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雷の世界最長記録を更新、その距離なんと829kmのメガフラッシュ(アメリカ)

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(著)

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image credit:unsplash
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 2017年、アメリカのテキサス州からカンザス州にかけて、なんと829kmもの距離を一気に走った稲妻が観測された。これは、東京から広島までをつなぐほどの距離に相当する。

 2025年7月31日、世界気象機関(WMO)は、この雷を”1回の雷が水平方向に移動した最長距離”として、に世界記録に認定した。

  この現象は「メガフラッシュ・ライトニング」と呼ばれ、通常の雷とは異なるメカニズムで発生する。大気の中に広がる巨大な雷雲の構造が深く関係していることが、観測と分析から明らかになっている。

 この研究は『Bulletin of the American Meteorological Society』誌(2025年7月31日付)に掲載された。

アメリカ中部で記録された史上最長の稲妻

 記録が確認されたのは、2017年10月22日、アメリカ南部のテキサス州東部から、中西部ミズーリ州カンザスシティ近郊にかけて発生した雷で、その長さは829kmに及んだ。

 これは2020年4月に記録された768kmを大きく更新するもので、誤差は±8kmとされている。

 雷が観測されたのは、アメリカ中部を広く覆った大規模な嵐の中だった。

 この日には他にも複数の長距離雷が確認され、3件が詳しく分析された。その結果、メガフラッシュの定義が見直されるとともに、新たな世界記録が認定された。

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2017年10月22日の嵐の際、GOES-16気象衛星が記録した、全長515マイル(約829km)におよぶ記録的な「メガフラッシュ・ライトニング」の画像。赤い円はプラスの電荷を持つ雷の枝を、青い円はマイナスの電荷を持つ枝を示している。 / Image credit:World Meteorological Organization, American Meteorological Society

技術の進歩が記録の認定を可能に

 この雷が最近になって記録として認定された背景には、気象衛星の技術的な進歩がある。

 2017年当時には検出できなかった現象が、近年の高精度な観測機器とデータ解析によって初めて確認されたのだ。

 WMOの気象・気候極端現象担当報告官、ランドール・セルベニー氏は次のように述べている。

雷は、発生した嵐からかなり遠くまで伝わることがあります。晴れ渡った空に突然雷が鳴るといった、予期せぬ現象が起きるのです(セルベニー氏)

 これは日本語でいう「青天の霹靂(へきれき)」にあたる現象で、英語でも「a bolt from the blue」という同様の表現が使われている。

 どちらも、「まったく予想していなかった突然の出来事」を意味する慣用句である。

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世界最長の雷をデータに基づきアニメーション化 / Image credit:Georgia Tech Research Institute

メガフラッシュ・ライトニングとは何か

 「メガフラッシュ・ライトニング」とは、雷の光が雷雲の中を水平方向に非常に長く伝わる現象である。

 通常の雷は雲と地表の間で発生し、その距離も10km未満であることが多いが、メガフラッシュは雷雲の中を横に数百km以上も移動する。

 このような雷は、上空約3,000〜5,500mの中層から上層にかけて発生し、地上からは見えにくい。

 そのため直接的な被害は少ないものの、航空機の運航に影響を及ぼしたり、遠く離れた場所での落雷や山火事の原因となることもある。

 発生には、大気中で暖かく湿った空気と冷たく乾いた空気が衝突することが必要で、アメリカ中西部、南米、フランス南部など、特定の地域でのみ確認されている。日本での発生はきわめてまれである。

雷に関するその他の記録

 WMOでは、今回のような長さの記録だけでなく、世界中で観測された極端な雷の記録を公式に認定している。以下はその一例である。

・最長継続時間:2020年6月18日、ウルグアイとアルゼンチン北部で観測された17.102秒(誤差±0.002秒)

・間接的な最多死者数:1994年、エジプトのドロンカで落雷によって石油タンクが火災を起こし、469人が死亡

・単独の落雷による最多死者数:1975年、ジンバブエの小屋に落雷があり、避難していた21人が死亡

雷は「身近な脅威」

 雷は自然現象としては身近な存在だが、時に人命や社会に大きな影響を与えることがある。

 今回の記録は、過去に発生していた現象が技術の進歩によって初めて明らかになった例であり、今後も同様の記録が更新されていく可能性がある。

 極端な雷現象の解明は、防災や航空安全の分野においても重要な役割を果たすと考えられている。

References: Ametsoc.org / WMO / Eurekalert

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この記事へのコメント 9件

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  1. これ発電量に換算したらどれくらいの
    電力量なんだろうね。

    • +11
    1. 蓄電や送電の課題を解決して、なんとかこの電気を利用させて頂きたい…

      • +3
    2. 1・21ジゴワットってじっちゃがいってた

      • +2
    3. 日本だと 300 クーロンくらいが大きいほうみたいですが、今回の記事のように水平方向に長いとなるとどれくらいの電荷量になるか想像つきません。 元の論文の pdf をダウンロードして coulomb で検索しても特に引っかからなかったのでその辺はまだ計算されていないのではないでしょうか

      • 評価
  2. 雷雲?まだ828kmも離れているからへーきへーきw

    • +10
  3. 直線距離で829kmなら東京から広島どころか九州まで届いちゃうな
    (グーグルマップによると東京駅~関門橋までが826kmほど)

    • +9
  4. 雷鳴の恐怖症だからもう一生テキサスに行けないと思ったけど上空の出来事だから落雷の音はしなかった感じ?

    • +1
    1. そもそもテキサスを含めたアメリカ中南部はかなり雷が多い地域だからどのみち…

      • 評価

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