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インドネシアの自然の生息地で生きたシーラカンスを撮影することに成功

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(著) (編集)

公開:

モルッカ諸島沖で発見され、撮影に成功したシーラカンス
The Return of the Coelacanth – UNSEEN Expeditions – Blancpain
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 「生きた化石」として知られる古代魚、シーラカンスは確かに生きていた!インドネシアのモルッカ諸島沖の水深約145mで、フランスの海洋探査団体が、自然の生息環境で優雅に泳ぐシーラカンスに遭遇し、撮影に成功したのだ。

 現在、生存が確認されているシーラカンスは2種で、今回発見されたものはそのうちの1種、インドネシア・シーラカンス(Latimeria menadoensis)だ。

 これまで、この種はスラウェシ島の固有種とされてきたが、モルッカ諸島にも生息することが確認されたのは史上初めてのことだ。

 今回の発見は、絶滅危惧種であるシーラカンスの保護に向けた大きな一歩となるとして注目を集めている。

 この研究は『Scientific Reports』(2025年4月23日付)に掲載された。

恐竜よりも古い、生きた化石「シーラカンス」

 シーラカンスは、恐竜よりもずっと昔の時代、約4億年前の古生代デボン紀にその祖先のグループが地球上に現れたとされているとされている肉鰭類(にくきるい)に属する硬骨魚類の仲間だ。

 現在まで生き残っているのは、その長い進化の過程で生き延びてきたごく一部の系統であり、私たちが見ることのできる現存するシーラカンス類は、祖先によく似ているが、種としては別の魚である。

 彼らが属するシーラカンス目(学名:Coelacanthiformes)の化石は、白亜紀(約6600万年前)を境に見つからなくなり、それ以降の時代からの記録がなかったためだ。このため、恐竜と同じ時期に絶滅したと広く考えられていた。

 しかし1938年12月22日、南アフリカ共和国のチャルムナ川(Chalumna River)沖で、地元の漁師が偶然に捕まえた魚が、大きな注目を集めることになる。

その魚に気づいたのが、イーストロンドン博物館の学芸員マージョリー・コートニー=ラティマー氏だった。

 ラティマー氏から報告を受けた、南アフリカ・ロードス大学の生物学教授J. L. B. スミス博士が詳細を調べた結果、その魚は、絶滅したと考えられていたシーラカンス目の仲間に属することがわかった。

 この魚は「ラティメリア・カルムナエ(Latimeria chalumnae)」と命名された。

 学名は発見に関わったラティマー氏と発見地チャルムナ川にちなんで名付けられたものだ。これが、現存するシーラカンスとしての第1号の学術的記録となった。

 以降、この種は南アフリカ沿岸からインド洋西部、特にアフリカ東岸沖にあるコモロ諸島周辺の海域にのみ生息していることが確認されている。

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1938年に発見された現生種のシーラカンス、ラティメリア・カルムナエ(Latimeria chalumnae):WIKI commons / CC BY-SA 3.0

 さらに、1997年にはインドネシアのスラウェシ島近海で、もう1種の現生シーラカンスが発見された。

 こちらは「ラティメリア・メナドエンシス(Latimeria menadoensis)」と名付けられ、「インドネシア・シーラカンス」と呼ばれている。

 この2種はいずれも、見た目や骨格などが太古の化石種とほとんど変わっておらず、「生きた化石」という異名がついているのだ。

 両種とも絶滅が危惧されており、IUCNレッドリストにおいて、ラティメリア・カルムナエは「近絶滅種」、ラティメリア・メナドエンシスは「危急種」に分類されている。

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今回発見されたのはインドネシア・シーラカンスと呼ばれるラティメリア・メナドエンシス(Latimeria menadoensis) image credit:© Alexis Chappuis, ‘Scientific Reports’ // CC BY-NC-ND

モルッカ諸島で、インドネシア・シーラカンスの撮影に初めて成功

 今回スイスの高級時計メーカー「ブランパン」の支援を受けたフランスの海洋保全団体「UNSEENエクスペディション」のアレクシ・シャピュイ氏らが撮影に成功したのは、「インドネシア・シーラカンス」の方だ。

 2024年10月のこと、シャピュイ氏はモルッカ諸島近海で水深144mにまで潜り、体長1mほどのインドネシア・シーラカンスに遭遇。これは、かつて発見された浅瀬(15m前後)とは異なり、彼らが本来生活している深さでの初めての記録だ。

 これまで、スラウェシ島の固有種と思われていたインドネシア・シーラカンスが同諸島にも存在することが史上初めて明らになった瞬間でもある。

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ダイバーの前にはシーラカンス! image credit:© Alexis Chappuis, ‘Scientific Reports’ // CC BY-NC-ND

 2020年以降、ブランパンはシャピュイ氏率いるUNSEENエクスペディションと国際的・現地パートナーとのパートナーシップを支援し、これまで人間が足を踏み入れることのなかった「メソフォティックゾーン」(水深30~150mの光が乏しい環境)の調査を進めてきた。

 そして今回の発見は、モルッカ諸島の海にもインドネシア・シーラカンスが存在することが確認されただけでなく、このような深さで確認されたことで、生息域がこれまで想定されていたより広いことを示しているという点でも重要なものだ。

 今後の生息範囲の特定や、個体数の推定がより正確になると期待されている。

 シャピュイ氏らは論文で、「新たなモルッカ諸島のシーラカンス個体群について議論するには時期尚早」としつつも、「モルッカ諸島はスラウェシと西ニューギニアの間に位置するため、この広域に生息するのがたった1個体だけとは考えにくい」と説明する。

 このことは、東インドネシア海域の海洋生物多様性がきわめて豊かであることを伝えるとともに、そこに生息する生き物を人間の活動から守る必要性を浮き彫りにしているとのことだ。

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編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

シーラカンスには夢とロマンがありあまる。デボン紀に登場したオリジナルのシーラカンスの直接の生き残りではないけれど、ほぼ姿が変わらないまま現生でまた出会えるなんて、素敵すぎじゃないか。特別な進化をすることなく適応できている時点で神に近い存在だ。彼らの生態系を荒らすことなく未来永劫存在し続けて欲しい。

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この記事へのコメント 21件

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  1. ラティマ―さんに必死で頼まれて標本=死骸を運ばされた
    タクシー運転手はトランクをドロドロに汚されてキレまくってた
    みたいだけど、あんたも世紀の大発見を支えた立派な立役者だよ。
    ラティマ―さんは最愛の人が若くして亡くなったから生涯未婚。
    ラティメリア=シーラカンスの歴史は何もかもロマンチックすぎる。
    アニメ化してくれ。

    • +13
  2. 長く生きている人ほど
    「生きたシーラカンスを確認」って報告は
    感慨深いものがあるんじゃないだろうか

    ニホンオオカミほどじゃないにしても
    ほんとにまだ生きてんのか?って印象があった

    • +17
  3. これかな?
    NHKでしばらく新旧のシーラカンス特番やってた
    新しい奴は、深海にある断崖に集まる姿を撮影
    10頭ほどの群れで、いままで群れは捉えられたことはなく
    ヒレの動きで姿態を制御しているのも初めて
    さらに逆立ち泳ぎしていて、繁殖行動にかかわるとも

    • +30
    1. 旨味を感じない上に食感も水に漬けた歯ブラシだのゴムだの酷い評価らしいね
      ダメ押しにワックスエステルを含むので消化できず腹を下す念の入り様だ

      • +9
  4. もっと古い時代から特に姿を変えずに全海域で繁栄してきたサメってすごい生き物なのでは

    • +11
  5. なぜかロマンをかき立てにくいカブトエビ

    • +10
  6. 髭爺の番組で日本人主導でやってたのに何でフランスの手柄???

    • +3
  7. 生きスギィ(≧Д≦)
    ロマンありスギィ(≧Д≦)

    • +2
  8. 私もNHKで観た。
    日本人が中心になってやってたやつよね。
    あんなに大きな魚が今まで見つからなかったこともロマンを感じる。
    強面の巨大古代魚だけど、泳ぐ姿はヒレをヒラヒラ動かしておっとりのんびり。ダイバーや潜水艇が近づいても逃げたり襲って来たりしない。
    「あら、いらっしゃい」みたいな風情。
    泳ぐ姿を水族館とかで直に見てみたいけど、あんな風にひっそり、でも確実に生きていた彼等をそっとしておきたいとも思う。

    • +11
  9. 論文の執筆者にSink, KerryもIwata, Masamitsuもいらっしゃいませんね。別口?

    • +2
  10. シーラカンスのぬいぐるみと毎日寝ている…(っ´ω`c)

    • +5
  11. インドネシアで
    生きた化石と言えば・・
    夫人じゃないですか!

    • +1
  12. 大昔に少年ジャンプでシーラカンス食べてみた特集とかやってたかすかな記憶が。

    • 評価

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