この画像を大きなサイズで見るノルウェー北部のセンヤ島で、バイキング時代の女性が小さな船に愛犬とともに埋められた船墓が発見された。
埋められた時期は西暦900〜950年頃と推定され、船には豪華な装飾品や道具も一緒に納められていた。
調査を行ったノルウェー北極大学の考古学チームによると、女性は当時の上流階級に属していた可能性が高く、当時の人々が動物に深い愛情を抱き、飼い主と愛犬の絆が死後も大切にされたことを示す発見だという。
船に眠る女性と、足元に寄り添う犬
2023年、ノルウェー北部のセンヤ島で、金属探知機で探査していた愛好家が、地表から約20cmの深さで装飾ブローチと骨片を発見し、研究機関に連絡した。
その後、2025年6月にノルウェー北極大学の考古学チームが本格的な発掘を行い、全長約5.4mの木製の船の中に女性と犬、そして複数の副葬品が丁寧に収められていることが確認された。
女性の遺体は、膝を曲げて船の片側に寄せて横たえられ、腕は骨盤の前で組まれていた。
その足元には小さな犬の骨が残されていた。
ノルウェー北極大学に所属する考古学者アンヤ・ロス・ニーミ氏によると、は、女性の足元には小さな犬が非常に丁寧に配置されていたという。
バイキング時代の墓に動物が一緒に葬られる例はあるものの、船葬という格式ある埋葬の中で、このように明確な形で見つかるのは極めて稀な例だ。
この画像を大きなサイズで見る高い身分の女性だけが許された船葬
バイキング時代の船葬は、特別な地位を持つ人物にのみ許された埋葬形式だった。
ニーミ氏は「このような船葬が行われたのは、エリート層だけです。彼女は地域で重要な地位にあったと考えられます」と話している。
副葬品には、銀糸で装飾された青銅製の楕円形のブローチ、琥珀や骨で作られたビーズ、指輪型のペンダント、そしてクジラの骨で作られたと見られる織り剣が含まれていた。
これらの品々から、彼女が織物や家庭に関わる役割を担っていたことも示されている。
この画像を大きなサイズで見る保存状態の良さと将来の調査の意義
船の木材はすでに分解されていたが、北ノルウェー特有の石灰質の土壌と冷涼な気候により、大きな骨やブローチに接していた部分は驚くほど良好な状態で残されていた。
衣服の繊維の断片や、その他の有機物の痕跡も見つかっており、バイキング時代の服装や葬送文化を知る手がかりとして貴重な資料となる。
一方で、指や足先などの小さな骨は完全には残っておらず、砂にわずかに痕跡が残る程度だったという。
ノルウェー、スタヴァンゲル大学のホーコン・レイエルセン氏は、「この地域は骨の保存状態が良いことで知られていますが、今回のように明確な形で残っていたのは極めて珍しいケースです」と話している。
この画像を大きなサイズで見る骨が語る1000年前の人々の暮らし
今後はDNA分析や骨の構造分析を通じて、女性の年齢や身長、栄養状態、病歴、そして子ども時代と大人になってからの移動歴などが明らかにされる見込みである。
またこの発見は、バイキング時代の人々がいかに犬を大切にしていたかを物語っているという。
「当時の記録には、愛犬が病気になったとき、飼い主があらゆる手を尽くして世話をしたという話が残されています。バイキング時代の人々は動物と深い絆を築いていたのです」とニーミ氏は説明する。
ニーミ氏は、「この遺骨は単なる個人の記録ではなく、当時の社会全体の姿を照らし出す資料になります」と語っている。
この画像を大きなサイズで見るこの墓の周辺では、もう1つ別の楕円形ブローチも発見されており、近くに別の未発掘の墓が存在する可能性がある。
研究チームは今後、地中レーダーを用いた追加調査を行い、周辺の地中構造を詳しく調べていく予定であるという。
References: A Viking woman was buried here with her dog
















このバイキングの女性の死因はわからないけど、飼い主が死ぬときにタイミングよく愛犬も死ぬとは限らないよね
私もそれ気になってました。
飼い主ともども事故とかなら分かりませんが、元気なのに殉死させられてたら小さなワンちゃんが可哀想ですね
犬さん、、、
自分も記事を読みながら、あれ?と思った……
どうなんだろうね~
まったくその通り。
そこで大事になるのが、追葬の可否でね。
古墳でいう竪穴式石室の追葬不可と横穴式の追葬可の違い。
追葬不可の土葬で従者(犬)の現世を断ち切ってまで死後に備えるということは、死後の世界をかなり重要視してたということ。
「先に逝っててね。後で逝くから」とか「あの世でも家族だよ」という追葬が行われる日本の墓とは考え方が違うよね。どっちが良いとかじゃなくて。
ちなみに、「死後も権力を維持したいなあ」と一国丸々埋めたのが秦の始皇帝陵。さすがに従者は兵馬俑と形にしているけど(始皇帝陵は不老不死とか甦りの願いもある)
別の地域では、死人はミイラにしてたまに墓場から持ち帰って死んでからも現世で暮らすという形もあるよね。
埋葬方法を調べると各地の死生観とか文化がわかっておもしろいよ。
戦士でなければヘルヘイム(いわゆる地獄ではないことに注意)行きなので道中の警護用なのかも。高貴な女性なら尚更。
もしワンちゃんが道ずれにされていたとしたら、絆どころか恨まれるよな?
先に死んだ犬の骨を後生大事に保管してたのを一緒に埋葬した説。
骨加工する技術あるってことはそれくらいできるでしょ。
そうであって欲しい……
殉死の習慣もあったらしいからどっちもあり得るんよね。
足元なら追葬と思いたいけども……。