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まるでミニチュアのビッグバン。中性子星同士の衝突でブラックホールと原子が誕生する瞬間を観測

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(著) (編集)

公開:

中性子星の衝突による爆発で、放射性物質が急激に広がる様子のイメージこの画像を大きなサイズで見る
Illustration: NASA GODDARD SPACE FLIGHT CENTER, CI LAB
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 地球から1億3000万光年離れた遠方の宇宙で、2つの中性子星の衝突とそれによるブラックホールの誕生が観測されたそうだ。

 それはまるでビッグバンのミニチュア版のようなドラマチックな現象で、原子が誕生する瞬間まで目撃されている。

 コペンハーゲン大学の天体物理学者が率いる研究チームのこの発見は、「鉄より重い元素はどこから来たのか?」という天文学の難問を解く重要なヒントになる。

鉄より重い元素はどこから来たのか?

 ハッブル宇宙望遠鏡をはじめとする複数の望遠鏡が目撃したのは、地球から1億3000万光年離れた「NGC 4993銀河」で起きた2つの中性子星の衝突だ。

 それによって史上最小のブラックホールが誕生するとともに、爆発による火の玉が光速に近い速度で広がっていった。

 その激しさは凄まじく、爆発の翌日には太陽の数億倍もの輝きを放つようになった。

 こうした高密度の天体の衝突によって発生する爆発を「キロノヴァ」という。

 この火の玉がこれほどにまで明るいのは、爆発で生成された重たい元素が崩壊し、大量の放射線が放出されるからだ。

 そのことは天文学者にとって大きな意味がある。というのも、キロノヴァを観測することで、ずっと以前から彼らが悩み続けてきた謎、すなわち「鉄より重い元素はどこから来るのか?」という疑問を解明できるかもしれないからだ。

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衝突する中性子星が重力波と呼ばれる時空の波紋を発している様子のイメージ図 image credit: R. Hurt/Caltech-JPL

まるでミニチュアのビッグバン

 今回のキロノヴァはきわめてドラマチックで、数分・数時間・数日単位で刻々と変化していったという。

 それをたった1つの望遠鏡で観測するのは不可能で、ハッブル宇宙望遠鏡をはじめ、地球各地にあるいくつもの望遠鏡によって観測されていた。

 それを通じて研究チームが目にしたのは、まるでビッグバン直後の宇宙のような爆発の様子だ。

 衝突直後、砕け散った中性子星の温度は数十億度に達した。それは太陽の中心の1000倍もの超高温で、ビッグバンからわずか1秒後の宇宙の温度にも匹敵する。

 この圧倒的な温度のせいで、電子は原子核に結合することすらできず、電離プラズマの中をまるでダンスでもするかのように浮遊している。

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中性子星の衝突による爆発と、それによって誕生したブラックホールのイメージ/Illustration: O.S. SALAFIA, G. GHIRLANDA, CXC/NASA, GSFC, B. WILLIAMS ET AL

 だがビッグバンで誕生した宇宙がそうだったように、衝突の直後から分単位・時間単位・数単位で星のかけらは冷えていく。

 宇宙の場合、ビッグバンから37万年が経過した頃、ようやく電子が原子核に結合できるくらいにまで冷えた。最初の原子の誕生である。

 光が自由に宇宙を旅できるようになったのは、じつはこれ以降のことだ。それまでは自由電子が邪魔して、思うように飛び回れなかったのだ。

 こうした電子と原子核の結合プロセスは、今回の衝突でも観測できる。

 だがとりわけ重要だったのは、ストロンチウムやイットリウムといった重元素が観測されたことだ。このこととから、これまで起源がよくわかっていなかったほかの重元素も、キロノヴァによって作られているだろうと推測することができる。

原子の過去・現在・未来を目撃

 研究チームによると、この観察はいわば過去・現在・未来を同時に見るようなものだったという。

 原子核と電子が結合する瞬間を観測することで、原子が誕生する前と、それが誕生する瞬間と、その後の状態を目にすることができたからだ。

 中性子星のかけらは物質はとんでもない速さで広がり、爆発の端から端まで光が通過するのに数時間かかるサイズまであっという間に大きくなった。したがって、火の玉の端を観測するだけで爆発の歴史をさかのぼれたのだ。

 「爆発の地球側ではすでに電子と原子核は結合していますが、生まれたばかりのブラックホールの反対側の”現在”はまだ未来なのです」(カスパー・ハインツ助教)

 この研究は『Astronomy & Astrophysics』(2024年10月30日付)に掲載された。

References: https://www.aanda.org/articles/aa/full_html/2024/10/aa50317-24/aa50317-24.html / Hubble watches neutron stars collide and explode to create black hole and 'birth atoms' | Live Science

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この記事へのコメント 12件

コメントを書く

  1. これがミニチュアのビッグバンだとすると、
    実際のビッグバンも何か途方もなく巨大な天体同士の衝突で起きた、
    なんてこともあり得るのかな?
    でもそれだと途方もなく巨大なブラックホールが無いとおかしいのか。

    • +3
    1. この宇宙の終焉がビッグクランチ、今の膨張が収縮に転じて終わるならそれもあり得るかな。ただブラックホール同士の衝突からは合体したブラックホールと重力波しか発生しないから、ビッグバンとは全然違うんだよね。

      • 評価
      1. 僕の考えは宇宙は膨張しすぎて暗闇の極寒宇宙(ビックフリーズ)だよ。

        • 評価
    2. もしそうだったらton 618やフェニックスAといったブラックホールや、地球が属する銀河系の中心のいて座a*といったブラックホールなんかもその中には宇宙があるのかも。

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    3. もしそうだったら地球サイズの生命がいそう…..

      • 評価
  2. 中性子星どうしの衝突かー 途轍もない現象なんだろうな。キロノヴァって言葉が出来る位に
    1対の中性子星だけじゃなく3重、4重それ以上の衝突とかも有るんだろうな。

    • +3
  3. このちっさいビッグバンから、これから銀河とか出来るのかしら。

    そもそも「何もなかった」ところにビッグバンで「宇宙」が出来たって訳じゃなくて、宇宙という世界は既に存在していて、その片隅でいわゆる「ビッグバン」の様な現象が起きて、地球人が見ている「宇宙」や星が出来てるんじゃなかろうか?

    「何もなかった」がどうしても上手く想像できないから、こっちの方がしっくりくるな。

    • +4
    1. どちらも証明できないのはそうなのだけど、
      「宇宙の前の宇宙はどうやって出来上がったの?」
      という宇宙創成の問いには全く答えられていないのは同じだから
      「宇宙の前に宇宙があった」は無視される

      • 評価
  4. Virgo とか LIGO で検出できてないかな? さすがに遠すぎるか…… KAGRA も待ってます。

    • 評価
    1. どっかで見たような記事だと思って調べたら、
      2017年の Virgo と LIGO のはじめての中性子合体観測やな

      • 評価
  5. タイトルを半分見た時、え?実験が原因で地球滅ぶとか言われてる奴?なんて想像が膨らみすぎてしまった。
    それにしても1憶年以上不変性を持って届く光子もすごいを越えてよくわからん。

    • 評価
  6. もし太陽系の中心(太陽)にあったら太陽系が崩壊する

    • 評価

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