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オーストラリアの1400年前の謎めいた「地のリング」の正体が判明

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1400年前に作られた地のリングの航空写真 image credit: Caroline Spry et al., Australian Archaeology (2025)
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 オーストラリア南東部、ビクトリア州の州都メルボルン郊外にあるサンベリー地域には、丘の上に浮かび上がるように広がる、ミステリーサークルのような巨大な円形の地形がある。

 「地のリング(earth rings)」と呼ばれるこの地形はこれまで5つ発見されており、自然によってつくられたのか?人間が作ったものなのか謎に包まれていた。

 最新の研究によると、地のリングは、自然形成されたものではなく、数百年から千年以上前、何世代にもわたる人々の手によって築かれたものであることが明らかとなった。

 ここは、先住民であるウルンジェリ・ウォイウルング族の伝統的な領土で、彼らの祖先が築いたこのリングは、古くから神聖な儀式や文化的な活動に使用されてきた可能性があるという。

地のリングの本格的な調査が開始される

 2022年、ウルンジェリ・ウォイウルング族の人々が主導する形で、ビクトリア州メルボルン郊外のサンベリー地域にある「地のリング(earth rings:アースリング)」に関する考古学的調査が行われた。

 特に「サンベリー・リングG」と呼ばれる地のリングに焦点が当てられた。

 このリングは、ウルンジェリ・ウォイウルング族の2つのクラン(氏族)、マリン・ブルク族とウルンジェリ・ウィラム族の境界近くに位置し、彼らが集まり儀式を行った神聖な場所と考えられている。

 実はこのリング、1979年に考古学者のデイビッド・フランケル氏が初めて発掘調査を行ったのだが、それ以降の本格的な調査は行われておらず、今回の研究が40年以上ぶりの再調査となった。

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(A)サンベリー地域の景観、(B)サンベリー・リングGの航空写真、(C)オーストラリア南東部の位置  image credit:figure courtesy of Zara Lasky-Davison. VicMap 2024, Department of Transport and Planning 2024, NearMap 2024, Google Satellite 2024

地のリンクは古代の先住民が作った神聖な場所だった

 調査チームは、1979年の発掘で見つかった166点の石器を再分析し、地のリングの年代を特定した。その結果、このリングはおよそ590年から1,400年前に作られたことが判明した。

 また、この場所では土地を整備し、石器を使って動植物を加工する作業が行われていたことが分かった。

 さらに、火を焚いて生活を営んでいた形跡や、儀式の一環として羽飾りを作ったり、皮膚に切れ込みを入れたり焼いて模様をつける「スカリフィケーション」を行っていた可能性も示された。

 スカリフィケーションの儀式は、現在のビクトリア州の他の地域でも確認されており、ウルンジェリ・ウォイウルング族にとって重要な文化的意義があった可能性があるという。

 これら発見は、オーストラリア先住民の65,000年以上にわたる歴史と文化の豊かさを示す貴重な証拠となった。

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サンベリー・リングGの地のリングから発見されたスカリフィケーション用の石製の器具 Image credit: G. Elspeth Hayes

「地のリング」は世界中に存在する

 地のリングはオーストラリアだけでなく、イギリスやカンボジア、アマゾン地域など世界各地で発見されている。

 これらは多くの場合、直径数百mに及ぶ円形の盛り土や石の構造で、人々が儀式を行うために作ったものと考えられている。

 特にオーストラリア東部では、地のリングはアボリジニの各言語グループごとに「神聖な儀式の場」としての役割を持っていた。

 成人の通過儀礼や、祖先とつながる特別な儀式がここで執り行われていた可能性が高いという。

 しかし、19世紀以降のヨーロッパ人による植民地化や土地開発の影響で、多くのアースリングが破壊された。

 かつてクイーンズランド州やニューサウスウェールズ州には数百ものアースリングが存在していたが、現在残っているのはわずか100程度である。

先住民の子孫が守り続ける地のリング

 ウルンジェリ・ウォイウルング族の人々は、ビクトリア州のサンベリー地区を何千年にもわたって管理し、自然環境を守ってきた。

 彼らの伝統的な知識に基づく管理活動は「ナラップ(Narrap)チーム」によって現在も続けられている。

 しかし、都市開発や気候変動の影響で、これらの遺跡が危機にさらされているいるという。

 この研究は『Australian Archaeology』(2025年1月7日付)誌に掲載された。

追記:(2025/02/18)タイトルを一部訂正しました。

References: Vic.gov.au / https://www.livescience.com/archaeology/we-finally-know-what-1-400-year-old-mystery-rings-in-australia-are

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この記事へのコメント 11件

コメントを書く

  1. こんな特徴的なものの本格的な調査が今頃行われるなんて割と信じ難い、一目見ただけで気になりそうなもんだが

    • -2
    1. いうて、日本でも
      古墳だか自然の山だか判らないくらい放置されてる小山は
      わりとそこかしこにあるやん。

      ていうか、
      >「地のリング」は世界中に存在する
      >直径数百mに及ぶ円形の盛り土や石の構造
      >祖先とつながる特別な儀式がここで執り行われていた
      この定義なら、円墳もアース・リングの一種なのか? 墳墓は除外?

      • +8
      1. 日本で言うなら環状木柱列とかじゃないかな

        • +6
      2. 街中にある、こんもりとした林みたいな場所も存外古墳の可能性がある。古墳は宮内庁が調べないといけないけど、予算がないのよ。なので放置

        • +6
    2. たとえ気になっても資金のあてがないとね。あと先住民の聖地だと同意を得るのは難しい。

      • +16
  2. 土俵に見える。
    相撲なら確かに神事ではあるが。

    • +5
    1. 頂上が平らだからスポーツもできそうだよね

      • 評価
    2. 自分も土俵に見えたー。もしくは舞台?神さまに奉納したのかな

      • 評価
  3. AUS 永住です。ココ Sunbury 仕事でよく行く。 そんな歴史があるなら今度行ってみよ。

    • +2

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