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カリブ海の人気リゾート地がメキシコのカルテル抗争で無法地帯に

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(著) (編集)

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 メキシコの抗争中の4つの麻薬カルテルが、カリブ海沿岸128kmにわたるリゾートの支配権を巡って無差別な殺人を繰り返し、国の300億ドルの観光収入を横取りしているという。

 私立探偵のジェイ・エームズ氏によると、この抗争のとばっちりを受ける形で、アメリカ人や世界中からやってくる観光客が被害にあったり、凄惨な暴力を目の当たりにしたり、行方不明になったりしているのだという。

 もはや観光地は戦場と化しているのだ。

観光地で大規模なカルテル抗争が勃発、観光客が巻き込まれる

 観光客を巻き添えにするメキシコの激しい抗争は今まさに起きていることだ。

 2024年2月のここ2週間だけでも、カリブ海に面した有名な観光地カンクンで、カルテルのメンバーらがライバルギャングのメンバーをナタでバラバラにする凄惨な事件があった。

 人気のトゥルムビーチ近くでは、銃撃戦でカリフォルニア州から来ていた女性が死亡した。ニューヨークから来た男性は誘拐され、目隠しされて人里離れたジャングルの中に放置された。

 こうしたことは毎日のように全国ニュースで取り上げられる。

私たちには悪夢でしかありませんが、メキシコの人たちにとってはこんなことは日常茶飯事で、全国でいつでも起こりえることなんです。今やこれまで平穏だった場所でも惨事が起こっています

カルテル新世代の登場でもはや観光地は無法地帯に

 15~20年ほど前、カルテルのトップたちはイタリアマフィアのような鉄の掟に従って生きていたという。

昔は、女性や子どもを標的にすること、ほかのカルテルの縄張りを侵害することは許されていませんでした。

だから、リゾートは立ち入り禁止が暗黙のルールだったのです。カルテルはできるだけ目につかないようにしたがるのが常だったからです

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メキシコ、カリブ海沿岸のリゾート、カンクンのビーチで火曜日に銃撃戦が発生し、観光客が慌てて避難した / photo by iStock

 観光地で外国人、とくに米国人が殺されたことで、メキシコ政府、軍、警察から不必要に目をつけられ、強制的かつ迅速な措置をとられるはめになった。

 政府は、数十年にわたって国の合法な経済基盤となってきた観光業を守ろうと躍起になっている。

 メキシコ観光局と統計局によると、2022年だけでも海外からの観光客は6600万人にのぼり、そのうち3400万人はアメリカ人だ。

 ほとんどの観光客は、全到着便客の36.1%を受け入れるカンクン国際空港経由で到着し、カルテルの暴力など無縁だと安心して見事な白い砂浜で休暇を楽しむ。

 ところが実際は、そんな平和な砂浜も紛争地帯になってしまっているのだ。

「昔とはルールが変わってしまったのです」エームズ氏は言う。

今の若いギャングは昔の掟など旧態依然としていると考え、もはや気にする者もいません。リゾートはなんでもありの場所になってしまったんです

 旅行ブロガーやソーシャルメディアのインフルエンサーたちが、ギャングたちがこれまで見たこともない観光客の流入に拍車をかけている。

観光客は、カルテルにとって潜在的なお客、あるいは犠牲者にもなりえます。たとえそれがリゾート地の観光客の1%か5%でも、それは何百万のお客で、大きなビジネスの対象になります

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photo by iStock

4つの主要なカルテルによる観光地争奪戦

 4つの主要なカルテル、エル・チャポの古いカルテル、シナロア・カルテル、ガルフ・カルテル、ハリスコ新世代カルテルは、この地域でのすべてのビジネスを望んでいる。

 前任のセタスによって創設されたグルーポ・レヒオナルは小規模なカルテルだが、残忍で暴力的なことで知られている。

こうしたカルテルに所属している若造はなにに対しても敬意を払いません。なんでもありになってしまっています

 旅行者は、強盗や性的人身売買のターゲット、あるいは悪い場所で悪いタイミングで居合わせたなんの罪もない傍観者として暴力に巻き込まれてしまう。

麻薬戦争や麻薬密売の不幸な副産物のひとつは、カルテル同士の銃撃戦に必ずといっていいほど無実の人たちが巻き込まれることです

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photo by iStock

 2月9日、ロス出身のニコ・ホナルバクシュ氏(44)は、ベリーズの麻薬売人と共に殺害された。売人はコカインと、赤とオレンジの錠剤の入った透明な袋と、茶色の粒状の粉末が入った袋を持っていたという。

 これは、カンクンでめった切りにされて殺された男たちとは違う事件だった。

売人同士の争いで、わざとひと目につくようにした意図的な殺しだったのは、警告の意味があったのです。

遺体を車のトランクや通りに停めた車内に放置したり、橋から吊るすのは、カルテルがライバルにメッセージを送っているか、政治家に恐怖を与えているのです

Tropical resorts popular with Americans no longer ‘off limits’ for cartel killers

カルテルの暴力でマヤ遺跡に行くことができない

 近隣の人気観光スポットは、グアテマラ国境に近いチアパス州にあるマヤ遺跡だ。

 だがこれらマヤ遺跡へのルートは、カルテルの暴力によって実質的に遮断されてしまっているのだという。

 チアパス州のふたりの観光ガイドが匿名を条件に状況を語った。メキシコ政府が観光客に解放していると主張しているほかのふたつの遺跡は、麻薬ギャングの検問所を通過しないと入ることができないらしい。

 「まるで、戦闘地域へ行けというようなものです」ガイドのひとりは言った。

彼らはあなたのスマホを取り上げてサインインコードを聞き出し、会話を調べてあなたがほかのギャングのメンバーではないことを調べるのです。

いつなんどき、ライバルグループが現れて、銃撃戦が始まるやもしれません

 政府とアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、ギャングの暴力を見過ごしてきたが、昨年の12月頃からこの地域への旅行の5%がキャンセルされ始めている。

 メキシコの政治家たちが、殺人が急増していることを認めなかったり、暴力を軽視したりするのは、この国の複雑に絡み合った状況をよく表していて、基本的にカルテルに免責を与えていることになってしまっている。

References:Popular resorts no longer ‘off limits’ for cartel killers: ‘The rules have changed’ / written by konohazuku / edited by / parumo

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この記事へのコメント 17件

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  1. 自国の悪いところは悪いときちんと認められるまともな精神の政治家ってのは存在しないのかねえ

    • +9
    1. >>1
      こういう場合だと、下手に認めると政府が責任問われたり観光客が減ったりしてむしろ政府が弱まり状況が悪化する可能性もあるので厄介なのよ……
      メキシコ政府からしてみれば巻き添え食らって死亡するのも麻薬買ってカルテルを手助けしてるのもどっちもどうせアメリカ人っていうのもあるかもしれない

      • +3
    2. >>1
      認めたら翌日が命日になっちゃう。それに、認めちゃったら袖の下が無くなる。

      • +5
  2. フロリダから北大西洋・カリブ海の島々を渡るクルージングが手頃な値段で人気なんだけど、カンクンにも寄港するのがあったはず。自分が行った頃は、抗争やってるのはメキシコでも田舎だけで観光地は政府が真剣に眼を光らせてるから大丈夫って言われたけど、やっぱりこんなことになってるのか。

    • +24
  3. 最近はだいぶマシになったよーと聞いたのは気のせいだったらしい

    • +10
  4. 正直「この御時世でもメキシコに観光に行こうとする人が未だ居るんだな」と思ってしまった
    観光地だからって安全なんて国じゃ無いだろうなと既に思ってる

    • +21
  5. 割と最近メキシコのマフィアイメージは一部でしかないぞって記事を見たような。
    やっぱり怖いわ。

    • +3
  6. 南米は昔から治安が悪いというイメージしかないなあ
    ずっと麻薬の生産地だったんでしょ?

    • +1
  7. 観光客奪い合うって殺して奪い合うのかよwwww

    • 評価
  8. 観光地は安全危ない所に行かなければ、が崩れたのか
    もうおしまいだな

    • +2
  9. カンクン見覚えあるなと思ったら旅猿で行ってたところだ
    番組長いことやってるともういけないとこも無いとこも出てきたりしてさみしいな

    • 評価
  10. そもそも現地の人は抗争で苦しんでるのに
    外からくる金持ちの観光客は保護されて安全にバカンスを楽しむ
    って元の構図自体からしてグロテスクだよな

    だからといって両者の別なく危険になるほど抗争が激化するのが良いってわけじゃないけどさ
    (観光客が危険なら地元民はなおさら危険になってるわけだし)
    元から歪んでたものがなるべくして悪化したって感じ

    • +3

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