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「美ラクダコンテスト」で美容整形をした20頭のラクダが失格に(オマーン)

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(著) (編集)

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Image credit:Sergey201982
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 アラビア半島のオマーンで開催された「2026年・美ラクダコンテスト」が、前代未聞のスキャンダルに見舞われた。

 なんと、ルールで禁止されている「美容整形」の施術を受けていたラクダ20頭が、失格処分になったのだ。

 ラクダたちは見た目を良くするために、それぞれボトックスやヒアルロン注入といった美を追求する人間がするような施術を受けていたという。

「美ラクダコンテスト」のために整形したラクダが失格処分

 この珍事が起こったのは、2026年2月下旬、オマーン北部のアル・ムサンナで毎年開催されている「マザイナ(Mazayna )」と呼ばれる美ラクダコンテストである。

 コンテストは砂漠に生きるラクダの美の基準をもとに、犬のドッグショーに近い形式で行われる。

 評価対象となる「理想的なラクダ」の主な審査基準は以下の通り。

  • 自然で光沢があり、はっきりと識別できる色をした毛並。明るいほど良い
  • 長くて細いが幅が広く、豊満で優雅な首
  • 直立して大きく、身体の他の部分と釣り合いの取れたバランスの良い頭部
  • ふっくらと垂れ下がった魅力的な唇。上唇には裂け目があるとなお良い
  • 長くて黒い、美しいまつ毛
  • 大きく整った形の良いコブ
  • 正面からも横からも見える顎
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image credit: Instagram @ourmussanah

 そして今回、こういった審査基準をクリアするために、20頭のラクダたちに、人間顔負けの「美容整形」が行われていたというのである。

 今回の不祥事は、コンテストの際に常駐していた獣医師らによる、厳格な検査によって発覚した。

 主催者側の発表によれば、失格となったラクダたちには以下のような不正工作の痕跡が認められたという。

  • 唇をよりふっくらと見せるための「ヒアルロン酸やフィラーの注入」
  • 顔の筋肉を弛緩させて表情を和らげるための「ボトックス注射」
  • 鼻の形を整えるための「シリコン挿入」
  • コブをより大きく、力強く見せるための「空気や特殊な物質による膨張」
  • 筋肉の発達を促すための「ホルモン剤の投与」
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image credit: Instagram @ourmussanah

伝統的な美の競い合いが変わってしまった理由

 オマーンやサウジアラビアといった中東の湾岸諸国において、ラクダは単なる家畜ではなく、ベドウィンの文化遺産を象徴する極めて重要な存在だ。

 ではなぜラクダのオーナーたちは、美ラクダコンテストのために、ここまで強引な手段に出るのか。その答えは単純だ。

 第一に、優勝者には莫大な賞金が与えられる。第二に、優勝したラクダは種馬ならぬ種ラクダとして、その種付け権が莫大な経済的利益をもたらすのである。

 賞金額は数百万ドルとも数千万ドル(数億~数十億円)とも言われ、優勝したラクダのオーナーは一夜にして億万長者になる。

 この破格の賞金が、ラクダのブリーダーやオーナーが一攫千金を狙い、禁断の美容整形になりふり構わず手を出してしまう理由になっているのだ。

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image credit: Instagram @ourmussanah

動物福祉の観点からも懸念が

 こうした行為は単なる不正にとどまらず、動物愛護の観点からも深刻な問題を孕んでいるという。

 獣医師らは、見た目を良くするための美容施術が、ラクダの健康に深刻な悪影響を与えることを警告している。

 例えば、ボトックス注射はラクダの咀嚼や水を飲む動きを困難にし、注入されたフィラーが慢性的炎症を引き起こすリスクがある。

 そしてホルモン注射は内分泌系のバランスを乱し、不妊症をを引き起こすなど、生殖能力に問題をもたらす恐れがあるという。

 つまり、見た目の美しさを追求した結果、ラクダたちの基本的な身体機能そのものが損なわれてしまう危険性があるというのだ。

 ラクダへの美容整形は単なる審美的な問題ではなく、動物虐待に等しい行為だと言えるだろう。

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image credit: Instagram @ourmussanah

繰り返し起こる「整形」による不正

 実は、こうした「整形」によるラクダの失格は今回が初めてではない。隣国のサウジアラビアでも2018年に12頭、2021年には40頭以上のラクダが、同様の理由で失格処分を受けている。

 サウジの事件も発生当時は大きな話題となったが、今回のオマーンでの事件は、この問題がいまだに解決されていないことを示している。

 今回オマーンで起きた一連の失格騒動も、こうした問題が現在も続いていることを示す出来事だと言えるだろう。

 華やかな賞賛の影で、ラクダたちは人間の欲と虚栄心のために、身体に針を突き立てられ、薬剤を注入されているのだ。

 ラクダたちは重い荷物や人間を運んでくれたりと、いろいろお世話になっているんだから、それぞれの個性や特技を生かした、ねぎらうための大会であってほしいね。

References: 20 Camels Diqualified from Oman Beauty Contest for Botox Fillers and Plastic Surgery / Irishlegal

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この記事へのコメント 13件

コメントを書く

  1. 美人コンテストとかは当人の意思でいじくるパターンも多かろうが、これはなぁ

    • +32
  2. 動物の整形なんて人間と比べても質が低い施術だろうしひどい話だな

    • +46
  3. 人間も美容整形をしたコンテストを失格にするべき

    • +24
  4. >長くて細いが幅が広く、~な首

    どっちやねん!と思ったが、
    美しいラクダの条件をググったら、首は「wide」かつ「lean」か。
    「細い」というか、「ダルダルと無駄な脂肪がなく引き締まった肉付き」な感じ?

    • +6
  5. 🐪 「そんなにカネ余ってるなら
       世界平和とか有意義に使ってほしいダ。」

    • +4
  6. 人間のエゴで犠牲になったわけで、ラクダたちは声を上げられないし気の毒。
    お金目当てに整形とはひどすぎる。
    こういうコンテストも見直しが必要では?

    • +16
  7. 親ガチャ飼い主ガチャハズレると
    その時もちろん辛いけど
    その後の生涯もね…

    • +4
  8. 検査をする獣医師を買収するオーナーもいると見た

    • +5

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