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モノマネ上手のセキセイインコの発声の仕組みは人間に近いものだったことが判明!

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(著) (編集)

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Photo by:iStock
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 インコやオウムなど、鳥の中には驚くほどの人間の声マネが上手い仲間がいる。新たな研究によると、そうした鳥たちの脳が、人間の声を司る領域と同じように働いていることが明らかとなった。

 ニューヨーク大学ランゴーン・ヘルスのマイケル・ロング博士らの研究によると、セキセイインコの脳には人間の言語中枢と似た構造があるという。

 人間と同じように「鍵盤」のように発声が音と結びついており、それを組み合わせることで、あらゆる音を脳内に記録しておくことができるんだそうだ。

モノマネ上手なセキセイインコ

 ペットとしても人気のある「セキセイインコ(Melopsittacus undulatus)」は、もともとオーストラリア原産の鳥だ。

 鮮やかなグリーンが美しいが、和名のセキセイとは背黄青のこと。最初に伝わった個体の背が黄と青だったことから、そう呼ばれるようになった。

 野生のセキセイインコは、オーストラリア内陸部の乾燥地帯で群れを作り、その歌声で仲間とコミュニケーションを交わしながら生きている(生来の社交上手なようで、びっくりするくらい人懐っこい)。

 だがペットのセキセイインコでよく知られるのは、その類稀なるモノマネ能力だろう。この鳥は鳥だというのに人間の言葉を覚えて、それを真似るのだ。

 その記憶力もバツグンで、米国で飼育されていたパックという名のインコは、1728語もの単語を覚えて、1994年ギネス世界記録に認定されている。

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Image by Anil sharma from Pixabay

セキセイインコがどうやって声を出しているかを調査

 はたしてセキセイインコは、どうやって人間の声を真似ているのか?

 今回、この謎を解明するために、ニューヨーク大学ランゴーン医療センターのマイケル・ロング氏らは、セキセイインコの脳の鳴き声を司る領域に電極を移植し、モノマネの際の脳の活動を記録している。

 鳥の声は、喉にある「鳴管(めいかん)」という器官によって作られている。

 セキセインコの脳がこの器官をどうやって操作しているのか観察すれば、そのモノマネの才能を知るヒントが得られるかもしれない。

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Unsplash

声を司る脳の領域は人間の脳と同じように機能していた

 そこから明らかになったのは、セキセイインコの脳の働きが人間によく似ているということだ。

 比較のために調べられた「キンカチョウ」というモノマネをしない鳥の場合、歌声は複雑で解読不能な神経活動の配列によって脳内に記録されているようだった。

 ロング氏は、キンカチョウの脳波を見ても、何が何だかさっぱりわからなかったという。その脳から”音符”のようなものはまったく読み取れず、「バーコード」のようだった。

 キンカチョウは確かに複雑な歌を学ぶことができる。だが、その脳活動を観察する限り、学んだ歌をアレンジしたり、即興で歌ったりすることは得意ではないようだ。

 ところが、人間やセキセイインコの脳の働きは、機能がはっきりとした”モジュール(部品)単位”で構成されているという。

 たとえば人間なら、唇や舌の筋肉の特定の動きが特定の神経パターンと結びついている。

 実際、その関係はかなりはっきりしているので、神経パターンからどのような言葉を話そうとしているのか解読しようという試みもある。

 セキセイインコも同様で、鳴き声の音色に応じた神経細胞がある。ロング氏によれば、「個々の脳細胞が子音や母音の音を鳴らしている」かのようで、楽器の「鍵盤」を思わせるという。

 これらを組み合わせることで、基本的にどんな声でも脳内にプログラムしておくことができる。どうやら、これが彼らのモノマネの才能の秘訣であるようだ。

 その神経活動は、鳴き声ときわめて密接に連動している。そのため、たった5つの神経細胞が発するシグナルから、鳴き声の揺らぎ周波数をほぼ正確に描き出すことまでできたという。

 ロング氏によれば、人間以外の動物で脳と声との関係が記録されたのは史上初のことであるそうだ。

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Image by Josef Stückel from Pixabay

鳥の歌声の研究が人間が声を取り戻すヒントに

 ロング氏らは今後、セキセイインコの脳内で”鍵盤”を演奏していると思われるより高次の領域を特定しようとしている。

 たとえば、セキセイインコはどのようにして音を選択し、それ以外の音を出さないようにしているのか? またセキセイインコはそれによって何を伝えようとしているのか?

 こうしたモノマネが得意な鳥の脳を調べることで、いずれは失語症のような人間の言語障害を治療する新しい方法につながる可能性もあるとのことだ。

 この研究は『Nature』(2025年3月19日付)に掲載された。

References: Nature / Popsci / Interestingengineering

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この記事へのコメント 13件

コメントを書く

  1. セキセイインコ、子供の頃数羽飼ってました。
    黄色、黄緑色、水色のコたち。
    あまり言葉を教えなかったけど、自分の愛称や人がチッチッチと呼ぶ音を覚えてさえずりタイム?に使ってたのを思い出して懐かしくなった。
    可愛いかったなー

    今は猫がいるので飼えないけど、ペットショップで眺めて癒されてます。

    • +14
  2. インコってモノマネだけじゃなくて言葉の意味を理解してるんじゃないか?ってことがたまにある。
    別にこっちが何も言わないのに朝にはオハヨー、夜はオヤスミと言ってる。時間の感覚もあるから、頭がいいんだろうな。

    • +35
    1. 鳥の会話を特集してたテレビを観てたら
      単語とか文法を使って鳥同士が会話してた。

      同じ頭の使い方で短い文章だったら
      インコさんも人間の言葉も理解してそう。

      • +20
    2. わかる。しかも覚えた言葉を異なる状況で意味が通るように応用する。家を出るときにオカエリと喋って遊んでムーブをするし離れると声のトーンが下がるから毎朝後ろ髪を引かれる思いだった。

      • +13
    3. 飼い主「行ってくるね」
      セキセイ2羽「「イッテラッシャイ!!」」
      ていう動画を見たことがある。
      オウム返しじゃなくてコールレスポンスしててた

      • +10
  3. 言葉を持たない動物もけっこうな記憶があるけどどうやって記憶してるのかさっぱり見当がつかない

    • +4
  4. インコの脳の仕組みは人間と似ているが咽喉の仕組みは似てないのだな

    • +4
    1. そんな一部のヒトより
      インコの方が賢いことがよくわかった。

      • -2
  5. うちのインコ、脱走して他所の家に保護されたことがあるんだけど、通りかかった兄に向って大声で「自分の名前」を連呼して知らせ、無事に帰還したことがある。
    彼らの知能は、一部の「専門家」が言うより凄いかもよ。

    • +29
  6. 随分昔でしたが、ヘリウムガスで九官鳥と、インコか、オウムで発声の変化をみる実験をテレビ番組で見たことがありました。インコ、オウムは声質が高くなり、九官鳥は変化無しで発声の仕組みは人間に近いのではとの見解でしたが。

    • +1
  7. 初めてコメントするのに細かい話で恐縮なのですが
    >鮮やかなグリーンが美しいが、和名のセキセイとは背黄青のこと。最初に伝わった個体の背が黄と青だったことから、そう呼ばれるようになった。
    黄色と緑ではないでしょうか?
    信号機の青信号が今の表現だと緑というように
    青ではなくて緑ではないのかなと思いました

    • +1
  8. うちのセキセイ、私が「うんちじゃん」とか言いながらティッシュで拭いてたら、ティッシュ齧って遊びながら「ウンチー!」とか「ウンチジャン」とか呼びかけるようになったよ
    「ティッシュだよ」と改めて伝えたらティッシュへの呼び掛けに「ティシ!」が混じるようになった
    咳とかクシャミすると一人遊び中でもすぐ様子見に飛んでくるし、いつも観察されてる心地がするw

    • +8
    1. 咳はヤバいので注意してほしい、真似されるんだよ
      具合の悪い人が居るみたいになっちゃう
      いかついおっさんの咳払いとかなら防犯の役には立つと思うけど

      • 評価

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