この画像を大きなサイズで見るクジラが海面で豪快に潮を吹く姿は、北極の豊かな自然を象徴する光景だ。しかし最新のドローン調査によって、その潮吹きの中に恐ろしい脅威が潜んでいることが明らかになった。
世界各地ではクジラやイルカが一度に大量に岸へ打ち上げられる「大量座礁」が相次いで発生しており、生態系への深刻な影響が懸念されている。
研究チームはドローンを使い、クジラを傷つけることなく潮吹きに含まれる呼気を採取した。その結果、大量死の一因とされる致死性のウイルスを北極圏で初めて検出した。
この発見は、急速な環境変化にさらされる北極の海洋生物たちが、かつてない感染症のリスクに直面していることを示している。
この研究成果は『BMC Veterinary Research』誌(2025年12月18日付)に掲載された。
世界各地で発生するクジラやイルカの大量座礁
近年、世界中の海岸でクジラやイルカが群れをなして座礁する悲劇が後を絶たない。この大量死の背後には、さまざまな要因が複雑に絡み合っているとされている。
たとえば、太陽嵐による磁場の乱れがクジラの持つ磁気コンパスを狂わせるという説や、軍用ソナーによる強力な水中騒音がパニックを引き起こすという研究結果も報告されている。
こうした要因と並んで、目に見えない大きな脅威となっているのがウイルスによる集団感染だ。
今回、研究チームは鯨類モルビリウイルス(Cetacean morbillivirus)という病原体に注目した。
このウイルスは感染したクジラ類の免疫力を奪い、呼吸器や神経系に致命的なダメージを与える。一度感染が広がれば、物理的なストレスで弱った個体群に決定的な打撃を与えることになる。
この画像を大きなサイズで見るドローンでクジラの噴いた潮からサンプルを回収
イギリス、キングス・カレッジ・ロンドン、ノルウェー、ノードランド大学などによる国際研究チームは、ノルウェー北部の海において、ザトウクジラやマッコウクジラ、ナガスクジラの頭上にドローンを飛ばした。
ドローンには滅菌されたシャーレが取り付けられており、クジラが激しく呼吸をする瞬間に立ち上る潮吹きを直接受け止める。
潮吹きとは、クジラが勢いよく排気した呼気が周囲の水滴と共に噴き上がる現象だ。
この調査は、動物に物理的な接触をしたりストレスを与えたりしない非侵襲的な手法を採用している。
キングス・カレッジ・ロンドンの地球環境変動学教授、テリー・ドーソン氏は、このサンプリング手法が野生動物の病原体を監視する上で画期的な手段であると述べている。
この画像を大きなサイズで見る北極圏で初めて確認された致死性のウイルス
研究チームは2016年から2025年にかけて、北大西洋からアフリカ西海岸の島国であるカーボベルデに及ぶ広い海域で調査を実施した。
採取したサンプルを分子生物学的な手法で詳しく分析したところ、ノルウェー北部のザトウクジラの群れや、体調を崩したマッコウクジラから鯨類モルビリウイルス(Cetacean Morbillivirus:セタシアン・モルビリウイルス)が検出された。
このウイルスは1987年に発見されて以降、世界中でクジラやイルカの大量死を何度も招いてきた恐ろしい病原体だ。
ハクジラ類(イルカ、シャチ、マッコウクジラなど)やアザラシなどの鰭脚類(ききゃくるい)に広く感染し、感染した個体は重度の肺炎による呼吸困難や、筋肉の震え、方向感覚の喪失といった神経障害を引き起こす。
さらに、ウイルスは深刻な免疫抑制を招くため、感染した動物は他の細菌やウイルスによる二次感染症にかかりやすくなり、結果として高い致死率を示すことになる。
感染は主に飛沫や直接の接触によって広がり、母乳や胎内を通じて親から子へ感染することもある。
これまでは比較的温かい海域での流行が目立っていたが、北極圏という過酷な海においてもこのウイルスが循環している事実が初めて確認された。
この発見は、座礁のリスクが北極圏の巨大クジラたちにも確実に及んでいることを強く示唆している。
この画像を大きなサイズで見る密集した餌場での集団感染と海洋生態系への影響
今回の調査ではクジラの座礁に関係があるとされる鳥インフルエンザウイルスなどは見つからなかったが、多くの個体からヘルペスウイルス(Herpesviruses)が確認された。
研究チームは、冬の餌場に多くのクジラや海鳥、そして人間が密集する場所で、ウイルスが爆発的に広がるリスクを懸念している。
ノードランド大学のヘレナ・コスタ氏は、太陽嵐や騒音といった外部のストレス要因が重なることで、クジラの健康がさらに損なわれやすくなると指摘した。
研究チームは今後もドローンによる長期的な監視を継続し、変化し続ける北極の生態系を病原体の脅威から守るための具体的な対策を検討していく方針だ。
References: Eurekalert / Eurekalert
















深海のYrr?
フグ毒は関係ない?
ウイルスって湿度が高いと活動が鈍ったり
死滅したりするほど水分に弱いのに、
海洋哺乳類にも感染するんだな。
湿気に絡めとられて墜落して感染力が弱まるのは陸上性ウイルスの場合ね
海洋性ウイルスも沢山…というかはるかに多く多様なものがいると思う
ただ水分に弱いだけなら体の中で増殖できないし飛沫感染もしないよ
ウイルス最強
ちいさいものほど、きょういと、
いうせつは、コロナウイルスを馬鹿にしたじゅんばんとのにんげんかんけいのうんめい。
クジラ用のマスクを作らねば
麻疹ウィルスなのね
クジラと近接する場合もマスクが居るんだろうか
死骸を捕食するスカベンジャーの熊とかに感染したら怖いね
麻疹ウイルスは、牛疫ウイルスが起源らしいです
天然痘と牛痘の関係を考えれば
熊がクジラからウイルスをもらったとしても発病することなく免疫ができることになるでしょう
最悪でも、エボラのように感染が拡大する前に終息してしまうとも
麻疹ウイルスの場合は、偶然できた突然変異を拾ってしまうほどの密接さがあったわけです
鳥インフルエンザが人に感染する場合は、濃厚接触であることを考えても気にする必要はないでしょう
鯨は泳がないと暴れるのだから
呼吸器感染はつらいと思う
スマン
「泳がないと溺れる」だ
間違えてしまいました
アインシュタインはウイルスで人類が滅ぶと予言してた
そのうち海産物が食べれなくなったり…
食卓から海産物が消えるかも
「クジラ版インフルエンザ」とイメージすれば良いのかな?
肺を持つ生き物である限り、呼吸器系の感染症に悩まされるのは陸も海も変わらないって事なんだね
人が吹く潮は大丈夫ですか?
クジラにとって座礁するっていうのは自殺行為だけど、それどころじゃないくらい辛い何かがあって海から出たいという衝動に駆られるのだろうか?動物なら、溺れると判断したときは上陸したいと思う本能が、クジラにも残ってて、肺炎で呼吸困難になったらそのスイッチが入るのかもしれない。