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オーロラの中に出現した白い光の筋、その正体は?(アメリカ)

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(著)

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オーロラ発生時に出現した白い光の筋この画像を大きなサイズで見る
Photo by Mike Lewinski / Flickr CC BY 2.0
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 2025年5月17日未明、アメリカで地磁気嵐に伴うオーロラが発生した。その最中、空を垂直に引き裂くような明るい白い光の筋が突如として現れ、空を見上げていた人々を驚かせた。

 オーロラと白い光。2つの現象が交錯した結果、幻想的でありながら、どこか不気味さを感じさせる。この謎の白い光の正体は後に明らかとなる。

オーロラとともに現れた謎の白い光

 コロラド州クレストーンの空で、2025年5月17日未明、まっすぐな白い光が突如として現れ、ゆっくりと地平線へ向かって流れていった。

 夜空には、北の地平線近くにオーロラがぼんやりと揺れていたが、それとは明らかに異なるこの光の筋に、多くの観測者が目を奪われた。

 以下の映像でその様子が確認できる。

 以下は、コロラド州クレストーンで撮影をしていたマイク・ルウィンスキーさんによる映像だ。彼は「オーロラが揺れていたとき、白く明るい光が現れて地平線へと向かっていった」と語っている。

 この夜に出現したオーロラは、5月12日に太陽の北半球で発生したフィラメント爆発によるものだった。

 この爆発によりコロナ質量放出が起き、その一部が4日後に地球へ到達。これが中程度(G2クラス)の地磁気嵐を引き起こし、その結果としてオーロラが発生した。

 フィラメント爆発とは、太陽の表面に長く横たわる濃いプラズマの帯(フィラメント)が、磁場の不安定性によって突発的に噴き上がり、宇宙空間に放出される現象を指す。

 コロナ質量放出(CME)は、そうした爆発によって太陽の外層(コロナ)から大量の荷電粒子が高速で放出される現象で、地球の磁場に影響を与えると、通信障害やオーロラの発生につながることがある。

 そしてこの夜、もっとも注目を集めた明るい白い光の筋も自然現象の一部かと思われたが、実は全く無関係のものだった。

白い筋の正体は中国のロケットの燃料放出によるもの

 当初、この白い光の筋を、一部の観測者は「スティーブ(STEVE)」という稀な大気現象だと考えた。                                                                  

 スティーブは、オーロラのように見えることもあるが、別のメカニズムで発生する大気中の光で、細く紫がかった帯状の発光が特徴である。

 地球の中緯度地域でもまれに観測され、オーロラとは異なる高層大気の流れと粒子の加熱が関係しているとされている。                      

 しかし、今回の現象はそれとは異なっていた。

 その正体は、中国のランドスケープ社(Landscape)が打ち上げたロケット「朱雀二号E型(Zhuque-2E)」によるものだったのだ。

 Spaceweather.comによると、ロケットは2025年5月16日午後、中国の酒酒泉衛星発射センターの第96発射台から打ち上げられ、6基の人工衛星を軌道に投入したという。

 およそ1時間後、ロケットの上段ステージがアメリカ上空を通過し、その際に軌道調整または衛星分離後の脱軌道操作によって燃料が放出された。この燃料放出が、空に広がる明るい白い筋となって観測されたのだ。

 天文学者のジョナサン・マクダウェル博士はXで、この白い光が朱雀二号の上段ステージからの燃料排出によるものであることを確認した。

 この燃料排出は、高度約250kmの上空で行われたとされており、観測者たちにとってはまるで空に新たな雲が出現したかのように見えた。

アメリカ南西部の広範囲で観測される

この現象はアメリカ南西部の広範囲で観測され、多くの写真家たちがその瞬間を記録している。

 ニューメキシコ州ファーミントンの北緯38度付近でオーロラを撮影していた写真家のデリック・ウィルソン氏は、Galaxy S24 Ultraでタイムラプス撮影をしていた際、上空に現れた強烈な光を目撃し、Xに投稿した。

 また、カンザス州南部で観測していたタイラー・シュリット氏も、当初はスティーブだと思ったが、過去にも同様の現象を見たことがあり、ロケットの燃料排出によるものであると納得したと述べている。

 今回のように、ロケットの上段ステージが高高度で燃料を放出することにより、空に明るい筋や雲が現れる現象は過去にも報告されている。

 たとえば、スペースX社のFalcon 9ロケットは、、第一段ロケットを再突入させる際、重量を減らすために残っていた燃料を上層大気に投棄した結果、2025年3月24日の夜、ヨーロッパ各地の夜空に、青と白に輝く渦巻き模様を作り上げ、UFOと誤認させた事例がある。

 だが今回のようにオーロラという特殊な自然現象と、宇宙開発による人為的な現象が重なって観測されるのは極めて珍しい。

追記(2025/05/21)本文に2025年を誤って2015年と記載していた部分を訂正して再送します。

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

オーロラとロケットの燃料排出による光が同時に見えるなんて、この時観測していた人はかなりエキサイティングだったろうね。どちらもまだ見たことがないのだけど、どっちか見られるならやっぱり自然現象であるオーロラの方がいいかな。火球も捨てがたいな。ロケットや宇宙デブリ系のやつはいろいろ勘違いしちゃうから見なくてもいいかな。

References: Mysterious white streak spotted over US skies during surprise aurora storm. What was it?

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この記事へのコメント 6件

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  1. 流れ星でもオーロラでもいろんな事象を見てみたいです。 こんないいタイミングならほんと見たかった

    • +2
    1. 1年前、ものすごく長く見え続けた流れ星に見惚れて、見えなくなって数分後にしまった!お願いするの忘れてたぁ!ってなったマヌケが通りますよ。

      • +3
  2. 神秘的…….
    実際見たらビックリだろうなぁ~

    • +3
  3. 酒酒泉から打ち上げられたんやから放出されたのは当然アルコールやな

    • 評価
  4. ロケットの高度にもよるんだろうけど、こんなに空いっぱいに流れるのね

    • +2

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