することを検証するのとは違うわけである。

    • +4
  12. この話って突き詰めたら、そう遠くない未来には二足歩行の犬人間がいるかも知れないって事かしら? ドラゴンボールの世界みたいに… 無学な私に分かるのは、動画でうるっときて、犬はまさにベストフレンドだって事だけです。

    • +2
  13. 17が何いってんのかさっぱりわからんのだが、
    基礎的な生物学を理解してなさそうと言う事は、
    なんとなくわかった。

    • -30
  14. イヌの祖先はオオカミとは違うと思うって
    ムツゴロウさんが言ってた

    • -17
  15. 猫は愛玩動物(おもちゃ)
    犬は人の良き相棒ってことだな

    • 評価
  16. 日本犬の遺伝子検査ではニホンオオカミとの混血は認められなかった。
    つまり大陸産オオカミの中で人懐っこい(警戒心の弱い?)個体群が数万年間に渡る人間との共生で犬化。
    その後、人間と共に日本へ渡る。
    ⇒もともと日本列島に居たニホンオオカミと犬はかなり離れた種、って事じゃないか?

    • +1
  17. ドブネズミやゴキブリやショウジョウバエも
    きっと人間と供に進化してきたと思うんだ。
    いつも人間の身近にいるじゃないこのこたち。

    • 評価
  18. 今回の事で運営がかなり常識的だと言う事が解りました。
    不思議と謎はその常識が通用しない世界だし次元です。
    今後その常識がひっくり返る事が多く起きて来るでしょう。
    やはりサブタイトル変えた方がよろしいのではないでしょうか?

    • +6
    1. >>24
      いやいやネコもヒトとの共生の始まりは「ネズミを取ってくれる穀倉の守護神」だぜ?

      • +5
  19. すげー科学的な話の合間あいまに挟まってる写真はなんなんだよ
    顔がゆるんで話が頭に入らんわ!

    • +7
    1. ※25
      ニホンオオカミの遺伝子はどの標本から採取したんだろう? そもそも、それは本当にニホンオオカミだったんだろうか。ニホンオオカミの標本は2種以上が混じってると聞いたことがあるぞ。

      • +1
    2. ※25
      日本犬の川上犬はかつて勇敢な狩猟犬にするために
      ニホンオオカミと交配させたという伝説がある

      • +2
  20. 犬を飼いたい。
    おれ、もっとがんばる。

    • +5
  21. 1万年と、二千年前から愛してる~!
    3万年と、二千年前から大親友 ~ Uo・ェ・oU

    • 評価
  22. 一昨年から生まれて初めて犬を飼った。
    飼って思うことは「なんで今まで飼わなかったんだろう」だ。
    犬って自分の魂に凄くしっくりくるんだね。上手く言えないけど心の隙間が埋まるようだよ。
    人と共に進化したというより、犬が人に寄り添おうとした結果だと思うな。

    • +1
  23. 犬は人間とともに進化したというのに犬を食う隣の国ときたら…

    • -15
  24. ペットショップと捨てるような飼い主はさっさと駆除するべきだな
    早く免許制度みたいなの作って欲しい、免許自体は子供でも取れるようなものでいいから
    本当に大切にできる人と共にいられる時代がくるといいなぁ

    • +10
  25. この毛むくじゃら達は、人より人を愛してくれるんだね。
    家族の帰りを、毛の一本まで使って喜んでくれる。
    本物の純粋というものを見た気がした。
    純粋で、時にお馬鹿なんだけど。

    • +3
  26. 犬って頭いいよね。
    秋田犬が、飼い主がトラックにはねられた時に仇だと思ってトラックに突進したっていう話がある。

    • +1
  27. イーヌンかわいい。犬は縦社会、それさえ守れば最強の守護神であり、最高のトモダチになれる。 トモダチ作戦で助けられても後から賠償金を求められることはないし(照

    • +2
  28. そりゃ人に飼われる以外に安全に暮らせる方法はないからね
    蚕と同じ

    • 評価
  29. 昭和20~30年代の話だけどリードなし放し飼いで
    商店街にサイフ入れた買い物かごくわえていって
    一通り買い物こなす犬が近所からも愛されていたりした
    今じゃ考えられんが、実話

    • +5
  30. 「犬の十戒」ってどのくらい有名なんだろ?
    犬だけにかかわらず、ペットを飼おうとする人には全て読んで欲しい。

    • +6
  31. 世界一の犬好き国はウリ達ニダ
    叩けば叩くほど美味しい肉になるのを発見したニダ

    • 評価
  32. ホームレスの男性に抱かれて眠る犬の構図がぐっとくるわ。
    病める時も健やかなる時も、貧しい時も…
    コンパニオンドッグとは正にという感じ。

    • -1
  33. 日本犬にニホンオオカミの血は混ざってないんだ。あれでもオオカミに一番近い犬種って柴犬じゃなかった?どういうこと?
    一緒にいればいるほど人は犬っぽくなって犬は人っぽくなるのか。あと5億年ぐらい一緒にいれば交配すらできるようになっちゃうかもしれんね。

    • -6

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