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だって楽しいんだもん。アライグマはごほうびがなくてもパズルを解き続ける

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Image credit: Heiko119
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 アライグマはエサのごほうびがなくても、純粋に面白いという好奇心だけでパズルを解き続けることが判明した。

 カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の研究チームは、報酬を得た後のアライグマが、さらに別のパズルに挑戦し続ける様子を実験で確認した。

 この行動は、未知の情報を求める高い知能の現れだ。この知的好奇心が、アライグマが複雑な都市環境で繁栄している大きな理由だと考えられている。

この研究成果は『Animal Behaviour』(2026年)に掲載された。

参考文献:

アライグマは面白いからパズルを解き続ける

 ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の研究チームは、アライグマがエサのごほうびがなくても、純粋に面白いという好奇心だけでパズルを解き続けることを実験で突き止めた。

 博士課程のハンナ・グリーブリング氏らは、アメリカのコロラド州にある施設で飼育されているアライグマを対象に調査を行った。

 実験では、ラッチ(掛け金)やスライド式の扉、ノブなどが付いた、全部で9つの入り口がある特注のパズルボックスを使用した。

 研究チームは20分間の制限時間の中で、ボックスの中にマシュマロを1つだけ入れた。

 アライグマはマシュマロを食べ終えた後も、追加の報酬がないにもかかわらず、残りのパズルに挑戦し続けた。

 この結果から、アライグマにとって「パズルを解く」という行為は、エサを得ることと同じくらい価値がある行動だとわかった。

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簡単なパズルボックスの仕掛けを解くアライグマ (1) 扉、(2) スライド・ラッチ(横に滑らせる掛け金)、(3) 下に引き下ろす窓 Image credit:Griebling et al ., doi: 10.1016/j.anbehav.2026.123491

状況に合わせて情報収集、方法を使い分ける

 アライグマは、パズルの難易度に応じて自分の行動を柔軟に変えていることもわかった。

 パズルの仕掛けが簡単なときは、いろいろな入り口を試したり順番を変えたりして、好奇心を満たすために幅広く情報を集める様子が見られた。

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中程度のパズルボックスの仕掛け (1) ねじ込み式のフックと輪の掛け金、(2) 扉を閉じるための金属製の留め具、(3) 上に押し上げる窓 Image credit:Griebling et al ., doi: 10.1016/j.anbehav.2026.123491

 一方で、仕掛けが難しくなると、一度成功した確実な方法を優先して使うようになった。

 グリーブリング氏は、この行動をレストランでの注文に例えて説明している。

 値段が安ければ新しいメニューを試すが、高価な料理であれば失敗を避けてお気に入りの一皿を選ぶのと同様の心理だ。

 アライグマも自分へのコストやリスクが低いときは好奇心を優先し、リスクが高まると安全策をとるという、人間にも共通する高度な意思決定を行っている。

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難易度の高いパズルボックス (1) 回転させるツマミ、(2) 留め具にかかった、解錠状態の南京錠、(3) 引き起こして外すタイプの掛け金 Image credit:Griebling et al ., doi: 10.1016/j.anbehav.2026.123491

都市での繁栄を支える「自己家畜化」と器用な前足

 アライグマが都市部で繁栄している背景には、食欲を超えた強い好奇心と、それを実行に移せる身体的特徴がある。

 アライグマはもともと北米大陸を原産とする在来種だが、人間との距離が縮まる中で、その生態は劇的な変化を遂げている。

 最近の研究では、都市部で暮らすアライグマに、顔つきの変化や攻撃性の低下といった「家畜化」に似た兆候が見られるという報告がある。

 人間社会という複雑な環境に適応した結果、アライグマは野生の荒々しさを削ぎ落とし、代わりに高い社会性や「未知の仕組みを面白いと感じる知能」を発達させてきたと考えられる。

 さらに、アライグマの前には人間と同じように感覚神経が集中している。

 この器用さと、パズルを解いて情報を集める知能が組み合わさることで、人間が作った複雑なゴミ箱のフタや鍵をも突破し、都市での生存を可能にしているのだ。

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アライグマの器用な前足 Image credit:Pavel Saprykin

情報を求める性質が進化の鍵となる

 今回の実験は飼育下の個体で行われたが、過去の研究では野生の個体も同様に高い問題解決能力を持つことが示されている。

 周囲の環境について「情報を収集すること自体」を楽しむ性質は、複雑な都市部で新しい食料源を見つけ出すための大きな武器となる。

 研究を主導したサラ・ベンソン=アムラム博士は、この知見がクマなどの他の動物が人間社会の資源をどう利用しているかを理解する手がかりになると述べている。

 パズルを楽しみ、未知の情報を求める彼らの好奇心は、都市という新しいフィールドで生き残るために獲得した、最新の進化の形なのだ。アライグマは、私たちが想像する以上に、知的な刺激を求めて日々を生きている。

References: Sciencedirect

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この記事へのコメント 20件

コメントを書く

  1. 混同しやすい動物
    アライグマとレッサーパンダ
    ジョイとユージ
    あと?

    • +6
  2. 本当なのかな?

    1年ぐらい続けたら「アライグマは面白いからパズルを解き続ける」と言えるかもしれないけど、そんな情報が全く記載されてないからなあ

    • -14
  3. 遠い未来にアライグマの子孫が文明を築く⋯ イカよりは可能性が高そう

    • +16
    1. この箱が発掘されて「我々以前に存在した古代文明でヒトザルはこのような玩具で楽しんでいた可能性が高い」との論文が発表された

      • +3
    2. 「猿の惑星」ならぬ「アライグマの惑星」に!
      ・・・けっこう観てみたいな

      • +11
  4. パズルがテーマのアニメ
    ファイ・ブレイン
    面白かったよね。

    • +5
  5. スーパーで泥酔したのも、溝にはまったのも、好奇心ゆえか……

    • +15
  6. ハクビシン・タヌキ・アライグマ・アナグマの見分け方知ってる?

    • +2
  7. タヌキさんにもできるのかどうかが気になった

    • +2
    1. タヌキはアライグマみたいな器用な手は持ってないから
      このパズルは難しそうだけどね

      • +6
  8. マシュマロがご褒美なのがかわいいし、パズルで遊んでるところも動画で見てみたいw

    • +9
  9. 生物はごはんのためだけに生きてないかもっていうのはなんか救いだな。

    • +2
  10. イモを洗うのが文明開化の条件とは・・・
    イモを洗ったら賢くなるかヒトでも実験するべきだな

    • +1
  11. ふ 最近のアライグマもまるくなっもんだな
    あんた昔はもっとギラギラした目をしていたぜ…

    • +1
  12. 1億年後地球を支配していたのは
    アライグマ人間だった

    • 評価

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