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地球最古の隕石衝突クレーターは約30億年前のものであることが鉱物分析で判明

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(著)

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Image Credit: Curtin University
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 2025年に地球最古の隕石衝突クレーターとして発見された西オーストラリア州ののノースポールドーム・クレーターが、鉱物分析によって約30億年前に形成されたものであることが確認された。

 発見当初は約35億年前と推定されていたが、その後の研究で年代の信頼性が崩れ、最古の座から一時脱落していた。

 だが新たに、カーティン大学と西オーストラリア地質調査所の研究チームがクレーター内の鉱物を分析した結果、約30億年前という年代が初めて確かなものとなり、地球最古のクレーターであることが証明された。

 この研究成果は『Geology』誌(2026年6月23日付)に掲載された。

参考文献:

地球最古の隕石クレーターをめぐる発見と論争

 地球はその長い歴史の中で、数え切れないほどの小惑星が落下してきた。

 宇宙空間を飛んでいる岩石は「小惑星」と呼ばれ、それが大気圏を通過して地表に落下した破片を「隕石」という。

 月の表面に無数のクレーターが残っているように、初期の地球にも激しい隕石衝突が繰り返されクレーターが大量に存在したと考えられている。

 しかし地球では、プレートテクトニクス(地球の表面を覆う巨大な岩盤が動くことで起こる地殻変動)や風化・侵食によって、古いクレーターのほとんどが失われてしまった。

 2025年3月、カーティン大学のクリス・カークランド教授とティム・ジョンソン教授らの研究チームが、西オーストラリア州ピルバラ地域にあるドーム状の地形「ノースポールドームで隕石クレーターを発見し、約35億年前のものだと発表した

 それまで地球最古とされていたのは、同じく西オーストラリア州のヤラババ・クレーターで約22億年前のものとされていた。

 ノースポールドーム・クレーターその記録を13億年以上さかのぼる発見として、世界中の地質学者が注目した。

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西オーストラリア州ピルバラ地域のノースポールドーム Image Credit: Curtin University

年代の信頼性が崩れ、最古の座から一時脱落

 しかし2025年7月、イェール大学のアレック・ブレナー氏とカーティン大学のアーロン・キャボシー氏らの研究チームが、この年代推定に異議を唱えた

 カークランド教授らの記録はノースポールドーム・クレーター自体を直接測定したものではなく、数百km離れた別の岩石との見た目の類似性をもとにした間接推定だったからだ。

 ブレナー氏ら研究チームの調査では、衝突の痕跡であるシャッターコーン(隕石の衝突や核爆発など極めて強い衝撃でのみ形成される、扇状の筋が入った特徴的な岩石構造)が、約27億年前より新しい岩石にも存在することが判明した。

 これにより衝突時期は「27億年前以降、4億年前以前」という非常に幅の広い推定に修正され、クレーターの直径も当初の100km以上から約16kmへと大幅に縮小された。

 ノースポールドーム・クレーターは最古のクレーターの座から脱落し、ヤラババ・クレーターが再び地球最古の座に返り咲いた。

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かつての研究では別の岩石との見た目の類似性から年代を測定していた Image Credit: Curtin University

新たな鉱物分析で約30億年前のものと判明

 こうした論争を受け、カークランド教授らの研究チームは2026年、クレーター内の岩石そのものを直接分析する手法に取り組んだ。

 研究チームはジルコンという鉱物に着目した。

 ジルコンは固まる際にウランを取り込む性質を持ち、その後ウランはゆっくりと鉛へと変化していく。

 固まってからどれだけ鉛に変化したかを測ることで、固まった年代を精密に割り出せる。

 ノースポールドーム・クレーターのジルコンには、衝突による強烈な熱で一度溶けて再び固まった痕跡が確認された。

 再び固まった時点がそのまま衝突の瞬間にあたる。その年代を測定したところ約30億年前という結果が出た。

 さらに、衝突後に熱水が岩石を通過する際に形成されるアパタイトという別の鉱物でも独立して年代測定を行ったところ、同じく約30億年前という結果が得られた。

 2種類の鉱物の測定値が一致したことで、約30億年前という年代が初めて確かなものとなった。

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ジルコンから年代特定を試みる県キューチーム Image Credit: Curtin University

初期の地球の歴史を解明する手がかりに

 この発見により、ノースポールドーム・クレーターはヤラババ・クレーターの記録を約8億年さかのぼる、地球最古の隕石クレーターとして正式に認められた。

 また太古代(約40億年前〜25億年前の地質時代)から現存する唯一の衝突クレーターとなった。

 西オーストラリア州のピルバラ地域はプレートテクトニクスによる変動が少なく、数十億年前の岩石が手つかずのまま残る世界でも希少な場所だ。

 同じ地域に地球最古のクレーターが2つ(ノースポールドームとヤラババ・クレーター)存在するのは、この地殻が数十億年にわたってほぼそのままの状態を保ってきたからだ。

 岩石は数十億年の間に変質するため、衝突当時の痕跡と後から加わった変化が混在してしまう

 今回の鉱物分析は、変質した岩石の中から衝突の瞬間に形成された鉱物だけを特定し、年代を測定することを可能にした。

 地球が激しい衝突を繰り返していた初期の歴史を知る手がかりがさらに得られるかもしれない。

まとめ

この研究でわかったこと

  • 西オーストラリア州ピルバラ地域の隕石クレーター「ノースポールドーム」は約30億年前に形成されたもので、地球最古の隕石クレーターと確定した
  • クレーター内のジルコンとアパタイトという2種類の鉱物を分析した結果が一致したことで、年代が確かなものとなった
  • 太古代(約40億〜25億年前)から現存する唯一の隕石クレーターであることが確認された

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

30億年前の隕石衝突の痕跡が今もオーストラリアの荒野に残っているのってすごいことだよね。そしてこの手法が確立されたことで、世界各地に眠る、まだ未発見の古代クレーターの年代特定も容易になるんじゃないかな。

References: doi.org/10.1130/G54866.1

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この記事へのコメント 2件

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  1. 30億年不変の大地か
    プレートテクトニクスの影響を受けなかったってことはオーストラリアが乗ってる大陸はよほど安定してるんだな

    • 評価
  2. 30億年も35億年でも単細胞生物が生きてる時代なので
    5億年の差なんてどうでもよく感じてくる
    これが5億年前だと現代の動物たちのルーツとなる生き物が
    海の中で生まれ、三葉虫が生きてるのでやはり差は大きいか

    • 評価

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