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お父さんも子育てするよ。生物界きっての10種のイクメンたち

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(著)

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photo by Pixabay
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 動物の中には父親が積極的に育児に参加する種が数多く存在する。厳しい自然界の中にあって、子育ては種を存続させるのに大切な仕事だ。

 夫婦で子育てを行うには様々な理由がある。ここではそんなイクメンのパパたちの様子を見ていくことにしよう。

ヨザル

 南アメリカに生息するヨザルは、子育てのほとんどを父親が担う。ヨザルは決まったパートナーと生涯を過ごし、赤ちゃんを運び、毛づくろいするのは父親で、母親は授乳を担当する。この強力な一夫一婦の絆は、モノガミーと呼がれており、十分な食糧確保や子供の保護のために両親が必要な場合など、特定の生態学的条件の下で発達する場合が多いそうだ。

タツノオトシゴ

 オスの腹部には育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋がついており、メスが産んだ卵を稚魚になるまで保護する。育児嚢へ産卵されたオスは腹部が膨れ、まるで妊娠したような外見となる。オスの妊娠期間は10から25日で、約2000匹の稚魚がオスから放出される。

クリムネサケイ

アフリカ南部の砂漠に生息するクリムネサケイのオスは、一風変わった方法でヒナに水を与える。水場を見つけたオスは、腹部を浸して羽毛に水を含ませる。巣に帰るとヒナを呼び、濡れた羽毛を広げて水を飲ませる。効率よく蓄えられた量は最大約40ミリリットルにもなり、ヒナたちが10分間ほど飲み続けられるという。

Birds2 SandGrouse

コオイムシ

カメムシ目コオイムシ科に属する水生昆虫の一種コオイムシは獰猛な捕食行動で知られるが、子育てに関して言えばオスはとても献身的だ。

メスの方が大きい傾向があるのだが、小さなオスが、150個ものの卵を背負い、子どもたちが孵化するまで守り続ける。3週間ずっと脇目もふらずに卵を守り通し、カビの発生を防ぐため定期的に空気に触れさせたりするという。

BIRTH OF A WATERBUG

クロエリハクチョウ

南アメリカ南部に生息する、ハクチョウ属では最小の種のひとつ。一夫一婦制のこの鳥は子どもが生まれてから約1年にもわたり、お父さんが背中に子どもたちを乗せて常に傍にいて守ってあげている。

CISNE DE CUELLO NEGRO (Cygnus melancoryphus)

マーモセット

 マーモセットは、オスが赤ちゃんを背負うなど積極的に育児をし、特に生後1カ月は、その生活の7割以上の時間を赤ちゃんと過ごす。また、出産にも積極的に立ち会い、時に助産婦のようにメスの介護をし、生まれてきたばかりの赤ちゃんを舐めてきれいにする。子育て中のオスは、バソプレシンという物質を受けとめるたんぱく質が増加することが判明している。ソプレシンは、「きずな」「情愛」などとかかわりが深い信号を伝える働きを持っている。

“Sagui” – Cute marmoset monkeys, Brasil

アメリカレア

レアの内で最も大きい種であり、南米最大の鳥類。メスは繁殖期の間、複数のオスとつがう。オスは巣を1つ作り、複数のメスがそこに卵を産んでいく。最大50個の卵を6週間温め、孵化したヒナの面倒を見るのはオスの役目だ。ヒナを守るために攻撃的になるオスは、近づいてくる動物がいれば、たとえメスでも攻撃する場合があるという。

Nandu Rhea americana Santa Fe Argentina 2020

コヤスガエル

米国南西部・メキシコに生息するコヤスガエル(吠えガエル)は、オタマジャクシの過程を通らず、卵からそのままカエルの赤ちゃんが生まれてくる。メスが卵を産むとそれに覆いかぶさるようにしてオスが卵を守る。乾燥から防ぐ為、時には自分の尿をかけながら数週間にわたって守り続けるという。

Coqui Calling

ゴキブリ

悪名高きゴキブリだが、ゴキブリのオスはイクメンである。特に熱帯地方に住む木を食べるタイプのゴキブリ、クチキゴキ系のBlaberidae科のゴキブリは、オスが巣作りをし、子どもが生まれたらせっせとエサを運ぶ。

Blaberidae [Giant Cockroaches] – Madagascar Hissing Roaches Visual Overview

コウテイペンギン

コウテイペンギンは零下数十度の冬の氷原で繁殖を始める。このためコウテイペンギンは「世界でもっとも過酷な子育てをする鳥」と呼ばれることがある。オスは卵を足の上に乗せ、抱卵嚢(ほうらんのう)と呼ばれる両肢の間のお腹のだぶついた皮を使って卵を抱き温める。

オスは地吹雪が吹き荒れ-60℃になる極寒の冬の氷原上で身を寄せ合い65日間にも渡り抱卵を続ける。抱卵中のオスは雪を食べるしかない絶食状態となり、孵化する頃にはオスの体重は40%以上も減少してしまう。

 繁殖地へ移動した頃から数えると約120日間も絶食していることになる。夏にはヒナが生まれるが、メスがまだ戻ってきていない場合には、オスは食道から分泌した白色の乳状の物質(ペンギンミルクと呼ばれることがある)を餌としてヒナに与える。メスが海から戻ってくると、ヒナの給餌はメスが行うため、オスはやっと海に出て行けることになるが、遠い海までの道のりで力尽き死んでしまうオスもいる。

Baby Emperor Penguins Emerge from Their Shells | Nature on PBS

追記(2021/10/26)本文を一部修正して再送します。

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この記事へのコメント 24件

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  1. 背中に子供を背負う虫は他にも何種類かいるね
    コモリガエルなんかがそう
    蓮っぽくてかなりグロいから検索するのはやめた方がいいけどw

    • +1
  2. オタマジャクシの過程を通らないカエルがいたとは。
    生物に関しては、まだまだ知らないことだらけだ。

    • +4
  3. コウテイペンギンのオスは、本で読んだ事があるが本当に大変だよね。

    • +5
  4. タガメはメスが他のメスの子殺しをして自分の子孫を残そうとする。

    • 評価
  5. そういえば、人間のオスになぜ乳首はあるのかって話を思い出した。

    • +1
  6. コオイムシではなくアメリカタガメとは虚を突かれました。
    ちなみに国産タガメは流木などに産み付けられた卵をオスが守ります。
    メスは他のタガメの卵塊を見つけると破壊してしまいます。

    • +1
  7. 他だけちゃんと属科名があってゴキブリだけ種名にするのはとするのは印象操作だろ。
    オオゴキとかクチキゴキ系のBlaberidae科ってちゃんと入れてくれよ。
    たしかにキモいけどゴキが全部悪になる風潮はなんだかかわいそうだと思う今日この頃なのでした。

    • +6
  8. コオイガエルが出るかとガクブルしてた

    • +2
  9. 育てる子供がいない
    というか作る相手もいない
    さらにいえば出会う可能性もない

    • +1
  10. よーしパパ子育てしちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
    お前らな、150円やるからその子ども譲れと。
    自然界ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
    水飲み場の向かいに座った奴といつ共食いが始まってもおかしくない、
    食うか食われるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
    で、やっとページ見れたかと思ったら、管理人の奴が、イクメン、とか言ってるんです。
    そこでまたぶち切れですよ。

    • -18
  11. イクメンって気が向いた時に子供の遊び相手になるお父さんのことですよね。

    • +4
  12. 姪っ子に「おいちゃん寝てばっかり」とちょっと冷めた眼でたまに言われる…
    子供の相手してると5分で体力使い切るんだよ。ついゴロゴロしながら相手しちゃうんだよ。

    • 評価
  13. 「きっとアイツが居るんだろうなぁ」と身構えてたが出なかった。よかったよかった
    と思ったら関連記事に居 や が っ た よピパピパ

    • +5
  14. とにかく気持ち悪いモノを見ると背中から、串刺しにしたくなるクセは直そう

    • -1
  15. いいね。
    たまに「男は種を蒔くのが本能だから父性なんてない」とか言ってる野郎に見せてやりたい。
    なにが本能だか。

    • +11
    1. ※19
      地球上には多くの生物がいて種が違えば本能は異なるよね。もっともらしい屁理屈に惑わされないようにしましょう。

      • +2
    2. ※19
      ほんとそれ
      そういう奴って都合の良い部分だけで着飾る孔雀のオスや出産するタツノオトシゴは見習わない

      • +3
  16. マーモセット凄いな キングペンギン大変だなぁ…

    • +1
  17. レアとかエミューとかヒクイドリさんとか
    とべない大きい鳥も、メスは奔放に卵を産むだけでオスが育児するみたいね

    • 評価
  18. Gの方が人間のオスより育児面では有能なんだな…

    • 評価

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