この画像を大きなサイズで見る今では不毛の大地が広がる火星だが、その北半球に無数に点在する丘で、大量の粘土鉱物が発見されたそうだ。それは過去、長きにわたり一帯が液体の水につかっていたことを示す重要な証拠だ。
英国ロンドン自然史博物館とオープン大学の研究チームは、火星軌道を周回している探査機が撮影した高解像度画像を分析して、丘の地質学的特徴を調べた。
その結果、火星北半球の丘は、かつて地球のイギリスに匹敵する面積が水に侵食された名残であることが明らかになったという。
水による侵食で形成された火星の丘
火星のユニークな点の1つは、北半球には低地(北部平原)が広がり、南半球には高地が広がるという、2つに分断されたような地形があるところだ。
なぜ北部は低地になってしまったのか?今回の研究によれば、こうした地形の形成には、水の侵食が重要な役割を果たしたと考えられるという。
ロンドン自然史博物館のジョー・マクニール博士とオープン大学の研究チームは、火星探査機によって撮影された高解像度画像と化学組成データを活用して北半球に無数にある最大で500mほど丘の地形の成り立ちを調査した。
そこはかつて高地だったが、数十億年前に侵食されて数百kmも後退し、残った部分が丘になったことがわかった。
その証拠の1つが、こうした丘で発見された粘土鉱物の堆積層だ。
それは数百万年の長きにわたり岩石と液体の水が作用してできたものだ。その粘土層は、その下にある古い非粘土層と上の新しい非粘土層に挟まれており、かつて火星で起きた地質学的な出来事を現在に伝えている。
マクニール博士は、そうした丘には火星の水の歴史が保存されているとニュースリリースで説明する。
非常に興味深い丘です。この地域の水の歴史が、調査可能なところにある連続した岩石の露頭に保存されているのです
ここは、火星にかつて海が存在したのか、生命が存在できたのかといった謎の解明を目的とする今後のミッションにとって、重要な場所でしょう(マクニール博士)
この画像を大きなサイズで見る火星の現在を見れば地球の過去がわかる、生命の発見も?
なお、欧州宇宙機関(ESA)は2028年に火星探査車「ロザリンド・フランクリン」の打ち上げを予定しているが、その目的地であるオクシア平原は今回の丘と地質的に関連しているそうだ。
ロザリンド・フランクリンによる調査では、火星の過去を示す痕跡も発見されることだろう。それをつなぎ合わせれば、この惑星にかつて生命を支える環境があったのかどうかを知る手がかりが得られるはずだ。
この画像を大きなサイズで見るまた火星は、太古の地球を知るうえでも重要なヒントになる。
火星には地球のような地殻プレートの移動がない。そのため古い地質がそのまま残されており、過去の地球の姿を映すモデルになってくれるのだ。
「火星でたくさんのミッションを行い、その知見をもとに地球の歴史を深く掘り下げていけば、生命の起源も解明されるでしょう。」と、マクニール博士は語っている。
この研究は『Nature Geoscience』(2025年1月20日付)に掲載された。
References: Mysterious Martian mounds formed by ancient water | Natural History Museum














もう火星の水の痕跡は食傷気味、ワイが生きてるうちに次の段階に進めばいいな