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フロリダの住民たちを襲い続けていた鳥、無事捕獲され保護施設へ移送される

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(著) (編集)

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Photo by:iStock
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 野生動物と人間の共存は、うまくいけば微笑ましいが、片方が攻撃的になった場合、その関係は一気に緊張に満ちたものになる。

 アメリカのフロリダ州ケープコーラルの住民を追い回し、ケガ人まで出していたカモ科、ノバリケンが遠方からかけつけた動物保護施設の男性に捕獲され、同施設へと移送された。

 静かな住宅街に突如現れた小さな「暴れん坊」によって、住民たちの穏やかな日常が一変した、まるで映画のような事件だったという。

 捕獲した男性によると、この鳥はもともと人間の手で育てられていた可能性があり、人を襲うようになったのは人と社会的なかかわりをもとうとしていたのかもしれないという。

突然現れて住民を襲いはじめた鳥

 2025年5月、ケープコーラルの住宅街に突如現れた1羽のノバリケンが、住民たちを襲撃し始めた。このノバリケンは、特に高齢者を狙って攻撃を繰り返す傾向があったという。

 被害に遭った住民の一人、ジェームズ・セプルヴェーダさんは、その時の様子を次のように語っている。

この時期、私は午後7時から7時半の間、玄関前のポーチに座って夕日を楽しむんです。その日も目を閉じていたら、突然手に突き刺さるような感覚があり、見ると血が出ていました。

 また、隣人のリチャード・ガイさんも、ジミーに追いかけられた経験を語っている。

私は立ち上がって音を立て、ノバリケンを追い払おうとしたんですが、次の瞬間、ヤツは羽を広げてこちらに向かって飛んできたんです

 さらに、取材に訪れた記者のベラ・ラインさんも、ノバリケンに追いかけられるという事態に直面した。彼女はノバリケンの「怒り」を直接体験したと報告している。

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フロリダでは外来種

 ノバリケン(学名:Cairina moschata)は、メキシコや中南米、テキサス州などに生息するカモ科の水鳥である。ノバリケンを家禽化したものはバリケンで、沖縄でも観音アヒルと呼ばれて食用に飼育されている。

 今回の舞台となったフロリダ州では外来種とされ、州南部には数千羽が生息しているという。

 繁殖力が高く、都市部の池や芝生のほか、民家の軒先や庭木などにも巣を作るため、急速に個体数を増やしているそうだ。

 フロリダ州の魚類野生生物保護委員会(FWC)によれば、ノバリケンは渡り鳥条約法で保護されている鳥だが、本来の生息域外にいるノバリケンは例外で、その巣や卵の「管理」が許可されている。

 つまり自然分布域外であるフロリダでは、合法的にノバリケンを飼育したり駆除を行うことができる。

 また、一度捕獲したノバリケンの再放鳥や、公共の場への移送は禁止されており、私有地で飼育するか、安楽死させるか、あるいは教育・研究機関へ寄付しなければならない決まりだ。

 住民たちはノバリケンと共存するために、できる限りのことはしてきたが、けが人が相次ぐような実害が出ては、これ以上放ってはおけなくなった。

 だがFWCのWebサイトを見ると、「FWCはノバリケンの駆除は行わない」と明記されている。駆除は土地の所有者自身、またはその依頼を受けた罠猟師が行わなければならないのだ。

ノバリケンは実際に人々に危害を加えているので駆除すべきだと思う。だが私は年金生活者で、罠猟師に依頼するのは難しいんだ

 ケガをさせられたセプルヴェーダさんはこう語る。ノバリケンに街から平和的に出て行ってもらうための良い策も思いつかず、事態は八方塞がりかに見えた。

Aggressive duck leaves Florida neighbors on edge

ニュースを見た保護団体が捕獲に成功

 だが、ここで救世主が現れた。ラインさんの報道を見たRemarkable Rescuesという保護団体が、ノバリケンの捕獲を引き受けてくれたのだ。

 Remarkable Rescuesのスタッフ、マーク・クアドロッツィさんは、約300km離れたフロリダ州オカラからケープコーラルに駆けつけると、早速ノバリケンの姿を探し始めた。

 そして1時間近くの捜索の末、クアドロッツィさんは民家の脇でノバリケンを発見。無事に捕獲することに成功した。

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ノバリケンは人の手で育てられていた可能性

 クアドロッツィさんは、このノバリケンはまだ若く、おそらくは人の手で育てられたのだろうと分析する。

これは若いオスで生後3~4か月です。だからこんなに子供っぽいんですよ。人間に育てられた可能性が高いです。くちばしで突くような行動も、彼なりに人間と“社会的な関わり”を持つつもりだったのかもしれません

 ノバリケンは「ジミー」と名付けられ、クアドロッツィさんと共にオカラにあるRemarkable Rescuesへ向かった。今後は他のノバリケンたちと一緒に、施設内で生活することになるそうだ。

‘Mission accomplished’: Aggressive Cape Coral muscovey duck won’t be bothering neighbors anymore

References: 'Mission accomplished': Aggressive Cape Coral Muscovy duck won't be bothering neighbors anymore

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この記事へのコメント 11件

コメントを書く

    1. カモ科って、クチバシに歯みたいなギザギザついてるもんね
      たぶんバリケンもあるんじゃないかなー
      水中の食べ物を濾し取るためっていうけど、別な用途もあるって事だよね

      • +2
  1. 生後3~4ヶ月ならそんなに遠くから来たのではない?
    捨てられたか、迷子か…….
    保護施設で仲間たちと幸せになってね♥️

    • +19
    1. 家禽化されたバリケンですら何キロも飛べるよ。 ノバリケンならカルガモレベルで飛ぶかと。

      • +1
  2. 自分も昔カラスに襲われたことがあるけど鳥は攻撃性が高い生き物なのかな

    • +1
    1. カラスは近くに雛がいたりすると襲います。事前に枝を落としたり警告するけど知らない人は気付かないかも。
      攻撃性だと哺乳類のが怖いです。

      • +14
    2. カラパ&マランダーの過去記事にけっこうあるね バードアタック(他人事なんで、コメント込でお腹がよじれる)

      個人的には幼稚園時代、ハクチョウに何かよこせと恐喝された

      つつかれてかなり痛かったけど、クツの上からで先方も加減していた

      バレエのイメージだったんで、痛みより落差がショックだった・・・

      • +4
  3. 人と社会的な関わりを持とうとして攻撃していたのでは、か……
    人間でもそういう人いるよなあ、攻撃することでしか他人と社会的な関係が築けない人。
    背景には虐待があったりするから、こういうのはほんとやるせない。

    • +5
  4. 保護動物も地区を離れればそうじゃないなら野生の群を誘導すればいくらでもなんでもできるザル法だよな

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