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設計図も無料公開。ヒューマノイドロボットも自作の時代へ

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(著) (編集)

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オープンソースにより自作できるヒューマノイドロボット/image credit:youtube
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 多くの製品に言えることだが、独自開発されたロボットの技術はまず明かされることはない。

 ところが近ごろ、設計からソフトまで無償公開され、自作できるヒューマノイドロボットが話題を呼んでいる。

 米バークレー大学の研究チームが開発した「Berkeley Humanoid Lite(バークレー ヒューマノイド ライト)」は、ただ歩くだけでなく、物をつかむといった本格的な性能をもつ。

 身長80cmで体重16kg。家庭用3Dプリンターと市販の部品が揃えば作れるという。

 この研究成果は『Robotics: Science and Systems(RSS)2025(2025年4月)』にて発表された。

参考文献:

業界の現状打破にオープンソース

 多くの人のイメージ通り、先端技術が盛り込まれたヒューマノイドロボットは高価だ。また設計内容も明かされておらず、仕組みが見えにくい。

 それも当然といえば当然だが、カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、非公開で高価な業界の体質のせいで、ヒューマノイドロボット分野全体が伸び悩んでいると考えた。

 そんな現状打破のため、「Berkeley Humanoid Lite(バークレー ヒューマノイド ライト)」を開発したという。

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 このロボットの最大の特徴は、従来のヒューマノイドロボットの逆だ。なんと設計図からソフトウェア、学習用プログラムまでオープンソース。つまり全部無償で公開されている。

 このロボットは身長0.8m、重さ16kgとコンパクトで、3Dプリンターと市販の部品さえあれば、誰でも自分で組み立てられる。

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 しかもかかる費用は5,000ドル(約78万円)に抑えられている。なお研究成果が発表されたのは2025年のことだ。

低コストの仕組み

 この低価格は、関節を動かすアクチュエーターの設計によるところが大きい。この部品はブラシレスDCモーターと、3Dプリントで作られたサイクロイド減速機、位置エンコーダーを組み合わせて作られている。

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 減速機にはモーターの高速回転を減速しつつ、関節にかかるトルク(回転力)を高める役割がある。

 これらの部品は、一般的なデスクトップ型のFDM方式3Dプリンターで出力できる。素材はPLA樹脂(ポリ乳酸)で、すべての部品が200mm×200mm×200mmに収まるよう設計されている。

 3Dプリント製のプラスチックの強度は、金属に劣るとされるが、今回の設計では、サイクロイド式の歯車構造が、数の歯の部分を負荷を分散させ、ねじや真鍮製の支柱で補強することで強度が保たれている。

 アクチュエーターは大小2種類。大型のアクチュエーター「6512」は、BLDC方式のドローン用モーターや、モータードライバー、磁気式位置エンコーダーなどを組み合わせており、価格は約188ドル(約3万円)だ。

 小型の「5010」は、136ドル(約2万円)ほど。ロボット全体でいえば大型10個、小型12個で、部品費の大半を占める。

熱で効率が低下

 手軽な3Dプリント製部品には弱点もある。

 研究チームがアクチュエーターの効率性と耐久性と一貫性の検証試験を行ったところ、通常の運転条件下では約90%という高い機械効率を達成した。

 そこまでは良かったが、高トルクかつ高速時には、発熱で効率が低下してしまった。

 60時間の耐久試験では、効率は比較的安定していた。ただし部品の摩耗するにつれ、バックラッシュ(歯車のがたつき)が増えていった。

 また、異なる2台の3Dプリンターで製作した6個のアクチュエーターでの試験では、トルク追従誤差が0.5Nm以内という一貫した結果が得られた。

応用で形態変化も

 意外なことにこのロボットは汎用性も高い。

 その理由として、アクチュエーターが独立したモジュール構造になっている点があげられる。関節用の各ユニットは単独で完結しており、電源とCAN通信のみで動作する。そのため手足の長さや関節の配置を自由に変更できる。

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 同じハードウェアを応用すれば、二足歩行型はもちろん、四足歩行型、ケンタウロス型、車輪で移動する台車型など、さまざまな形態に組み替えることもでき、手足を長くすれば、大人サイズのロボットにもできるという。

遠隔操作で動作も可能

 このロボットを動かすのは制御システムだ。頭脳にあたるのは、消費電力を抑えた小型プロセッサー「Intel N95」を搭載したミニPCと、内蔵のモーションセンサーだ。

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 シミュレーション上で学習させた強化学習によるコントローラーがそのまま実機に移植されており、歩行の速さもユーザーの指示通りになり、SteamVR用のコントローラーを使えば、遠隔操作もできる。

 研究チームが公開した下の動画では、マーカーで文字を書いたり、物を動かしたり、箱詰めしたりルービックキューブを回す様子が見られる。

Berkeley Humanoid Lite: An Open source, Accessible, and Customizable 3D printed Humanoid Robot.

実用的でカスタマイズ可能なことを証明

 3Dプリントされた構造体の長期的な熱への耐久性は課題として残る。

 とはいえこのロボットは、安価なモーターと市販の電子部品、それに3Dプリント製の減速機だけで、実用的でカスタマイズできるヒューマノイドロボットの研究基盤が作れることを証明した。

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image credit:youtube

 前述したように、設計図やソフトウェアはすべて無償で公開されており、ロボット工学に興味をもつ研究者や学生、愛好家にとって良い教材になりそうだ。

 研究チームの思い切った試みで、閉鎖的なヒューマノイドロボット業界も風通しがよくなるだろうか。

References: Berkeley.edu / Berkeley-humanoid.org

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