この画像を大きなサイズで見る薬局で処方箋の薬を受け取るときには結構待たされることもあるのだが、アメリカではついに自動調剤ロボットが誕生した。
アメリカ・カリフォルニア州のロボティクス企業「Queue(キュー)」が、完全自動の処方箋ロボットを開発した。世界初のことだという。
このロボットは、未開封の薬をボトルのまま入れておくだけで、人の手を一切借りずに必要な処理を終えることができる。
いつでもどこでも60秒以内に薬を受け取れると語るQueue。アメリカの薬局業界で一体何が起きているのか。
参考文献:
- Video: ‘World’s first’ fully robotic pharmacy automates prescription dispensing
- Queue
Queueの調剤ロボットの仕組みとは
すぐに手に入る市販薬と比べ、処方箋の薬には受け取るまでに待たされることが多い。特に人口の多い地域では顕著だ。
薬局によっては、いったん離れて出来たころに取りに戻ったり、スマートフォンであらかじめ処方箋を提示し、薬局での待ち時間を減らすなどのサービスもある。
だが、急な発熱など症状が重いときは、すぐにでも横になりたいところを耐え、忙しそうな薬局スタッフに祈る気持ちで、薬が出るのを待つしかない。
この画像を大きなサイズで見るアメリカの新興ロボティクス企業Queue(キュー)の自動調剤ロボットは、こうした光景を大きく変えようとしている。
その仕組みはシンプルだ。まずメーカーが、あらかじめ未開封の薬のボトルをそのまま機械に入れておく。
あとはロボットとカメラの画像認識技術が、患者がかざす情報をもとに必要な薬を数え、種類を確認し、容器に詰めて、蓋とラベルを貼るところまでを担当する。
人が薬に直接触れる場面は一度もない。
この画像を大きなサイズで見るカメラが錠剤一粒ずつを、薬の識別番号や処方箋の情報と照合しながら確認するなど、調剤ミスを減らす工夫があちこちに施されている。
現在のところ、対応する薬の種類は、アメリカでよく処方される250種類となっている。
調剤ロボットが薬局のコストを大幅減
公式発表によると、この調剤ロボットは1分間に600錠の錠剤の処理ができ、薬局の運営コストを従来の最大96%まで減らせるそうだ。
現場に常駐するスタッフが不在でも稼働できる点も特徴のひとつだ。
組み立て式の設計を採用しているため、街中の薬局はもちろん、病院やクリニック、さらには薬局の維持が難しかった地方の医療機関にも設置できる可能性がある。
すでに試作機が実働しており、大手の全国薬局チェーンが早期の導入先として名乗りを上げた。
この画像を大きなサイズで見る開発を率いるのは、米国の在宅医療スタートアップ「Heal」の元社長、6回の起業経験を持つニック・デサイ氏と、テスラ・ウェイモ・ジップライン出身のジョシュア・リュー氏だ。
投資会社アレイコープ(AlleyCorp)やライオット ベンチャーズ(Riot Ventures)などから合計1,800万ドル(約29億円)以上の資金を集め、さらに今回1,260万ドル(約20億円)を追加調達した。これから一気に開発と導入スピードを上げる構えだ。
この画像を大きなサイズで見る人手不足で薬局が減り続けるアメリカ
アメリカの薬局は今、厳しい現実に直面している。現場の負担は増え続け、人手不足は深刻さを増す一方だ。
薬学部を卒業する人の数も減っており、薬剤師の欠員もなかなか埋まらない。
任意保険会社から支払われるお金の割合も年々下がる一方で、経営難になる薬局が後を絶たない。
南カリフォルニア大学とカリフォルニア大学バークレー校の研究者の調査では、2010年以降、米国の薬局のおよそ3分の1がすでに姿を消したという。
Queueの公式ページでも、3軒に1軒が閉鎖した、と同様の数字を示している。薬局が減れば、当然、処方薬を受け取りにくい地域が増える。
この画像を大きなサイズで見る薬は機械、薬剤師は患者の対応。分担作業が可能に
Queueのねらいは人間の仕事を減らすことではない。
人手不足は薬局の閉鎖だけでなく、焦りから誤った薬を渡してしまうリスクも増やす。
新型コロナウイルスのパンデミック下の2022年、アメリカNBCが、カリフォルニア州だけで調剤ミスの申し立てが557件以上寄せられた、との調査結果を報じた。
報道によると、ある元薬局スタッフは、忙しさのあまり、薬剤師が誤った薬を渡しそうになったと語っており、現場の負担がミスに直結する実態がうかがえる。
その対策という意味でも、薬を数えて詰める作業を機械に任せることで、薬剤師は患者への説明や薬の飲み合わせのチェックといった、人にしかできない仕事に時間を割くことができる。
それは患者にとってもプラスであり、いつでもどこでも60秒以内に薬を受け取れるようになる、とQueueは説明する。
ロボットに任せられる仕事は任せ、患者と向き合う仕事は今までどおり人が担当。
こうした自動化との分担が進めば、処方薬は時間がかかるというイメージも変わってゆきそうだ。
編集長パルモのコメント

私がアメリカに住んでいたころは、地方だったこともありそんなに待たされた記憶はないが、20年以上も前のことなのでいろいろ変化していってるのかもしれない。一方日本では、病院の近くの薬局を利用することが多いのだが、薬局によっては病院よりも待たされるところがあったりなんかもする。まあでも、大学病院の待ち時間の長さは、検査なんかがあると5時間かかることもあるので、そっちをなんとかしてもらえないかな。予約してても待たされる病院ってあるよね。診察は3分程度なのに。
References: Nbcbayarea
















最近は場合によっては診断と処方箋までAIで対応した方が良いのかも、と思う
地方の開業医の運営コストがエグい事になってる
調剤のサポート用のロボットは松下もコロナのちょっと前くらいに薬局向けに導入してたのですが、コロナの混乱をさばくのはちょっと難しかったみたいですね。
扱えるのが錠剤だけってのが未発達感があるね。
塗り薬とか、幼児用ならシロップも使うが、
粉薬や顆粒薬が結構ある日本と違って
アメリカは元々ほとんど錠剤かカプセルらしい。
全米が始める新しいことは最先端の実験でもあるのだから見守ることに徹するべきだと思う
極東の島国基準で北米大陸の湿度はかっちゃいかんよ…
真中辺りだと感想し過ぎてて寝てる布団の上に壁の隙間から吹き込んだ粉雪積もっても死なないんだぞ(日本なら言うまでもなく凍死)
フロリダやニューヨーク、東海岸の湿気のすごさ知らないの??
蒸し暑さは日本と同じ、南部はさらに日差しが強すぎ
アメリカの錠剤は密封されていないのに驚き
湿気で薬の品質に問題出るだろ
同感です。瓶入りの市販薬以外で見たことがありませんね。
アメリカは、薬剤師がやってる所でも、
裸の錠剤を小瓶詰めが多い。
そして薬剤師は消滅した
最初のうちはチェック係が必要だろうが、それも少しずつ減っていくだろうね
結局薬局
施設に入った親族の代理人として薬を取りに行ったときは柔軟な対応の薬剤師&薬局で、存在がありがたかった。
若い先生の処方が高齢者の実態にあってないし私もそのへん疎いから、処方箋通りに薬を出す対応だったら施設から薬飲んでくれないと、また病院に出向くはめになったと思う。
日本でも導入して欲しい
薬剤師さんじゃないと駄目なケースも多々あると思うが自分は機械でいい
でも日本は個包装の規格が薬によってかなり違うので実現するのが大変そう
調剤は間違えないかもしれないけど、処方箋が間違ってたときに判断できる人がいなくなっちゃうな…
大きな病院で3~5時間もかかった挙句、門前調剤薬局でも1~1.5時間待ちとかあるから日本でも導入して欲しい。
日本の場合は処方箋を書くのは医師だけができることで、これが間違ってたりすると薬剤師の確認でミスにならないで済んだことがあったりします。 毒性が弱いとか問題が少ないとかの薬ならこういう仕組みで人手を減らすってのは良さそうなので日本にもあったらなぁとも思います。 そのうち塗り薬も出してくれたり、粉薬も調剤してくれるようになると良いかも。
日本では少子化が進むのでこういうのは歓迎ですね。 そして本当に薬剤師が必要なことに注力してもらえばいいかなと、記事を読んで日本の未来に期待しました
このシステムは将来的には3DプリンタやらDNA判定やらを駆使して
個々に適した薬品を顧客に提供する。SFみたいなモノを目指すのだろうけど
現時点で言えば、調合できる薬品が限定的とは言えども、
記事にあるように薬剤師が少ない・いないような地方の街でも
最低限度の薬を提供できるのは強い。日本でも無医村などに設置すれば結構便利になると思う
日本でもやっている病院はあるよ。横浜だったかな。同じような機械だった。機械が処方箋通りに薬を揃えて、最終的に人が間違いがないか確認。
いずれは伊藤計劃のハーモニーみたいな感じになるんかなぁ