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救世主となるか?発泡スチロールを食べてくれるアフリカ原産のミールワームが発見される

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(著) (編集)

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Photo by:iStock
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 プラスチックごみ問題に立ち向かう新たな救世主となるかもしれない虫の幼虫がアフリカのケニアで初めて発見された。

 これまでもプラスチックを食べる虫は見つかっているが、アフリカに生息する種としては初の発見となる。

 ゴミムシダマシ科の幼虫、レッサーミールワームが食べるのは、発泡スチロールの原料となる「ポリスチレン」というプラスチックの一種だ。

 非常に使い勝手のいいプラスチックなのだが、耐久性が高く微生物や自然分解では何百年もかかる厄介者。薬品や熱で処理するとコストが高くし、汚染物質が発生してしまう恐れがある。

 だが数ミリサイズのレッサーミールワームなら、もりもりと食べて消化してくれるというのだからありがたい。

アフリカで初めて発見されたプラスチックを食べる幼虫

 ケニア、国際昆虫生理生態学センターの研究チームが発見した発泡スチロールの原料となるポリスチレンを食べてくれるのは、ゴミムシダマシ科の甲虫、ガイマイゴミムシダマシ(Alphitobius diaperinus)の幼虫、レッサーミールワーム(lesser mealworm)だ。正確にはその亜種である可能性が高いそうだ。

 この幼虫がよく見られるのはニワトリの飼育場だ。そこは暖かく、エサも豊富にあるのだから、彼らにとっては理想的なゆりかごとなる。

 プラスチックを食べる幼虫がアフリカで発見された意義は大きい。

 アフリカ諸国の中には、プラスチック汚染が非常に深刻な地域がある。プラスチック廃棄物は世界中で起きている環境問題だが、とりわけアフリカはプラスチック製品の輸入が多く、その一方で再利用やリサイクルはあまり進んでいない。

 そんな状況を天然のプラスチック処理生物が解消してくれる可能性があるのだから、期待されるのも当然だろう。

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発泡スチロールのゴミの山 Photo by:iStock

ポリスチレンにエサを組み合わせることで消化効率がアップ

 研究チームは期待のレッサーミールワームを1か月以上飼育し、その食べっぷりを確かめてみた。

 具体的には、この幼虫を3つのグループに分け、「ポリスチレンのみ」「”ふすま”(小麦のカラのくず。栄養価が高いエサ)のみ」「ポリスチレンとふすまの組み合わせ」のいずれかを与え、その様子を観察してみた。

 その結果わかったのは、ポリスチレンだけを与えるより、ポリスチレンとふすまの組み合わせの方が、幼虫の健康状態が良かったことだ。

 また組み合わせのエサは、ポリスチレンの消化を良くしてくれることもわかった。

 つまりレッサーミールワームは確かにプラスチックを食べてはくれるが、それだけでは栄養が十分ではないということだ。

 ポリスチレンを効率よく食べてもらうためには、バランスの取れたエサも与えることが重要になる。

 きちんとバランスの取れたエサ(つまりポリスチレンとふすま)を食べた幼虫は、実験中に全ポリスチレンの11.7%を分解したという。

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苦手な人に配慮したレッサーミールワームがポリスチレンを食べる姿のイラスト

プラスチック消化の秘密は消化器官内の細菌

 レッサーミールワームがプラスチックを食べられる秘密は、体内の細菌にあるという。与えたエサによって、消化器官にひそむ細菌の構成が大きく変化するのだ。

 たとえばポリスチレンを与えられた幼虫の消化器官では、「Proteobacteria」や「Firmicutes」が多くなる。これらの細菌は、さまざまな環境に適応し、さまざまな物質を分解することで知られている。

 「Kluyvera」「Lactococcus」「Citrobacter」「Klebsiella」といった、合成プラスチックを消化する酵素を作る細菌も増える。都合がいいことに、これらの細菌は、昆虫や環境に害をなすこともない。

 研究チームによると、こうした細菌の豊富さは、幼虫がプラスチックを食べるうえで彼らが大切な役割を果たしているだろうことを示しているという。

 そもそも幼虫は生まれつきプラスチックを消化できるわけではないのかもしれない。だが、プラスチックを食べうちに、消化器官内の細菌が変化して、その消化を助けてくれるようになるのだ。

 こうした細菌の働きを理解するのは重要なことだ。と言うのも、プラスチックを食べる幼虫そのものを大量にごみ処理場に放つのは実用的ではないからだ。

 それよりも、その体内にいる細菌やそれが作り出す酵素を利用して、プラスチックごみを処理するやり方のほうが理にかなっていると、研究チームは説明する。

今後の課題はプラスチック分解細菌と酵素の特定

 プラスチックを食べる虫はこれまでにも発見されているが、今回はアフリカに生息する昆虫という点で大きな意味がある。

 地域によって環境はそれぞれ異なるので、ある地域に生息するプラスチック食虫をまた別の地域でも利用できるとは限らない。だから、その地域ならではの助っ人を見つけることが大切になるのだ。

 研究チームの今後のテーマは、ポリスチレンを分解する細菌とその酵素の分離・特定をすることであるそう。具体的には、プラスチックごみを処理するために、そうした酵素を大量生産できるかどうかを解明したいとのことだ。

 またレッサーミールワームを大量に飼育した場合の安全性や、それがポリスチレン以外のプラスチックを食べてくれるのか調べることも大切であるそうだ。

 この研究は『Scientific Reports』(2024年9月12日付)に掲載された。

追記:(2024/11/26)タイトルを一部訂正しました。

References: Plastic-eating insect discovered in Kenya

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この記事へのコメント 22件

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  1. より簡易な処理法になるかも知れないけど管理し切れないと大惨事になる予感

    • +6
    1. 全てのプラスチックが分解される世界はときどきショートSFにあるね

      • +3
  2. ポリスチレンを分解できる酵素…
    ふむ。洋服にも使われることがあるよね。もう夢しかないくない?

    • 評価
  3. プラスチックを燃やす → 煙になって拡散するだけ

    プラスチックを食べる → クソになって拡散するだけ

    一体何の違いが?

    • -20
    1. せめて記事を読んで、理解してください。日本語で書かれています

      • +16
      1. 分解されて何になるのか理解できなかった。
        マイクロプラスチックでなければいいけど。

        • -1
  4. シロアリなども発泡スチロールを食べて消化するかもしれない

    • +1
  5. ポリスチレンは建材にも使うよね
    ポリスチレンフォームとか…ごみ処理場自体が処理されたりして

    • +4
  6. 日本はリモネン使った回収が進んでいるからねー
    これまで捨てられたものに使うか

    余談だが園芸で大鉢を軽くするため土に入れる人がいるけど止めて欲しいな

    • +5
  7. 発泡スチロールを食べた虫を食べる鳥を食べる人間。
    つまり人間が発泡スチロールを食べるってコト?

    • -12
  8. >実験中に全ポリスチレンの11.7%を分解した

    糞を9回食べさせれば全て分解されて、ポリエチレンはゼロになるのかしら?

    • -6
  9. タイトルだけ見て記事読んでなさそうな子が多くない??

    • +6
  10. イラストでは可愛かったからミールワームの画像検索したらキモくて絶望した。

    • 評価
  11. 社会的に?御配慮いただいたイラストに見入ってました。
    これまである種の記事は速読即移動でしたので、
    ゆっくり読むことができて助かります。

    • 評価
  12.  現人類から黄金時代新人類へ、断層的なぶっ飛び移行に際して、神々は人類滅亡を黙認、手をこまねいているだけではなかった。あらゆる生物種において、生き残りとDNA改善を強力に推し進めている。そうわかる事例の一つが、このミールワームではないか?ほかにも、生物の白化種が増えてきたと思わないか?プラスティックを栄養とするキノコも、さらに改善進化するだろう。

    • -5
    1. 進化は偶然環境に有利に働いたやつが生き残るものであってこの虫が意図的に発泡スチロール食えるように適応したわけじゃないよ…?

      • +2
  13. その食べた後のうんちっちにはマイクロレベルの発泡スチロールが入ってるんかね?そのうんちっちならハエとかが分解できるんかね?

    • -7
  14. 幾らなんでも記事を読んでいない人が多すぎ。
    虫というより、プラが消化分解されて無害なものになるという所が大事なんよ。
    そのメカニズムを研究する事で、画期的なプラスチック処理方法が見つかるかもなんだから。

    • +4
  15. 田舎の沢水は、その土地で生まれ育った人なら、小さい頃から飲んでいるから何ともないけど、都会育ちの人達はお腹壊すみたいな感じかな?
    極端な話しなら、国によっては濁った川の水飲んでも平気な人達がいるけど、日本人なら速病院行きだから☝️

    • -1
  16. なんだろう・・・
    記事を理解できていないコメントが多いのは、無知なのかわざとなのか・・・
    生分解とは単にプラスチックがバラバラになることではなく(それだったら破砕機でいいじゃん)、微生物の働きで分子レベルまで分解、最終的には二酸化炭素と水となって自然界へと循環することをいう。
    一口にプラスチックと言っても多くの種類があり分子構造は様々で、現状は生分解ができない分子がほとんど。だからこうやって一つ一つ方法を見つけていく必要がある。

    • +2

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