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君はともだち。密猟で母を失い孤児となったサイの心の支えとなったのは羊だった

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(著)

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Image credit: Hoedspruit Endangered Species Centre
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 南アフリカで、目の前で母親を密猟者に殺され、孤独に震えていたシロサイの赤ちゃんが絶滅危惧種の保全センターに保護された。

 ガージーと名付けられた生後3ヶ月のシロサイに最も必要なのは、深い愛情だった。

 そこでセンターは、ガージーの心を癒すために1匹の動物を施設に招いた。それが羊のラミーだ。

 種類も大きさも全く違う2匹だが、この試みは驚くべき結果をもたらし、ガーティとラミーは強い絆で結ばれた大親友となった。

孤児のサイの癒し担当に抜擢されたのは羊

 2014年8月4日、南アフリカのホードスプルイト絶滅危惧種センター(Hoedspruit Endangered Species Centre:HESC)に、ペディ種の子羊であるラミーが到着した。ペディ種は南アフリカ固有の品種で、非常に穏やかで忍耐強い性格が特徴だ。

 ラミーは、孤児となったシロサイのガージーの心の支えとなる癒し担当(感情サポートアニマル)になるという任務を背負っていた。

 ガージーは生後わずか3カ月の頃、密猟者に母親を殺された。母親の遺体のそばで発見されたガージーは、保護されて施設のケアを受けたが、深い孤独にさいなまれており、愛情と温もりを必要としていた。

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Image by Istock Paul-Briden

 シロサイは主にアフリカ南部に生息し、陸に住む動物の中ではゾウに次いで大きい。体重は2トンから3トンを超え、地面に生えた草を食べるために平たく広い口を持っている。

 かつてはアフリカの広い範囲に生息していたが、薬や装飾品として利用される角を狙った激しい密猟により、一部の地域では絶滅した。

 現在も絶滅の危機に瀕しており、ガージーのような孤児が生まれる最大の原因も密猟だ。

 サイの仲間は単独で行動する種類が多いが、シロサイは例外的に高い社会性を持っている。

 特にメスと子供はクラッシュと呼ばれる群れを作り、寄り添って生活する性質がある。母親から愛情を受け、仲間とコミュニケーションを取る時間は、子サイが健やかに育つために絶対に欠かせない。

 適切な代わりのサイがいない状況の中、施設は羊のラミーを抜擢したのだ。

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Image credit: Hoedspruit Endangered Species Centre

羊がサイの友達として選ばれた科学的理由

 羊とサイは、見た目は全く異なるが、共通点もある。 どちらも哺乳類で、蹄(ひづめ)を持つ有蹄類(ゆうているい)の仲間だ。

羊は偶蹄目、サイは奇蹄目に分類され、およそ5500万年から6500万年前に進化の道が分かれた。

 指の数は違うが、どちらも草を食べる動物であるため、同じ場所で生活させる飼育管理の面で都合が良い。

 羊は他の種類の動物とも仲良く草を食み、攻撃的になることも滅多にない。

 社会性が高く、群れを作る本能が強いため、どんな相手でも自分の仲間として受け入れる力を持っている。

 2022年、ポーランドのルブリン生命科学大学の研究で、ヤギが孤独な馬のストレスを軽減させることが判明した。異種の動物との接触で社会的孤立が最小限に抑えられるというものだ。

 それと同様の理由で、サイのパートナーとして羊が選ばれたのだ。

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Image credit: Hoedspruit Endangered Species Centre

 まだ子供のうちの羊なら、孤児となったサイと友情関係を築くことができるし、親代わりになって面倒も見てくれる。

 そしてその試みは大成功に終わった。

 ガージーとラミーはすぐに打ち解け、お互いになくてはならない唯一無二の相棒となった。

サイと羊、種を超えた友情が次々と育まれる

 ガージーとラミーの仲睦まじい幸せそうな姿を見て、施設は孤児のサイと羊をパートナーとして引き合わせる取り組みを開始した。

 施設に到着したばかりの孤児のサイは、トラウマを抱えて怯えているが、穏やかな羊が寄り添うことで、サイは心の安らぎを取り戻す。

 施設はラミーの他に、ミーリエ、ヴローイ、バベットといった羊たちを、複数の孤児のサイとペアにすることに成功した。

 夜間、羊たちはサイと一緒に囲いに入れられ、サイに寄り添って眠ることで安心感を与えている。

 エスメというサイとミーリエは幼い頃に出会い、共に成長した。

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Image credit: Hoedspruit Endangered Species Centre

 サイのタバは、最初の相棒だった羊のバベットが亡くなった後、ヴローイが役割を引き継ぎ、深い絆で結ばれている。

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Image credit: Hoedspruit Endangered Species Centre

 異種の動物が仲睦まじく一緒にいる姿は、野生ではめったに見ることができないが、保護施設や飼育下においては珍しいことではない。

 異種の動物たちが一緒に育つ中で、切り離せない絆が生まれることがあるのだ。

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この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. 少額だけど寄付します

    • +13
  2. 先ほどコメントした者です
    ホードスプルイト絶滅危惧種センターのサイトからDONATEしようとしたところ
    「この受取人への寄付は、この国ではサポートされていません」
    とPayPalのエラーが表示されて寄付できませんでした…

    • +10
  3. ともだちができてよかったね

    • +20
  4. なんで動画こんな威嚇されまくってるんだ

    • +2
  5. 羊の走り方を必死に真似てるサイ、カワヨ

    • +5
    1. ガージーは、頭の中ではラミーのように、飛ぶように軽やかに跳ねてるんだろうね!

      • 評価
  6. ガージーは羊のように跳ねようとしているみたい。
    仲良しさん、可愛い。

    • +5
  7. かわいいい…尊い…

    密猟者地獄に堕ちろ(シンプルに憎悪を燃やすおじさん

    • +2

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