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木星探査機JUICEが旅の途中で恒星間天体3I/ATLASを撮影、内部構造の謎に迫る

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(著)

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探査機Juiceがとらえた3I/ATLAS Image credit:ESA/Juice/JANUS
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 木星へ向けて航行中のESAの探査機「JUICE」が、太陽系外から飛来した恒星間天体「3I/ATLAS」を至近距離で撮影することに成功した。

 2025年11月に捉えた120枚以上の画像データが2026年2月末にようやく地球へ届き、その特異な内部構造を解明するための解析が本格的に始まった。

 この天体は鉄を含まずにニッケルが豊富で、二酸化炭素の比率が極端に高い。

 太陽系の天体とは化学組成が根本から異なっていることがすでに判明しており、全く別の星系で誕生した動かぬ証拠となっている。

探査機JUICEが太陽最接近直後の3I/ATLASを記録

 木星を目指して猛スピードで移動中の探査機JUICEが、偶然近くを通りかかった太陽系外からの「迷子」を、計算し尽くされたカメラワークで迎え撃つという、宇宙での奇跡的な遭遇が実現した。

 2023年4月に打ち上げられた欧州宇宙機関(ESA)の木星氷衛星探査機JUICEは、2031年の木星到着を目指して現在も宇宙を航行している。

 この探査機が2025年11月6日、太陽系を通過中だった恒星間天体3I/ATLASを距離約6600万kmの地点から撮影した。

 3I/ATLASは2025年10月30日に太陽へ最も接近しており、JUICEはそのわずか1週間後という絶好のタイミングで観測を行った。

 撮影には「JANUS(ヤヌス)」が使用され、天体の核から噴き出すガスや塵の雲である「コマ」や、太陽と逆方向に伸びる尾の姿が鮮明に記録された。

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探査機JUICEが撮影した3I/ATLAS Image credit:ESA/Juice/JANUS

 JANUSは、人間の目では見分けることが難しいわずかな「色の違い」を13種類の特殊なフィルターで捉えることができる多色光学カメラだ。

 このカメラで撮影することで、天体の表面が何でできているか、また噴き出すガスにどのような成分が含まれているかを正確に分析できる。

 名前の由来は、過去と未来の二つの顔を持つローマ神話の神「ヤヌス」からきており、木星の過去の成り立ちと未来の姿を照らすという意味が込められている。

なぜデータ到着に数カ月もの時間を要したのか

 2025年11月の撮影からデータ到着まで数カ月を要した理由は、探査機の運用上の制約にある。

 撮影当時のJUICEは地球から見て太陽のほぼ真裏に位置していたため、強力なメインアンテナを太陽の熱から機体を守るための日傘(熱遮蔽板)として使用しなければならなかった。

 そのため、科学チームは通信速度の遅い小型のサブアンテナを使い、2026年2月の最終週にかけて長い時間をかけながら少しずつデータを地球へ送信した。

 届いたデータには120枚以上の画像のほか、赤外線分光計や粒子観測装置など5つの観測機器による詳細な測定結果が含まれている。

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木星氷衛星探査機JUICE Image credit:ESA / ATG medialab

太陽系の常識を覆す鉄の欠如とガスの比率

 これまでの解析により、3I/ATLASは太陽系内の天体とは明らかに異なる化学組成を持っていることが判明している。

 一般的な彗星や小惑星には材料として鉄が含まれているのが通例だが、この天体からは鉄よりもニッケルが豊富に含まれていることがわかっている。

 さらに、放出されるガスに含まれる二酸化炭素と水の比率が異常に高いことも確認されている。

 二酸化炭素が凍るには非常に低い温度が必要なため、この天体が太陽系の果てよりもさらに冷え切った、過酷な環境で誕生したことを示唆している。

 2月末にデータが揃ったことを受け、科学チームは現在、3I/ATLASの内部がどうなっているかを探るため、複数の装置を用いた解析を本格化させている。

 JANUSカメラが捉えた「尾の形」から核の回転や密度を割り出し、赤外線分光計(MAJIS)が捉えた「光の波長」を分析することで、表面の下に眠る氷やガスの正確な比率を特定する予定だ。

 これにより、以前から指摘されていた「鉄の欠如」や「異常な比率の二酸化炭素」が、天体のどの部分に、どのように分布しているのかを解明しようとしている。

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Image credit:estt

探査機JUICEの最大の目的

 今回の観測で大きな役割を果たしたJUICEは、ESAが進める大規模な宇宙探査ミッションだ。

 主な目的は、木星の周囲を回る3つの大きな氷の月(ガニメデ、カリスト、エウロパ)を詳しく調査することにある。

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Image credit:spacecraft: ESA/ATG medialab; Jupiter: NASA/ESA/J. Nichols (University of Leicester); Ganymede: NASA/JPL; Io: NASA/JPL/University of Arizona; Callisto and Europa: NASA/JPL/DLR

 これらの月の地下には巨大な「海」が存在すると考えられており、JUICEはその海が生命を育める環境かどうかを確かめるために、8年近くかけて木星へと向かっている。

 本来の任務は木星系の調査だが、今回のように旅の途中で遭遇した未知の天体を観測することも、宇宙の成り立ちを知るための貴重な機会となっている。

References: ESA

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この記事へのコメント 4件

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  1. 宇宙の様々な謎が解明されていってワクワクします、探査機だけでなく、人類はいつか太陽系外にも進出して惑星移住もするのかな…
    戦争やミサイル、核開発なんかに使う資源やお金あるなら、もっと有益な全人類の為になる深海探査や宇宙探査に使えばいいのになぁ。

    • +7
  2.  中途追加ミッションだから道中で得る情報がこんなに多くなると思わなくて転送に時間がかかったということですね。 しかし……探査機も流し撮りできるんですね、びっくりしました。←よく考えれば当たりまえ。  120 枚の画像をいろんな切り口で評価し解析して新たな知見を得るなんてすごく地道で大変な作業だと思います。 でも太陽系外の物質の資料が間近に迫ってきて太陽系内でのふるまいを画像だけでも得られたならそれはやっぱり興奮モノで、今後の成果に期待してます

    • +4
  3. 何万光年先の銀河なら組成が異なって当然だが、物理的に飛翔できる極短距離の星系の組成がここまで異なるのは想像外
    想定していた宇宙の歴史がひっくり返る可能性があるな

    • +3
  4. ニッケルの気体というとテトラカルボニルニッケルかな?
    ニッケルに一酸化炭素が4つテトラポットみたいについている構造をしている
    二酸化炭素が豊富というのも関係ありそう

    • +2

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