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バージニア州の海岸に青くて丸い「ブルーボタン」が続々漂着。その正体は?

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(著) (編集)

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Photo by:iStock
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 バージニアビーチは、美しい砂浜と穏やかな波で知られる観光地だが、2025年9月、思わぬ侵入者によって注目を集めることになった。

 サンドブリッジやダムネックの浜辺に、「ブルーボタン」と呼ばれる奇妙な海洋生物が打ち上げられているのが相次いで報告されたのだ。

 大きさは硬貨ほどで、ボタンや銀貨と命名されるのもわかる気がするお手頃サイズ。何だろう?とつい拾い上げて見たくなるかもしれない。

 だが、日本では「ギンカクラゲ」と呼ばれるこの生き物。微弱ではあるが毒を持っているそうなので、もし見かけてもそっと遠巻きに眺めておくのが吉のようだ。

バージニアの浜辺で目撃情報が次々と

 アメリカのバージニア州にあるバージニアビーチで、2025年9月上旬から目撃談が増えたのが、「ブルーボタン」こと和名「ギンカクラゲ」と呼ばれる生き物だ。

 バージニアビーチのサンドブリッジやダムネックの浜辺で、ビーチを訪れた人々が写真を撮影し、次々とSNSなどに目撃報告が寄せられるようになったという。

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image credit: Facebook @Julie Daniel Harshaw

 バージニア水族館・海洋科学センターによると、ギンカクラゲは自分で泳いだり移動したりはできず、風や海流に流されて漂うだけだという。

 その姿はコインほどの大きさしかなく、ゼリー状で青や緑の縁取りに透き通った円盤を持ち、海面にぷかりぷかりと浮かんでいる。

 もともとは熱帯~亜熱帯域の海に生息する生き物で、日本にも黒潮に乗ってやって来ては、海岸に漂着することがよくあるそうだ。

Blue button spotted on beach at Dam Neck in VB

ハリケーンの影響で流れてきたギンカクラゲ

 だが、ふだんあたたかい海で暮らしているギンカクラゲが、バージニアビーチまで漂流してきたのはなぜなのか。

 原因として指摘されているのは、8月中旬に大西洋を北米大陸の海岸沿いに進んだハリケーン「エリン」である。

 このハリケーンが暖かいメキシコ湾流をかき乱し、ギンカクラゲを北へと押し上げたのではないかと見られているのだ。

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枠内斜線のあたりが、今回ギンカクラゲが多数発見された場所 image credit: GoogleMap

ギンカクラゲとは?

 ギンカクラゲの学名はPorpita porpita。和名ではクラゲと呼ばれているものの、ヒドロ虫綱に属する生き物で、複数の個虫が集まって1匹の生物のように機能する「群体性クラゲ」の一種である。

 バージニア水族館のロバート・ドノバン氏は、ギンカクラゲの正体について次のように説明する。

これは厳密にはクラゲではありません。ゼラチン質の生き物ではありますが、「真のクラゲ」の条件には当てはまらないのです。

カツオノエボシに似ていて、群体を作る点で同じです。つまり、1匹の生物ではなく、複数の小さな生き物が集まって、あたかも1匹のように見えているのです

 ギンカクラゲは、中央の円盤に多数の「個虫(ポリプ)」が付着してそれぞれが摂食や生殖などの役割を分担して群体を形作っている。

 その基盤となるのが、真ん中の丸い円盤状の浮遊体だ。触手のように見える部分が個虫で、中央の丸い円盤部分はキチン質でできているそうだ。

 この部分がコインやボタンのように見えることから、ブルーボタンやギンカクラゲなどといった名前がついたのだろう。

 基本的には青色が多いが、中には黄色い個体が現れることも。そうなると「銀貨」ではなく「金貨」クラゲと呼ぶらしい。

 円盤はポリプが集まって作られるわけではなく、受精卵から生じた幼生(プラヌラ)が成長する過程で、外皮が特殊化して繊維質の円盤を形成するらしい。

 つまり、個虫の群体が取りつくための「浮き」がこの円盤で、最初から専用の器官として作られるのである。

 円盤ができあがると、その下面に多数のポリプが触手個虫、生殖個虫、栄養個虫などに分化して付着する。

 役割とは摂食や生殖を担当するポリプなど役割はさまざまで、全体でひとつのクラゲのように振る舞うのだ。

Mesmerising Blue Button Jellyfish

触るな危険!見かけても触らないように

 手ごろなサイズ感で思わず拾ってしまいたくなるのだが、触手には刺胞という毒針があり、刺されると痛みや腫れといった症状が現れることもある。

 先述のドノバン氏も、「決して触らないように」と警告している。

小さくて見た目はきれいですが、近づかないようにしてください。ギンカクラゲや他の浮遊性ヒドロ虫類を水中で見かけたら、最善の行動はすぐに水から出ることです。

刺し傷は危険で、かなり強力です。砂浜に打ち上げられていても触らないでください。拾い上げたりもしないように。ビーチで見かけたら、できるだけ距離をとるのが一番です

 命にかかわるような毒ではないものの、不快には違いない。打ち上げられて乾いているように見える場合も、刺胞が残っていることもある。

 中にはアレルギー反応を起こす人もいるそうなので、海岸で見かけてもみだりに触らないようにしよう。

黒潮にギンカクラゲって激レア現象!

References: Strange 'Blue Buttons' Wash Up On Virginia Beaches, Experts Issue Warning: "Quite Potent"

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この記事へのコメント 22件

コメントを書く

  1. 有性生殖のために精子や卵子が作られるわけですが
    直接ではなく生殖用のクラゲ型個虫が一度にたくさん作られて
    それが海中を漂い精子や卵子を作るみたいなんですよね
    精子や卵子だけでは、寿命が足りないってことなんでしょうね

    • +7
  2. 「邪」が邪魔?

    > 風邪や海流に流されて
    とあります。

    • 評価
  3. 青い漂着物を見つけても酷い目に合うから触らない
    カラパイアで学習済み

    • +17
  4. 海辺にいる青くてきれいな生物って毒が強いんだな
    覚えておくよ

    • +13
    1. 10歳年をとるんだっけ?
      、、宇宙スペースナンバーワン!

      • +3
      1. 年をとる方はキャンディだな

        ブンドル、ケルナグール、カットナル
        このネーミングセンスはタツノコプロに匹敵する
        一番気にいってるのは
        ウヨッカー、サヨッカー、マンナッカー

        • +5
        1. 俺はマクロスの
          ワレラ、ロリー、コンダー
          がお気に入りです!

          • +4
  5. 海って怖い生き物多すぎる、、
    海無し県サイコー!
    岐阜に生まれて良かった〜
    あ、生まれは三重だった、、

    • +6
    1. 危険生物で言えば山も大概な気がするわ
      クマやらイノシシやらハチやらブユやらマムシやら・・・

      • +13
  6. クラゲちゃんきれいだし好きなんだけど毒がなー
    ビゼンクラゲ系らしいものすっごいホイミスライムみたいなのが
    今夏SNSで話題になってたっけ

    • +1
  7. これは群体だったんだ・・・
    知らなかった
    モニタ越しにすらショックを受けた

    • +10
    1. クリオネとかもそうだけど、なんでこんなものっすごい偏食になったんだろうな

      • +2
  8. いつもギンガクラゲなのかギンカクラゲなのかわからなくなる

    • -2
    1. 波打ち際に500円玉みたいなのがポツポツ落ちてるから何だろう?って近寄ってみたら、触手が殆ど千切れてしまったギンカクラゲ達だった。この時「だから『銀貨』なのか」ってなったわ。

      • +4
  9. 今さっきヤフーのニュースで
    和歌山の白浜海岸にギンカクラゲ
    大量漂着のニュースが!
    みんな、チャンスだぜ!?

    • +2
  10. 透明なコップに入れて下から見上げてご覧な、すっごい綺麗なんだから。

    • 評価

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