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パプアニューギニア沖で海底火山が噴火、新島誕生の可能性

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(著)

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Image by Istock FrankRamspott
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 パプアニューギニア北方のビスマルク海で、海底火山が今まさに噴火を続けており、新たな島が誕生する可能性が浮上している。

 2026年5月8日に群発地震で始まった異変をNASAの複数の衛星が捉え、蒸気噴煙・海水の変色・軽石の帯が相次いで確認された。

 島が生まれる瞬間を衛星でリアルタイムに追える機会はきわめて稀だ。科学者たちはその変化を常時観測している。

群発地震から始まった海底火山噴火

 2026年5月8日、パプアニューギニアの北に広がるビスマルク海の海底で、地震計が小さな群発地震を検知した。

 翌9日にはNASAの衛星が海面から白い蒸気に富んだ噴煙の立ち上りを捉え、周辺の海水が緑色に変色してかき乱されていることも確認された。

 数日後には大気中へ数kmにわたって噴煙や火山灰が舞い上がり、海面付近では複数の噴気口から噴煙が密集して立ち上る様子が鮮明な衛星画像に記録された。

 5月12日、NASAとNOAA(米国海洋大気庁)が共同運用する気象衛星が約7平方kmにわたる熱異常を検知した。

 ミシガン工科大学(米国)の火山学者サイモン・カーン博士は、これほど広範囲の熱異常が生じるには表層近くに大量の高温物質が存在するはずであり、既存の海底地形データが示す水深数百m以上という値よりも、噴火口ははるかに浅い場所にある可能性が高いと指摘している。

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2026年5月11日、噴火開始から3日後にランドサット9が撮影した画像。成長中の海底火山台地から密集した噴煙が立ち上り、周囲を雲が取り囲んでいる。 Image credit: NASA Earth Observatory images by Michala Garrison

火山噴火の進行を示す異変が海面に広がる

 噴火の進行とともに、海面に大量の軽石が浮かび上がり、海流に沿って帯状に広がり始めた。

 軽石とは、マグマが噴き出す際に内部のガスが一気に抜けてできる無数の小さな穴が開いたスポンジ状の岩石で、穴の中に空気を含むため水に浮く。

 海底火山の噴火時に大量の軽石が海面へ浮上するのはよく見られる現象で、噴火が着実に進行していることを示す証拠だ。

 今回の噴火地点はタイタン海嶺と呼ばれる海底の火山性尾根に沿った場所で、1972年に別の海底噴火が起きた地点から南東に約16kmの位置とみられる。

 ただしビスマルク海は地質構造が複雑で高解像度の海底地図が存在しないため、正確にどの火山地形が噴火しているのか、いつ最後に活動したのかといった基本情報すら現時点では確認できていない。

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2026年5月15日にNASAのテラ(Terra)衛星が撮影した画像。噴火地点から南西方向に軽石と緑色に変色した海水が広がり、上空では白い噴煙が西へ流れている。 Image credit:NASA Earth Observatory/Michala Garrison

大規模噴火の可能性はあるのか?

 今後の展開は予断を許さない。1972年にこの付近で起きた海底噴火はわずか4日で終息したが、約100km離れた海域での1957年の噴火は約4年間続いた。

 今回がどちらに近いかは現時点では判断できない。

 爆発規模についてカーン博士は比較的楽観的な見方を示す。

 今回の噴火地点はプレートが互いに離れていく「拡大帯」付近の火山性海嶺と関係しており、拡大帯の火山は爆発性が低い傾向がある。

 2022年に津波被害をもたらしたトンガの海底火山噴火や2021年に噴火した日本の福徳岡ノ場のような大規模噴火は、プレートが沈み込む境界付近の火山で起きやすく、今回はそれとは性質が異なる。

 ただし成長中の海底構造にマグマ溜まりが上昇しており、そこへ海水が流入すれば噴火が一気に激化する可能性があるとNASAは指摘している。

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2026年5月11日にランドサット9が撮影した火山噴火の画像を色調補正したもの。Plume(噴煙)Cloud(雲)Infrared signature(赤外線シグネチャ=赤外線による熱の痕跡)Image credit:NASA Earth Observatory/Michala Garrison

新島誕生の可能性も

 海底火山の噴火が新島を生み出すことがある。

 1963年にアイスランド沖の海底噴火で誕生したスルツェイ島は今もユネスコ世界自然遺産として存在しているが、2020年のScientific Reports誌の研究によれば、侵食されやすい素材でできた島は数か月から数年で消滅することもある。

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1963年に海底火山の噴火により出現したアイスランドのスルツェイ島 Image credit:Way 25722129 / commons.wikimedia CC BY-SA 3.0

 日本でも2013年に小笠原諸島・西之島沖で海底噴火が起き、新島が出現した。

 現在この島は西之島と一体化してその後も拡大を続け、2025年時点での面積は噴火前の約14倍の4.1km²に達している。

 現在は噴火こそ確認されていないが、火口周辺警報は今も継続中だ。

 ビスマルク海に恒久的な島が誕生すれば、研究者たちは動植物がどのように定着していくかを島の誕生直後から記録できる、またとない機会を得ることになる。

 NASAゴダード宇宙飛行センターの主任科学者ジム・ガービン氏はレーダー衛星を使って新たな陸地の形状と変化を追跡する計画をすでに進めている。

 海底から島が生まれる瞬間を、リアルタイムで衛星で観測できるかもしれない。

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この記事へのコメント 2件

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  1. 『恒久的な島が誕生すれば、研究者たちは動植物がどのように定着していくかを島の誕生直後から記録できる』とのことですが、やっぱりそうなると金儲けに使われる可能性もあるんですかね?
    「島の誕生から現在まで」という過程を売りにしたデカい動物園(動物島?)みたいな感じで。

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