この画像を大きなサイズで見る地震や鉱山事故といった災害時、崩れた建物などに閉じ込められた被災者をいかに早く見つけ出すかが、生死を分けるカギとなる。
未来の世界では、その役目をサイボーグ昆虫が担うかもしれない。
オーストラリア・クイーンズランド大学の研究チームが開発したのは、マイクロチップ内蔵の“バックパック”でサイボーグ化された生きた「ゴミムシダマシ」だ。
この小さなレスキュー隊員はゲーム用コントローラーで操作可能で進行方向を指示できる。リモート操作によって瓦礫の隙間を自在に移動し、生存者を見つけ出すという驚きのポテンシャルを秘めている。
この研究は『Advanced Science』(2025年6月5日付)に掲載された。
甲虫の能力をサイボーグ化で制御
この研究を主導したタング・ヴォー=ドアン博士によれば、甲虫にはもともと複雑な環境に適応する優れた能力が備わっているという。
たとえば、能動的に動いて複雑な地形に対応する足裏、あるいは鋭い感知能力など、こうした天賦の才は、従来の小型ロボットでは容易に進めない難所をすいすいと移動することを可能にする。
瓦礫のような狭く複雑な空間はロボットには難所です。ですが甲虫には、そうした場所を登ったり、巧みに移動したりするための多彩な能力が生まれつき備わっています(ヴォー=ドアン博士)
そうした甲虫の力を自由に制御することができれば、すべてが機械で作られたロボットよりずっと優れた生体ロボットを開発できるかもしれない。
そのためにヴォー=ドアン博士らが考案したのが、甲虫をサイボーグ化するというアイデアだ。
この画像を大きなサイズで見る左右にも垂直方向にも、サイボーグ甲虫の機動力を確認
そもそも「サイボーグ」とは、「サイバネティック・オーガニズム」の略で、機械的なパーツと生物が融合した存在を指す。
この機械と生体の体を持つ存在を誕生させるために作られたのが、マイクロチップを内蔵した小型のバックパック(リュック)である。
今回はこれを中南米原産のゴミムシダマシの仲間(Zophobas morio:ゾフォバス・モリオ)の背中に装着。
バックパックはゲーム用コントローラーと連動しており、その操作に応じて内蔵された電極がゴミムシダマシの触角や上翅を刺激する。すると、それに応じてゴミムシダマシの体が動くのである。
実験では、サイボーグ・ゴミムシダマシを左右に操れるだけでなく、垂直の壁を登れることも確認された。
ヴォー=ドアン博士によると、このサイズの機械式ロボットにとって、垂直の壁は非常に厄介な地形なのだという。
だがサイボーグ・ゴミムシダマシは、それを難なく登ってのける。その動きはパワフルで、ゴミムシダマシの自重と同じ重さのバッテリーを背負ってすらも、ぐいぐい壁を登るのだ。
なお研究チームは、できるだけゴミムシダマシの寿命に影響しないような技術の開発を目指しており、バックパックは着脱可能であるそうだ。
この画像を大きなサイズで見る小型カメラ搭載も視野、災害時の“生きたドローン”に?
このサイボーグゴミムシダマシは「ゾボーグ(Zoborg)」と名付けられた。
将来的には、小型カメラや軽量電源を組み込むことで、災害現場における生きた“救助ドローン”としての活躍が見込まれている。
地震などで建物が倒壊したような状況において、閉じ込められた人をいかに迅速に発見できるかは、救助の成否に直結する重要な要素だ。
サイボーグ化された昆虫たちは、この重要な任務を機械のロボットよりずっと上手に遂行できると期待されている。
研究チームの最終的な目標は、厳しい環境を自在に移動し、被災者を見つけ、救助隊に次の一手を明確に示せるツールを開発することだ。
それはもはや遠い未来の技術ではない。研究チームは、このサイボーグ甲虫の実証実験を、今後5年以内に実際の災害現場で行えるよう開発を続けている。
ゴミムシダマシとは?
「ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)」は、世界中に2万種以上が知られる甲虫の一群で、乾燥地帯に適応した種が多い。
硬い外骨格と強靭な脚を持ち、地面や枯れ木の下、岩の隙間などに生息している。
名前の由来は「地面を歩き回る姿がゴミを漁っているように見える」ことからとされるが、実際には腐植質や植物の残骸を食べて生活している。
今回サイボーグとなったゾフォバス・モリオの寿命は、幼虫期が平均3〜5か月(低温ではさらに長くなる)、蛹期が約1〜2週間、成虫期が約4〜6か月ほどで、合わせると約8か月〜1年弱だ。
ゴキブリに似ていると思った人もいるかもしれないが、分類学的にも形態的にも全く異なる昆虫で、触覚が短く頭部の形が違うので見分けがつくかと思う。
追記:(2025/07/16)虫の名前を訂正しました。
References: Onlinelibrary.wiley.com / Uq.edu.au














何となく、ゴミムシダマシに見える
ゴミタマムシではなく,ゴミムシダマシではないかと。
虫嫌いなんだけど、この記事読んだらちょっと可愛く見えてきた
へぇ、飛べない虫なんだ。
危うく「飛べぬ」とか書くとこだった。
操られているあいだ、彼等は何を思いどう感じているんだろう。
例え虫でも、その意思を無視したやり方はどうにも嫌悪を感じてしまうなぁ。
せめて、苦痛が無いことを願う。
私虫嫌いなのよ!
これは裏を返せば、将来的にAIが人類より賢くなった暁には人間は争いいがみ合う、思うように操れない下等生命だが、脳とそれに繋がる四肢は高度なのでサイボーグ化してコントロールしたらすげえ使える
ってことにも繋がりそうね。
21世紀になってからこういう災害救助にも使える昆虫型ロボットは数々記事にはなるけどどれも実用化はない
この記事のは実用化して欲しいな
昆虫が嫌いな人の所にこの子らを向かわせると二次被害とか起きそうだなぁと思ったんですよ……
人間の方はもちろんゴミムシダマシの方にも……
なんかゴキブリに同じことしてるのあったような。
まぁゴキブリよりは見た目的にましか。
Gは動きの問題だと思うのよ。じゃなきゃクワガタとかと見た目そこまで大差ないよね?
クワガタが助けに来てくれるとテンション上がるんだが。コクワガタとかじゃ駄目だったのか?
軍事利用の方が先だろうな
つまり人造ハリガネムシだな?
災害にあって身動きが取れず、救助を待っている時にこれが来たら、
「いやぁぁ~!」
となって、ブチッ!とやっちゃうかも知れない。