この画像を大きなサイズで見るエジプトの邪神の名を冠する小惑星「アポフィス」は、2029年4月に地球に最も近づく。幸いにも衝突の可能性はほとんどないとされているが、アポフィスが大胆なトランスフォームをするかもしれない。
米国の研究チームによると、地球への最接近時に、地球の重力の影響で、地震や地滑りが起き、変形してそれまでとは違う姿になるかもしれないという。
2029年4月、地球に大接近する小惑星アポフィス
2004年に発見されたアポフィスは、闇と混沌を象徴する古代エジプトの悪神「アペプ」にちなんで名付けられた。
2029年4月に、地球に衝突する恐れがあると懸念されてきた小惑星である。
その全長は340m。地球の文明を滅亡させるほどではないにせよ、1つの都市くらいは消失させるだけの大きさがあるのだから、心配されたのも当然だ。
現在ではアポフィスが地球に衝突する可能性はほぼゼロとされている。
それでも2029年4月13日には、地球から約32,000kmの距離をかすめ飛んでいく。一部の人工衛星よりも地球に近いところを通過するのだ。
短時間だが、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの一部地域の夜空で、肉眼で見ることができるという。
この画像を大きなサイズで見る地球はアポフィスに影響を及ぼすのか?
その時、小惑星が地球に影響を及ぼすことはないという。だが、それほど近くに接近するのなら、アポフィスが地球から影響を受けることはないのだろうか?
こう疑問に思ったのが、ジョンズ・ホプキンス大学の小惑星科学者ロナルド=ルイ・バロウズ氏だ。
彼がそう思ったのには、とある天文学上の謎が関係している。
じつは小惑星には、たえず小さな隕石が落下しており、その作用で「風化」が起きる。それなのに、地球のような惑星に近づく小惑星の中には、そうした風化がないものがあるのだ。
風化の痕跡が消えてしまう原因はよくわかっていない。
だが可能性の1つとして、惑星の重力が小惑星の表面にある岩石を引っこ抜き、そのせいでその下にあった部分が露出するからではないかと考えられる。
この画像を大きなサイズで見る地球の重力で地震や地滑りが起き、アポフィスが変形する可能性
この仮説を検証するために、バロウズ氏らはシミュレーションで、地球に接近するアポフィスの振る舞いを再現してみることにした。
アポフィスの物理的な特徴はほとんど知られていない。
そこでモデルになったのが、これに似ていると考えられる地球近傍小惑星「イトカワ」だ。
この小惑星なら、JAXAの探査機「はやぶさ」が世界初のサンプルリターンに成功したおかげで、物理的な特徴がよくわかっている。
こうして構築されたモデルでシミュレーションを走らせてみたところ、やはり地球に接近したアポフィスは姿が変化するだろうことがわかったのだ。
この画像を大きなサイズで見る変身する主な原因は2つある。
1つは、地球にもっとも接近する1時間前から始まる「地震」だ。
その震度を推定するのは難しいが、アポフィスの重力は地球の約25万分の1程度とはるかに小さいため、弱い地震でも十分アポフィスの表面を揺さぶり、石を浮き上がらせると考えられる。
そうした岩石のほとんどは、結局はアポフィスに舞い戻って落下する。だがそのおかげで、アポフィスの表面には独特のパターンが形成されると予測されるのだ。
もう1つの原因は、「タンブリング運動」の変化だ。
地球の自転軸が固定されているのに対して、小惑星のそれは固定されておらず、アメフトのボールを放り投げた時のように不安定に回転している。これがタンブリング運動だ。
過去の研究でも、地球の重力がアポフィスのタンブリング運動を加減速させることが示されていたが、今回のシミュレーションでもそれが裏付けられている。
その結果、表面の岩石の傾斜面が不安定になり、地滑りを引き起こすこともあるようだ。
これがアポフィスから風化の痕跡を消し去っていく。ただし、こうした変化は数万年にわたって少しずつ起こるという点で、地震による変化とは違うという。
この画像を大きなサイズで見るこのシミュレーション結果は、ただアポフィスの変身を予測するだけでなく、惑星に近づく小惑星に風化が見られないという長年の謎への答えにもなるかもしれない。
現在、NASAによる探査機「OSIRIS-APEX」がアポフィスからのサンプル回収を目指して、この小惑星へと向かっている。
そのサンプルが今回の仮説の裏付けとなるのか? それは近い将来の楽しみだ。
この研究は『Planetary Science Journal』に掲載される予定だ(現在、未査読版が『arXiv』(2024年6月7日投稿)で閲覧できる)。
References: 'God of chaos' asteroid may be transformed by tremors and landslides during 2029 flyby of Earth, study finds
















地滑りについては、はやぶさの観測でイトカワに存在するのが解ってる。
これはリュウグウにも存在が確認されているが、形成過程がイトカワとは違ったりする。
OSIRIS-APEXがどんな姿を撮影するか楽しみ。
(ちなみにOSIRIS-APEXはサンプルカプセルを切り離して地球に届けた後だから、サンプルを取ることが出来なくなってる)
「予測していなかった変形により地球への衝突コースにのった」とかはやめてくれよ?
32Mメートルぐらいの所を通過か。なら静止軌道上の衛星に影響与えそうに思えるけど・・?
どーなんでしょうね??
静止軌道が 36M メートルくらいだから内側に入りますね。 大きさがそれなりにあると重力でかく乱していきそうですが、小さいので当たらなければどうということもなさそうに思います。
なるほど 小惑星側の質量が有る程度大きい場合でないと ほぼ無問題なんだ。
コメントありですm(_ _”m)
アポ取って来てね(;^_^A
妖星ゴラスに近づいた地球みたいな