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ネアンデルタール人の遺伝子を持つ人は筋肉がつきやすい。しかもアジアに多い

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(著)

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Image by unsplash /
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 あのかわいかった寺田心くんが筋肉に興味を持ち始め、当時の面影がないほどにマッチョになっていく姿をチラ見しているパルモだが、筋肉関連の研究結果が舞い込んで来た。というかそういうニュースばかり目に付くのでまあしょうがない。

 ネアンデルタール人由来の成長ホルモン受容体の遺伝子を持つ人は、持たない人より筋肉量が多いことが、スウェーデンとドイツの研究チームにより明らかになった。

 しかもその遺伝子の保有者はアジアに圧倒的に多いという。

 この研究成果は『Current Biology』誌(2026年8月5日付)に掲載された。

参考文献:

ネアンデルタール人の遺伝子は今も現代人の体に残っている

 ネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスよりも筋肉質で骨が丈夫だった。化石に残る骨は太く、大きな筋肉がついていた跡があり、眉の上の骨が前に突き出している。

 ネアンデルタール人は4万2000年ほど前に絶滅したが、その遺伝子は我々ホモ・サピエンスに受け継がれている。

 約4万7000年前、アフリカを出たホモ・サピエンスがユーラシア大陸でネアンデルタール人と出会い、両者のあいだに子どもが生まれた。

 アフリカ系以外の人は、今もおよそ2%のネアンデルタール人由来のDNAを持っているとされている。

 スウェーデンのカロリンスカ研究所とドイツのマックス・プランク進化人類学研究所を中心とする国際研究チームは、ネアンデルタール人を筋肉質にした遺伝子を探し、それを受け継いだ現代人の体に違いが表れているかどうかを調べた。

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Image by Istock MediaProduction

成長ホルモン受容体の遺伝子に違い

 研究チームは、ネアンデルタール人と現代人の成長ホルモン受容体の遺伝子を比較した。

 成長ホルモンは脳の底にある脳下垂体から分泌され、血液に乗って全身をめぐり、筋肉と骨の成長を調節する。

 ホルモンが効き目を発揮するには、細胞の表面にある受容体と結びつき、細胞の内側へ指令を伝えなければならない。

 その結果、ネアンデルタール人の成長ホルモン受容体の遺伝子には、現代人にはない違いが2か所あり、さらに1か所が欠けていた。

 私たちとネアンデルタール人では、成長ホルモンを受け止める仕組みが同じではなかったのだ。 

ネアンデルタール人の遺伝子は成長ホルモンに強く反応

 研究チームは、成長ホルモンを浴びると数が増える性質を持つマウスの細胞を培養し、そこにネアンデルタール人の成長ホルモン受容体の遺伝子を組み込んで、成長ホルモンを与えた。

 ネアンデルタール人の遺伝子を組み込んだ細胞は、現代人の遺伝子を組み込んだ細胞よりも強く反応し、40%多く増えた。

 ネアンデルタール人の受容体は、同じ量の成長ホルモンから、より強い成長の指令を引き出していたのだ。

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Image by Istock / Filip_Krstic

遺伝子を受け継いだ現代人は筋肉量が多かった

 実験室での反応が実際の体つきに表れるのかを確かめるため、研究チームは100万人を超える人の遺伝情報と健康情報を調べた。

 ネアンデルタール人の遺伝子を受け継いだ成人は、受け継いでいない人よりも筋肉量が平均で約270g多かった。

 身長もわずかに高く、体重も重かったが、増えていたのは脂肪ではなく筋肉である。

 270gは受け継いだ遺伝子1つ分の数値で、父と母の両方から受け継いだ人ならおよそ0.5kg多くなる。

 特に差が出るのは大人になってからだった。

 6000人以上の子どもを調べても、11歳までの成長に違いは見られなかった。

 成長ホルモンの分泌が大きく増える思春期を過ぎて、はじめて差が表れると考えられる。

 筋肉のほかにも痕跡は残っていた。

 遺伝子を受け継いだ人は下あごの後ろ側が短く、歯の根も短い。どちらもネアンデルタール人に多かった特徴である。

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Image by Istock / Nikolas_jkd

アジア人に多く受け継がれていた

 ネアンデルタール人由来の遺伝子を最も多く持っているのは、ヨーロッパ人ではなく東アジアの人々である

 1万年ほど前、ネアンデルタール人の遺伝子をほとんど持たない中東の農耕民がヨーロッパへ移り住み、先に住んでいた人々と混じり合った。

 そのためヨーロッパではネアンデルタール人の遺伝子が薄まり、東アジアでは薄まらずに残った。

 成長ホルモン受容体の遺伝子でも、同じ偏りが表れていた。

 ヨーロッパで受け継いでいる人は約0.5%にとどまるのに対し、南アジアの一部の集団では最大24%にのぼる。

 4人に1人が、ネアンデルタール人の受容体を持っている計算になる。

 ここまで偏った理由は、まだ分かっていない。

 筆頭著者でマックス・プランク進化人類学研究所の博士研究員フィリップ・カニス氏は、創始者効果の可能性を挙げている。

 集団の人数が一度大きく減ったあと、生き残ったわずかな人が持っていた遺伝子が、偶然によって子孫のあいだで広がる現象を指す。

遺伝子があっても鍛えなければ筋肉はつかない

 研究チームは、ネアンデルタール人の受容体を受け継いでいたとしても、トレーニングの代わりにはならないと念を押している。

 成長や体つきに関わる遺伝的な影響は数多くあり、ネアンデルタール人の体型を一つの遺伝子で説明することはできないし、その人の見た目を決めるものでもない。

 270gという差は、鍛えている人から見れば小さな数字だろう。

 それでも、4万7000年前に交わったネアンデルタール人から受け取った遺伝子が、ジムで鍛えている人の体にも残されているかもしれない。

References: DOI.10.1016/j.cub.2026.07.025

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