この画像を大きなサイズで見る私たちの足元の2,890km下には、どろどろに溶けた液体金属の球体、すなわち「外核」が存在する。地震波を利用した新たな研究によると、その「外核」にはドーナツ状の謎めいた領域が存在することがわかったそうだ。
オーストラリア国立大学の研究チームは、ちょうど妊娠の超音波検査のように、地震によって生じる地震波を分析して地球内部の構造を覗き込んだ。
すると外核の外側に地震波のスピードが2%遅くなる数百kmの領域があり、赤道の方面をぐるりと囲っているらしいことが明らかになった。
この領域には、ケイ素や酸素などの軽い元素が多く含まれ、地磁気を作り出す巨大な液体金属の流れに重要な役割を果たしている可能性があるという。
この研究は『Science Advances』(2024年8月30日付)に掲載された。
地震発生後に続く地震波を分析
地震波を利用したほとんどの研究は、地震発生から1時間ほどで世界中を駆け巡る最初の波を扱ったものだ。
だが今回の研究では、これまで無視されてきたその後に続く地震波に注目している。その微弱な波を「コーダ」という。音楽で終わりを意味する「コーダ」にちなんだものだ。
研究チームがとりわけ着目したのは、各地の地震計で検出されるコーダ同士がどれだけ似ているかだ。
各コーダの類似性は数学的に表すことができ、研究チームはこれを「コーダ相関波動場」と呼んでいる。
コーダ相関波動場を調べれば、普通なら観測できない微かな反響波がどう伝わってきたのか知ることができる。
こうして地震波のルートを解明し、コーダ相関波動場と比べてみれば、それらが地球内を伝わるスピードも計算できる。
この画像を大きなサイズで見る地球の外核上部にドーナツ状の領域を発見
こうして割り出した地震波のスピードを極地と赤道で比べてみたところ、面白いことがわかった。赤道を伝わる地震波は極地よりも遅いのだ。
このスピードの違いシミュレーションで詳しく調べてみると、地球の外核の赤道方向は地震波にブレーキをかけるドーナツ状の領域によって囲まれていることが判明した。
外核の一番外側の部分では、地震波がゆっくり伝わることなら知られていた。
だが今回の研究によるなら、そうした領域は南極や北極の向きにはなく、赤道の方向にしかないらしいのだ。

地震波にブレーキをかけるドーナツ状の領域があるのはなぜ?
地球の外核は主に鉄とニッケルでできているが、ケイ素・酸素・硫黄・水素・炭素といった軽い元素も微量に存在する。
鉄やニッケルといっても外核は高温で、それは溶けたままの液体金属だ。その構造を詳しくみてみれば、じつは底の部分は上部よりも熱いことがわかる。
この温度差によって対流が起き、そのおかげで液体金属は均一に混ざり合っている、と考えられている。
だが、もしも外核が均一に混ざっているのなら、地震波はどこを通過しても同じ速度で伝わるはずだ。
なのに、地震波にブレーキをかけるドーナツ状の領域があるのはなぜなのか?
この画像を大きなサイズで見る研究チームの仮説によれば、このドーナツ領域は軽元素が濃いのだという。また外核の外側にあるマントルへの熱の移動が多いだろうとも考えられている。
そのおかげで軽元素が浮き上がって集中するのだ。そうして形成されたのがドーナツ状の領域だ。
こうしたドーナツ状領域は、私たち地上の生命にとっても重要なものかもしれない。
地球の自転と固体の内核の作用で、外核の液体は南北方向に長く伸びた竜巻のような渦となる。
この乱流は巨大なダイナモとなって、地球の地磁気を発生させる。地上の生命が有害な太陽風や放射線を浴びずにすむのは、この地磁気のおかげだ。
そしてドーナツ状領域は、この地磁気のプロセスに何らかの役割を果たしている可能性もある。
新たに発見されたドーナツ状領域など、外核の作りについてさらに理解が深まれば、地磁気の強さや方向が今後どのように変化するのかの理解も進むことだろう。
それは地球で暮らす私たちにとって重要なのはもちろん、太陽系外惑星の居住可能性を推測するうえでも貴重なヒントとなるだろう。
References: Seismic echoes reveal a mysterious ‘donut’ inside Earth’s core














どーなってるの?
遠心力により重い物質が集まってるとか
この説に一票かな。
遠心分離機の反対みたいな感じだけど重力の中心に重いものが引かれ、軽いものが浮き上がる結果ドーナツ状に軽いものが自転軸に垂直に集まるって感じをイメージしました。
はっ!もしかして極地方には重い金属プラチナとか金とか豊富にあったりしないかな。
またドーナツ?